【特集】飲み込むことが難しい『嚥下障がい』の人も楽しめるカフェ 女性プロデューサーの思いとは… 広島
5/11(月) 18:32
飲み込むことが難しい嚥下(えんげ)障がいの人にも外食を楽しんでほしいと、誰もが集えるカフェを目指す一人の女性の思いに迫りました。
広島市中区十日市にあるカフェ。
その名も『core』。
ケーキやプリンなどのスイーツが並び、コーヒーの香りが漂う中、運ばれてきたランチをみてみると…。
みそ汁の油揚げは別皿に細かく刻まれ、野菜はやわらかく調理されています。
【カフェ利用者】
「おいしい、やわらかい」
この店は普通食だけでなく、飲み込むことが難しい嚥下(えんげ)障がいの人のために、柔らかさを調整した、いわゆる「嚥下食(えんげしょく)」が食べられるカフェです。
その名も『core』。
ケーキやプリンなどのスイーツが並び、コーヒーの香りが漂う中、運ばれてきたランチをみてみると…。
みそ汁の油揚げは別皿に細かく刻まれ、野菜はやわらかく調理されています。
【カフェ利用者】
「おいしい、やわらかい」
この店は普通食だけでなく、飲み込むことが難しい嚥下(えんげ)障がいの人のために、柔らかさを調整した、いわゆる「嚥下食(えんげしょく)」が食べられるカフェです。
メニューは、高齢者施設やこども療育センターで勤務経験がある藤井管理栄養士が監修しています。
【管理栄養士 藤井葉子さん】
「作り方とかそういった工夫で食べることを楽しみ続けられるということを、より知ってもらえる場所になれば」
【管理栄養士 藤井葉子さん】
「作り方とかそういった工夫で食べることを楽しみ続けられるということを、より知ってもらえる場所になれば」
店をプロデュースした村尾晴美さんです。
店を立ち上げた理由…。
それは。村尾さんと重度の障がいがある息子・祐樹さんとの葛藤の日々がありました。
未熟児として生まれた祐樹さん。
水分や栄養を直接胃に届ける胃ろうをつけて生活しています。
【カフェ「core」をプロデュース 村尾晴美さん】
「他のお母さんたちは母子同室で赤ちゃんを抱いているのに、私だけ抱けない。保育器の中に入ってしまっているから触れもしない。すごく悔しくて悲しくて。目も見えていないんですよ。目が見えていてなくて体が動かなくてというところが、他の障がい者の子たちでも目が見えている子を見るとうらやましいなと思うし、ちょっとでもお座りができたり、ハイハイができる子たちを見るとうらやましいと思ったし、自分が一番不幸な気がしていた」
店を立ち上げた理由…。
それは。村尾さんと重度の障がいがある息子・祐樹さんとの葛藤の日々がありました。
未熟児として生まれた祐樹さん。
水分や栄養を直接胃に届ける胃ろうをつけて生活しています。
【カフェ「core」をプロデュース 村尾晴美さん】
「他のお母さんたちは母子同室で赤ちゃんを抱いているのに、私だけ抱けない。保育器の中に入ってしまっているから触れもしない。すごく悔しくて悲しくて。目も見えていないんですよ。目が見えていてなくて体が動かなくてというところが、他の障がい者の子たちでも目が見えている子を見るとうらやましいなと思うし、ちょっとでもお座りができたり、ハイハイができる子たちを見るとうらやましいと思ったし、自分が一番不幸な気がしていた」
塞ぎ込む村尾さんが前を向いた、きっかけ。
それは障がいのある子どもを育てる母親たちの明るい姿でした。
【村尾晴美さん】
「うちの子は目が見えないし、あれもできないし…と言ったときに、周りのお母さんたちが『うちの子も目見えてないよ』とか『うちの子はこんなんなのよ』と聞かされる話が。それを聞いたら私だけじゃないなと。だけどみんななんでこんなに元気なんだろうって思うと甘えていたなだったり、他のお母さんたちをみて元気をもらったじゃないけど、仲間同士のつながりが本当にありがたくて」
それは障がいのある子どもを育てる母親たちの明るい姿でした。
【村尾晴美さん】
「うちの子は目が見えないし、あれもできないし…と言ったときに、周りのお母さんたちが『うちの子も目見えてないよ』とか『うちの子はこんなんなのよ』と聞かされる話が。それを聞いたら私だけじゃないなと。だけどみんななんでこんなに元気なんだろうって思うと甘えていたなだったり、他のお母さんたちをみて元気をもらったじゃないけど、仲間同士のつながりが本当にありがたくて」
自分には何ができるのか?
