健康基礎知識

【素朴な疑問シリーズ】Q.子どもの咳が長引いて、喘息が心配…。


●3週間以上続く「咳」は、注意が必要です。

◆「咳」は軌道内に異物が混入するのを防ぎ、軌道内から異物を排除するための体の正常な防御機構です。3週間以上8週間未満続く「咳」を遷延性咳嗽、8週間以上を慢性咳嗽と診断します。長引く「咳」は、一般的に3週間を超えるものといえるでしょう。

 

 

●「長引く咳」で受診する時の注意点は?。

◆「咳」の原因となる病気は、たくさんあります。以下の情報をメモして受診することをおすすめします。
 

 
 
●「長引く咳」の疾患は?

◆小児科を受診するお子さんは年齢差が大きいため、年齢によってよく認められる疾患に違いがあります。

◆最も多いのは、集団生活の中で風邪を繰り返しもらうことで、良くなったり悪くなったりしながら「咳」が続くパターンです。

◆全年齢に共通して認められるのは、「後鼻漏症候群」(鼻の奥から喉に垂れた鼻水が刺激になって咳が出る)が多く、次いで「受動喫煙」「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」などがあります。

◆その他、感染に伴う「長引く咳」としては、「マイコプラズマ」や「百日咳」などでおおよそ8週間程度で改善してくることが多いです。

◆また、学童期以後の「長引く咳」としては、「心因性咳嗽」や「習慣性咳嗽」といわれる疾患が増えてきます。睡眠中や遊びに集中し始めると消える一見「奇異な咳」が特徴になります。「咳喘息」の場合、夜間も「咳」が続きますので、鑑別が可能となります。

□以下に、他の年齢のお子さんの「長引く咳」についてもまとめてみました。
 

 

●どのような時に喘息と診断しますか?

◆小学生以上のお子さんの場合、「呼吸機能検査/気道可逆性試験」が可能であれば検査を行います。

◆これにより「喘息を疑う気道の狭窄」があるかを確認することができ、「気管支喘息」なのか違うのかを診断することが可能です。

◆しかし、これらの検査は、総合病院でしかできないことが多く、また小さなお子さんでは検査が上手にできません。

◆その場合は、まず感染症の可能性を考え治療し、経過を確認しながら、「夜になると酷くなる」「ぜーぜーする」などの症状があれば、抗喘息薬を使用して「咳」が改善するかを確認することがあります。

◆小さなお子さんの場合は、夜間の「咳」など特徴的な症状が出ないことがあるので、内服を行い、反応を確認することがあります。

◆喘息であれば抗喘息薬により咳が改善するため、「気管支喘息」と診断することができます。抗喘息薬で改善しない場合は、喘息でない可能性が高いと考えてください。

◆また、「気管支喘息」の一種で、「咳」しかない「咳喘息」という疾患があります。この疾患の場合、「呼吸機能検査」は正常範囲内であることが多いため、診断は難しいですが、気管支拡張薬の効果があるため、「咳」が酷い時に気管支拡張薬の吸入や内服を行うことで症状が改善するか確認することがあります。

◆そのほか、例えば「布団に入ると酷くなる」などの所見がある場合、ダニやハウスダストのアレルギーで「咳」が酷くなっている可能性を考え、アレルギー検査をしたり、抗アレルギー薬を飲みながら「咳」の具合を確認することがあります。

◆「長引く咳」の原因は、喘息でないことが多いですが、お子さんの状態が診断のヒントになるので、遠慮せずに教えてください。


【参考文献】
咳嗽に関するガイドライン第2版(日本呼吸器学会)
橘高祐子(きったか・ゆうこ)先生 <span style="color:#FF0000;font-size:1.125em;font-weight:bold;">JA尾道総合病院 
小児科副部長</span>
◆日本小児科学会 
 小児科専門医

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