知って役立つわんぱくミニ情報

【子育て支援シリーズ】内側がメッシュ生地の男児用水着に注意!


●メッシュ生地に皮膚が挟まり、
 水着が脱げなくなることも。


消費者庁と国民生活センターが共同で情報収集している「医療機関ネットワーク」には、「水着のインナーのメッシュ生地に、陰茎部の皮膚が挟まって取れなくなり、病院へ搬送された」といった事例が多数寄せられています。2010年に改訂された「子供用衣類の設計に関する安全対策ガイドライン」には、陰茎部の皮膚が挟まる事故を防止するため、水着のインナー素材にはメッシュ生地を用いないことが記載されています。しかし、メッシュを使用した従来商品も流通しており、インターネット通販などで流通している海外製品は日本のガイドラインが順守されておらず、事故発生の一因となっています。同様の事故を防ぐため、インナーにメッシュ生地を使用した水着を子どもに着用させないようにしましょう。水着を購入するときや親族・友人から水着を譲り受けるときは、インナーの生地を確認しましょう。

 
<専門家のコメント>
国立大学法人富山大学附属病院小児科 種市尋宙先生


海やプールで遊んでいるときに、男の子が「痛い、痛い」と言ったら、水着の中を見てみましょう。水着の裏地のメッシュに陰茎部の皮膚が挟まっているかもしれません。 水着の裏地のメッシュに陰茎部の皮膚が挟まる事故は20年以上も前、1998年頃から症例報告があります。中には、鎮静させてから処置した事例や成人に起きた事例もあります。事故発生の過程を私の経験から説明します。


◎男児用水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の
 皮膚が挟まり取れなくなる過程


❶男児の皮膚が水着のインナーのメッシュ生地に密着すると、伸展性に富んだ皮膚が、メッシュの穴より外部にはみ出し、メッシュから圧迫を受け始めます。
 

❷局所的に小さな静脈が圧迫を受け、採血の際に腕にバンドを巻いて血流を止めるのと同じような状況となります。
 

❸外部にはみ出した皮膚では、局所的な静脈還流障害が起こり静脈から水分が漏れ出すことで皮膚が徐々に腫脹すると考えられます。
 

❹外部へはみ出した皮膚が腫脹するとはみ出していく力もより強くなり、また、メッシュが皮膚を強く圧迫して激しい痛みが起こります。このような状態になると、自らメッシュを解除することは難しくなります。
 

 

●メッシュ生地に皮膚が挟まってしまったら…。

無理に取ろうとせず、医療機関を受診しましょう 水着のインナーのメッシュ生地に陰茎部の皮膚が挟み込まれると、患部が痛みを伴って膨れ、 腫れ上がる症状が出ます。無理に引っ張ると痛みが増したり、患部付近のメッシュ生地を刃物などで切り離そうとすると、新たなけがをするおそれがあり、危険です。また、挟まってしまった場合は、濡れている水着の重さがかかったり、振動などによって痛みが生じることもありますので、患部のまわりを広く切り取り、挟まっているところを残したまま、速やかに小児科、救急科などの医療機関を受診しましょう。 

 

◎独立行政法人 国民生活センター「男児用水着のインナー生地を
 確認しましょう」(http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210715_1.pdf)を
 加工して作成。


 

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