子育てアドバイス

夫婦間で子育てに対する考え方が異なったら?

今月と来月は「家族と子育て」をテーマに、広島大学大学院教育研究科の教授で、学校心理教育支援室「 にこにこルーム」の担当をされている栗原慎二先生に話を聞きます。まずは「夫婦」。夫婦間で子育てに対する考え方が食い違った場合、どのように対応すれば良いのでしょうか?
相手の考えは否定せず、尊重して
 夫婦と言えども、生まれた家も育った環境も異なるので、意見が100%一致することはありえません。また子育てだけでなく、何に対しても言えることですが、正しいことは一つではありません。
 ではどうすることが望ましいかと言うと、お互いの意見を聞き、話し合い、一致を目指すことです。そして、その姿勢を子どもにも伝えることです。子どもはそれを見て、家族でもそれぞれに考え方があること、話し合うことで解決できることを知り、価値観の多様性やコミュニケーションの大切さを学ぶことができるでしょう。
 この時に大切なのは、お互いの意見を否定せず、尊重しよう、理解しようと努めることです。例えば、子どもに注意して「お父さんはいいって言った」と言われた時、「お父さんはわかってないのよ」などと否定はしない。「お父さんは多分、こう考えていいと言ったと思うけれど、こういう場合はこうした方がいいとお母さんはこう思うよ」などと、父親の意見も尊重する姿勢を見せられるといいですね。
相手を変えるのは難しいので、受け入れてみる
 例えば、一昔前の日本の家庭と言えば、厳格な父親と貞淑な母親というイメージがあります。こういった夫婦の間に、子育てに対する話し合いが持たれていたかというと、そうでもないと思います。けれども、それで子育てに悪影響があったかといえば、それもありません。
 そこには「相互理解」の関係があったと言えるでしょう。「この人はこういう人だから」という受け入れ。これは夫婦だけでなく、親子や嫁姑など、あらゆる人間関係を円滑にするためにもとても大切。相手を変えようとすると、思い通りにならないとイライラするのです。相手を変えることはとても難しいので、まずは自分の考え方を変えて、相手の個性を受け入れてみると、折り合いがつく点が見つかりやすいものです。
子どもの思いを第一にすることを忘れずに
 例えば子どもがケンカをした時。お父さんは「子ども同士は徹底的にやれ」と言い、お母さんは「暴力で解決はいけないから話し合いをした方がいい」と思う。どちらにも、それぞれの思いがあると思いますが、まず注目すべきはケンカの原因。何でケンカになって、どうやったら解決できるのかを考えることが大切です。
 あるいは教育の問題。お母さんは将来のことを考えて、いろいろな習い事や塾にも行かせたいけれど、お父さんはのびのびさせて本人がその気になったらさせればいいと主張する。これも、どちらも子どものことを考えているようですが、実は子どもの思いには耳を傾けていないかもしれません。どちらも、子どもはこうある“べき”、こう育てる“べき”という思い込みにとらわれて、子どもの声を聴けていないということがよくあります。
 夫婦で子どもの教育について話し合って、一致したとしても、それが子どもの思いを置き去りにしたものであれば、“押し付け”にしかなりません。子どもは親のペットではありません。夫婦で話し合うことはもちろん大切ですが、一番大事にされるべきは子どもの思いです。子どもも一緒に、お互いの思いや、方向性を話し合う場を設けてもいいかもしれませんね。
栗原慎二(くりはらしんじ) 広島大学 大学院 教育学研究科 教授
日本学校教育相談学会 会長
日本スクールカウンセリング推進協議会副理事長
日本ピアサポート学会常任理事
公益社団法人学校教育開発研究所(AISES) 代表理事
学校心理教育支援室 にこにこルーム
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