周りの人のおかげで前を向けたように、誰もが集える場所を作りたい。
店の名前「コア」にその思いを込めました。
【村尾晴美さん】
「みんなが楽しく過ごせる場所がほしいと思っていて、街の中に障がいがあろうとなかろうといろんな人たちが集まって過ごす場所があったらいい」
周りの人のおかげで前を向けたように、誰もが集える場所を作りたい。
店の名前「コア」にその思いを込めました。
【村尾晴美さん】
「みんなが楽しく過ごせる場所がほしいと思っていて、街の中に障がいがあろうとなかろうといろんな人たちが集まって過ごす場所があったらいい」
店には、村尾さんが祐樹さんと懸命に過ごしてきたからこそわかる気遣いの工夫がたくさんあります。
【村尾晴美さん】
「フリー電源をあちこちにマークを付けておいています。呼吸器を付けていたり、痰を吸引をする機械だったり、どうしても電源を必要とする子たちが多いんですよね。中もすごく広くさせていただいているんですけど」
【村尾晴美さん】
「フリー電源をあちこちにマークを付けておいています。呼吸器を付けていたり、痰を吸引をする機械だったり、どうしても電源を必要とする子たちが多いんですよね。中もすごく広くさせていただいているんですけど」
調理を担うスタッフは、全員障がいのある子どもを育てるお母さんたちです。
ケアが必要な子どもを抱え、これまでは一般的な働き方ができなかったと言います。
しかし…。
【スタッフ 廣兼麻畝さん】
「ここはみなさんがお互い様なのですごく働きやすい。家にヘルパーさんが来るから早く出ないといけないという時は、『いいよいいよ』と言ってもらって帰れるし、楽しいですね。自分の時間が持てて、先輩方なので皆さん同じ悩みを持っているので話も合うし、相談もしやすいし」
ケアが必要な子どもを抱え、これまでは一般的な働き方ができなかったと言います。
しかし…。
【スタッフ 廣兼麻畝さん】
「ここはみなさんがお互い様なのですごく働きやすい。家にヘルパーさんが来るから早く出ないといけないという時は、『いいよいいよ』と言ってもらって帰れるし、楽しいですね。自分の時間が持てて、先輩方なので皆さん同じ悩みを持っているので話も合うし、相談もしやすいし」
店のキッチンが悩みを相談できるコミュニティにもなっています。
さらに、店のあるビルの2階には生活介護事業所が入っていて、月に1回、給食の調理を任されています。
多くの嚥下食は、すべての食材を同時にミキサーにかけて作りますが、この場所では、食材ごとにミキサーにかけるため、素材の味や見た目も楽しめるといいます。
さらに、店のあるビルの2階には生活介護事業所が入っていて、月に1回、給食の調理を任されています。
多くの嚥下食は、すべての食材を同時にミキサーにかけて作りますが、この場所では、食材ごとにミキサーにかけるため、素材の味や見た目も楽しめるといいます。
この日も2階に給食が運ばれてきました。
【給食を食べる人と介助者】
「おいしいね」
【生活介護事業所あべに~る十日市 宮前翔太さん】
「味も良くて温かいものが運ばれてくるので、(利用者の)表情もいつもと違うと感じる。お母さんたちが働いているので、利用者に合った食形態で連携が取れて、安全にご飯が食べられる」
【給食を食べる人と介助者】
「おいしいね」
【生活介護事業所あべに~る十日市 宮前翔太さん】
「味も良くて温かいものが運ばれてくるので、(利用者の)表情もいつもと違うと感じる。お母さんたちが働いているので、利用者に合った食形態で連携が取れて、安全にご飯が食べられる」
そして先月、新たな挑戦が始まりました。
【村尾晴美さん】
「今まで店頭販売しかしていなかったんですけど、冷凍のものを全国に宅配で配達できるようになりました。発売当日から注文いただいてすごくありがたい。『待ってました』という声も結構あって」
全国の嚥下食を必要としている人から反響が寄せられています。
【息子のために東京から購入 森川昌子さん】
