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日常に取り入れる「ローリングストック」という防災の知恵


初夏の梅雨時期に心配なのが、大雨。2018年の西日本豪雨では、広範囲で浸水や土砂災害が相次ぎ、道路の寸断やライフラインの長期停止が発生。水や食料が手に入らず、不安な日々を過ごした人も多く、家庭の備えの大切さが改めて注目されました。そこで、改めて注目したいのが、ローリングストックという備蓄法です。大雨、地震、台風など自然災害はいつどこで起きてもおかしくありません。今回は、主に食に関連する必要な家庭備蓄の内容を紹介します。

なぜ今、家庭備蓄が必要なのか?


災害が発生すると、電気・ガス・水道といったライフラインが停止することがあります。また、道路ががれきで塞がれたり、浸水したりして、物流が機能しなくなるケースも少なくありません。過去の災害例を見ると、復旧までに1週間以上を要した例も多く、その間は食料や水の確保が難しくなることが予想されます。

「避難所に行けば何とかなる」と考える人もいるかもしれませんが、支援物資がすぐに届く保証はなく、スーパーやコンビニの棚が空になる光景も、災害時にはよく見られます。だからこそ、最低3日分、できれば1週間分の備蓄を家庭で行っておくことが必要なのです。

特に温かくて栄養バランスのとれた食事は、非常時の精神的・身体的な支えとなります。普段と変わらない食生活を維持できることで、子どもも大人も安心して過ごすことができるのです。

ローリングストックとは?


ローリングストックとは、「備える・食べる・補充する」を繰り返しながら、日常生活の中で無理なく備蓄を続ける方法です。

たとえば、ふだん食べているカップ麺やレトルト食品、缶詰などを少し多めに買っておき、消費した分だけ買い足すことで、常に一定量の備えを保つことができます。この方法なら、「非常食の期限が切れていた」という事態を防ぐことができ、慣れ親しんだ味で非常時にも安心感が得られます。キャンプやアウトドアでも使える食材を活用するのも、ローリングストックの賢いやり方の一つです。

何をどれだけ備えるべき?備蓄の目安


家庭備蓄は、家族の人数やライフスタイルに応じて調整する必要がありますが、目安となる例をご紹介します。

《必需品(大人2人・1週間分の目安)》
水:2L×6本×4箱(1人1日3Lを目安に)
カセットコンロ:1台
カセットボンベ:12本(1人1日約1本)

水は飲料用だけでなく、調理や手洗いにも使います。また、カセットコンロがあればお湯を沸かしたり、レトルト食品を温めたりでき、温かい食事は心を落ち着かせる効果もあります。

《食品の備蓄例》
◇主菜(たんぱく源)
肉・魚の缶詰(ツナ、サバ、焼き鳥など)×18缶、牛丼の素やレトルトカレーなど×18食、パスタソースなどのレトルト食品×6個
◇主食(炭水化物)
米2kg×2袋、カップ麺×6個、パックご飯×6個、乾麺(そうめん、パスタなど)各2袋
◇副菜・果物(ビタミン・ミネラル)
梅干し、漬物、じゃがいも、玉ねぎなど、野菜ジュース、野菜の缶詰、果物の缶詰、ジュース、ドライフルーツ
◇その他
お菓子類(チョコレート、ビスケットなど)、調味料(味噌、醤油、塩、マヨネーズなど)、即席みそ汁やスープ

普段食べている食品の中から、長期保存ができるものを優先して選ぶとよいでしょう。

家族の状況に応じた備え、食べ慣れた食品が大切


災害時の備えは、家族の年齢や健康状態に応じた配慮が不可欠です。
乳幼児がいる家庭では、母乳だけでは足りない場合に備えて、粉ミルクや液体ミルク、食べ慣れたレトルトの離乳食を多めにストックしておきましょう。紙コップや使い捨てスプーンなど、衛生的に使える食器類もあわせて準備しておくと安心です。
高齢者の場合は、食欲が低下したときでも口にしやすいおかゆややわらかいレトルト食品、インスタントみそ汁などを備えておくと、体への負担を抑えつつ栄養を確保できます。
持病のある方には、医師の指導に沿った食事内容が継続できるよう、減塩や低アレルゲンの食品を選び、ふだんの食生活をできるだけ維持できるように工夫しましょう。
また、アレルギーを持つ方は、必要な食品が災害時に入手しにくくなる可能性があります。特定原材料不使用のレトルト食品や、アレルギー対応の備蓄食を最低2週間分準備しておくことが重要です。普段からそれらの食品に慣れておくと、いざという時に安心です。

小学生の子どもがいる場合、好物を数種類(おやつ、飲み物、レトルト食品など)用意し、子どもが食べやすい柔らかめの食品やふりかけ、スープなどの補助食品もあると安心です。

災害時は「ふだんと同じ食事」が何よりの安心材料になります。誰にとっても安全でストレスの少ない食事を提供できるよう、日常から準備を整えてきたいものです。

継続のコツは「完璧を目指さない」こと


備蓄というと、「特別な非常食を買いそろえなければ」と構えてしまいがちですが、ローリングストックはあくまで日常の延長です。自宅にあるストックを少し意識するだけで、立派な備えになります。「賞味期限が近いから食べる」「食べたら新しいものを買う」――このサイクルを続けることで、常に新しいストックを保てます。忙しい中でも無理なく、防災の意識を生活に根づかせる方法として、多くの家庭に取り入れてほしい考え方です。

災害は「いつか」ではなく、「いつでも」起こり得ます。その時、家にある備えが、家族の命と健康を守る命綱になるかもしれません。ローリングストックは、特別なことではなく、誰にでも始められる小さな習慣です。この機会にぜひ、家庭の備蓄を見直してみませんか?今できる一歩が、未来の大きな安心になります。

<出展>
政府広報オンライン:「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方
経済産業省:「家庭備蓄ポータル

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