株式会社 なかたか(島根県)
島根県東部に位置する松江市。地域の麺文化を支え、地元のスーパーや学校給食でも長年愛され続けてきた創業76年の製麺カンパニーがあります。名物は宍道湖の名産・しじみを贅沢に使った「しじみラーメン」。職人の感覚と機械を融合させて守る抜群の美味しさは、地元の食卓に欠かせない味でした。しかし、時代の流れが激しい今、カンパニーは未来を見据えて全国展開や海外輸出という新たな挑戦へ乗り出します。ところが、そこには生麺ゆえの「賞味期限」という予想外の大きな壁が立ちはだかったのです。今回は、地元の味を世界へ届けるために奮闘する製麺カンパニーのそ~だったのか!に迫ります。


1950年創業の「なかたか」。出雲そばや松江ラーメンをはじめ、うどん・スパゲティなど70種類以上の麺商品を取り扱っています。人気飲食店や学校給食にも使われているカンパニーの麺は、いつもと変わらない安定した品質で提供されています。そんな麺の出来を左右するのが、小麦粉の「水分量」です。その日の天気や気温・湿度によって、適切な水分量が変わってくるため、機械だけでは補うことができません。そこで、カンパニーでは機械と手作業のハイブリッドで製造することで、いつも変わらない高いクオリティーを保った麺ができているのです。さらに、お店のオーダーに合わせた麺の開発や、商品に合わせたゆで時間の提案など、地域密着スタイルで信頼を獲得。こうして、地域の麺文化を支えているのです。


地域に根差した味を全国へ届けるため、カンパニーが乗り出したのは通販事業です。数ある商品の中から選んだのは、ロングセラーの「松江らーめん しじみ醤油味」。しかし、全国展開を目指す中で「しじみ感が足りない」という課題に直面します。しじみの量を増やすと、貝独特のえぐみや臭みが出るため、スープを塩ベースに改良し、ホタテとエビのエキスを加えることで、しじみ本来の風味が際立つラーメンへと進化させました。さらに、海外輸出にも挑戦。シンガポールや台湾の食品イベントでの反応は上々でしたが、輸出は消費者の手元に届くまでに時間がかかるため、賞味期限の問題が立ちはだかります。付加価値のある生麺を輸出するため、食感を保ちつつ、賞味期限を延ばす開発に1年以上を費やし、ついに90日から200日へと延ばすことに成功したのです。