「委託後の里親への支援が 不十分だった」 府中市の里子虐待問題 検証結果まとめ報告書を県に提出 広島

10/28(水) 18:37

去年、府中市の男性が、里子として引き受けた当時1歳の男の子を虐待した問題です。

検証部会は、「委託後の里親への支援が不十分だった」とする検証結果をまとめました。

この問題は去年9月、府中市に住んでいた30代の男性が、里子として引き受けた当時1歳の男の子に対し、顔面をけったり、体を床にたたきつけたりする虐待を加えたとして、有罪判決を受けたものです。

問題を受けて設置された、有識者などでつくる検証部会は、4回の協議で検証結果をまとめ、28日、県に報告書を提出しました。

報告書では、里親への委託後、父親の健康面に配慮が必要だったにも関わらず、関係機関が把握していなかったと指摘。東部子ども家庭センターの職員が主体的に家庭訪問を行う中で、市はどのような関わりをもてばよいか分からず、能動的に関わることがなかったなどと、里親委託後の支援や情報共有が不十分だったとしています。

そのうえで、里親への委託後は関係機関の職員などが日ごろから里親と顔なじみになって状況を把握、共有し、必要な支援を行う事が重要だと報告しました。

【検証部会の委員 安田女子大学 教育学部 橋本信子 教授】
「里親さんも、あたたかい気持ちを持って、お子さんを受け入れてくださるという覚悟を持って申請書を出されているわけですから、今できることは、その後のフォロー体制を、きめ細やかに丁寧にやっていく、そういう体制づくりだと思っています」

【スタジオ】

ここからは取材した竹内記者とお伝えします。

【竹内記者】
父親は今からおよそ1年前に逮捕。
その後、起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けています。

この「里親制度」ですが、さまざまな事情によって家庭で生活することができない子どもを、一定の期間、預かって育てるものです。

「里親」になるには面談や研修、審査を経て、県に「適格」と判断される必要があります。

今回の里親は、おととし4月に申請を行い面談や研修を受けた後、10月に里親として登録。そして翌年4月に県の打診をうけて男の子との交流をスタート。
その後正式に里親として委託されました。

しかしそれからわずか4カ月後、去年9月12日に虐待の通告があり、4日後に男の子が保護されました。

検証部会がおもに課題があったとしたのは、委託までの手続きではなく、委託後の支援です。

再発防止策として、
・家庭訪問やアンケートを定期的に実施すること
・関係機関の役割分担を明確にすることが必要
・里親が養育に悩んだときひとりで抱え込むのではなく悩みを相談できるようにし、孤立しないことが重要だと指摘しています。

吉中さん、今回の検証結果をどう受け止めますか?

【番組コメンテーター 広島大学 吉中信人教授】
「やっぱりいずれも適切な提言だと思いますね。その里親の方々もですね、最初は本当にすごく優しい気持ちで引き受けようと思っておられるわけですけれども、継続的な支援をしていくということ、何が本当に困っているのかということを、多少は介入の難しさというのはあるんですけども、かなり積極的にですね、その悩みを聞きに行くとかですね、介入が必要かなと思いますね」

【加藤キャスター】
そうですね、この不幸な事件を減らすためにも、里親にすべて任せるのではなくて、助けを求めやすい環境を作っていくことも大切といえそうです。