「私たちと一緒のお母さんたちが作っているという話を聞くと、愛情もこもっているかなと思って。手作りというのが安心感がある。毎日ペースト食を作るのが結構大変なので、本当にお助けグッズで助かる。お肉は繊維があるので簡単にペーストにならない。どうしてもタンパク質がなかなか上手に食べさせられないので、お肉のお弁当は感謝、ありがたい。きょうは昼にトンカツを食べさせた。トンカツなんて食べさせたことがないので感激。喜んでにこにこしてパクパクよく食べていた」
【村尾晴美さん】
「今まで店頭販売しかしていなかったんですけど、冷凍のものを全国に宅配で配達できるようになりました。発売当日から注文いただいてすごくありがたい。『待ってました』という声も結構あって」
全国の嚥下食を必要としている人から反響が寄せられています。
【息子のために東京から購入 森川昌子さん】
「私たちと一緒のお母さんたちが作っているという話を聞くと、愛情もこもっているかなと思って。手作りというのが安心感がある。毎日ペースト食を作るのが結構大変なので、本当にお助けグッズで助かる。お肉は繊維があるので簡単にペーストにならない。どうしてもタンパク質がなかなか上手に食べさせられないので、お肉のお弁当は感謝、ありがたい。きょうは昼にトンカツを食べさせた。トンカツなんて食べさせたことがないので感激。喜んでにこにこしてパクパクよく食べていた」
西本さんは、通信販売で冷凍嚥下食を購入したことがきっかけで店を訪れました。
【村尾晴美さん・西本理恵さん】
「いらっしゃいませ。どうぞ西本さん、ようこそいらっしゃいました」
「やっと来られた」
関節リウマチの影響で食べられるものが徐々に限られる中、食べたくても食べられなかった『トンカツ』を味わったことが忘れられないと言います。
【西本理恵さん】
「久々にトンカツが食べられた!というのがすごく嬉しかった。本当に嬉しかった」
そして、この日は食べたかったハンバーグ定食を事前に予約していました。
【村尾晴美さん】
「ハンバーグ、大きなしめじが本当は上に乗っかっているんですけど、食べづらいので、それは刻んで…」
【西本理恵さん】
「ふふ、おいしい。うんうん、やわらかい。ヘルパーさんは普通食で、私がちょっと柔らかくしてあるというので。一緒に気楽に来られて楽しめるという拠点はなかなかない。私が広島市内に出かける楽しみができるという。こういうお店はもっともっと増えたらいい」
【村尾晴美さん・西本理恵さん】
「いらっしゃいませ。どうぞ西本さん、ようこそいらっしゃいました」
「やっと来られた」
関節リウマチの影響で食べられるものが徐々に限られる中、食べたくても食べられなかった『トンカツ』を味わったことが忘れられないと言います。
【西本理恵さん】
「久々にトンカツが食べられた!というのがすごく嬉しかった。本当に嬉しかった」
そして、この日は食べたかったハンバーグ定食を事前に予約していました。
【村尾晴美さん】
「ハンバーグ、大きなしめじが本当は上に乗っかっているんですけど、食べづらいので、それは刻んで…」
【西本理恵さん】
「ふふ、おいしい。うんうん、やわらかい。ヘルパーさんは普通食で、私がちょっと柔らかくしてあるというので。一緒に気楽に来られて楽しめるという拠点はなかなかない。私が広島市内に出かける楽しみができるという。こういうお店はもっともっと増えたらいい」
村尾さんも今後の社会の動きに期待を込めます。
【村尾晴美さん】
「ほんのちょっとの配慮があれば外に出られる。食べ物の配慮もスペースの配慮も、こういう場所がここだけではなくて全国で広島もいろんな場所に増えてほしいなと思っていて」
障がいがある人も、ない人も笑顔になれる場所があります。
周りに、ほんの少し気持ちを向けることで、その場所は広がっていくのかもしれません。
【村尾晴美さん】
「ほんのちょっとの配慮があれば外に出られる。食べ物の配慮もスペースの配慮も、こういう場所がここだけではなくて全国で広島もいろんな場所に増えてほしいなと思っていて」
障がいがある人も、ない人も笑顔になれる場所があります。
周りに、ほんの少し気持ちを向けることで、その場所は広がっていくのかもしれません。
