
2025.11.28(金) 新尾道駅(広島県)


広島県尾道市の新尾道駅。
観光の玄関口として名高い尾道駅(山陽本線)とは完全に別の駅で、
こちらは山陽新幹線の単独駅です。

駅の構造は2面2線(2本のホームに2本の線路)+中央に通過線が2線。
この駅に停まる列車は本線から分岐してホームに入線する形となっていて、
停まらない列車は本線たる通過線を最高速度300km/hで走り抜けていきます。

こちらはことし3月ダイヤ改正後の時刻表。
日中は上下線とも1時間に1本の停車ですね。
青いマークが「こだま」、赤いマークが「ひかり」です。
「のぞみ」、「みずほ」、「さくら」の各列車は通常ダイヤでは一切停車せず、
「ひかり」も朝の時間帯に片方向(のぼり)に2本のみ。
このうち7時台の「ひかり」は岡山止まりで終点まですべての駅に停車しますから、
この駅に停まるのはほぼすべてが各駅停車タイプの列車となっています。

(引退がアナウンスされたハローキティ新幹線も「こだま」運用ですね)
そういったわけで、
新幹線の利用にあたっては当駅から(まで)ではなく、
「のぞみ」などの速達列車も停車する福山駅から(まで)乗る・・・
といった方が多いものと推測されます。
そもそもこの駅は1975年3月の山陽新幹線全線開業時には設置されておらず、
1988年3月、地元による請願駅として誕生しました。
設置に至った経緯は省略しますが(おもしろいですよ)、
先述したように停車する列車が少ないことや、在来線との接続がないこと、
また隣駅と近接している※こともあってか、
残念ながらこの駅の利用状況は決して芳しくありません。
(※当駅は東隣の福山まで20.1キロ、西隣の三原まで11.5キロ。
都市部以外の新幹線の駅間距離は30~40キロ前後が多い印象です)

かくいう私も、広島から尾道へ観光に向かう際には山陽本線を乗り通すか、
三原駅まで新幹線を利用して
山陽本線に乗り換えることがほとんどで(広島⇔三原は新幹線自由席料金が割安なのです)、
恥ずかしながら仕事以外でこの駅を使ったことはまだない、というのが実情です。

とはいえ、尾道駅までは路線バスで15分程度ですし、
駅前には有名なラーメン店が立地するなど、
個人的にはなかなか魅力のある駅だと感じています。
かつては近傍を尾道鉄道(私鉄)が通っていましたから、
もし両線が接続していたら・・・という妄想をしてしまうのも
鉄道ファンの性(さが)ですね。
(尾道鉄道は山陽新幹線開業前の1964年に全線廃止されていますので、新幹線と顔を合わせたことはありません)

不遇ではありますが、味わい深い新尾道駅、なのでした。














