人生の集大成に向けて『終活』 家族で話す「相続」と「遺言」 判断能力があるうちに…
12/19(金) 10:32
今知りたい、旬の情報をお伝えするコーナー「サキドリ」。
今回は年末年始に家族で話し合ってほしい話題をお伝えします。
今回は年末年始に家族で話し合ってほしい話題をお伝えします。
■■■ スタジオ ■■■
厚生労働省によりますと、日本の平均寿命は2022年時点で男性は81.05歳、女性は87.09歳。
今回、注目したいのは健康寿命です。
健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことで男性は72.57歳、女性は75.45歳となっています。
今回のテーマはその健康寿命を迎えるまでにやっておきたいこちらです!
「人生の終わりに向け準備する『終活』」
認知症などで判断能力が低下するなど、財産が本人で管理できなくなる可能性もあるため、元気なうちに準備をしておく必要があります。
皆さんはどのような終活をしているのか取材しました。
厚生労働省によりますと、日本の平均寿命は2022年時点で男性は81.05歳、女性は87.09歳。
今回、注目したいのは健康寿命です。
健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことで男性は72.57歳、女性は75.45歳となっています。
今回のテーマはその健康寿命を迎えるまでにやっておきたいこちらです!
「人生の終わりに向け準備する『終活』」
認知症などで判断能力が低下するなど、財産が本人で管理できなくなる可能性もあるため、元気なうちに準備をしておく必要があります。
皆さんはどのような終活をしているのか取材しました。
▲▲▲ VTR ▲▲▲
今月、広島市で開かれた講演会には終活を考えているおよそ100人が参加しました。
【60代】
「私は主人しかいない。子供がいない。自分ひとりで最終的に生きていくのに相続の話を聞いておきたい。ぼけ始めた友達がいるのを見たら自分もいつなるか分からない」
【80代】
「財産をどういうふうに子供たちに問題なく分けてもいいし分けなくてもいいけど、僕が死んでも皆いい方向に進んでいけるように、子供同士が仲良く手を取り合っていけるような状態にできたらいい」
今月、広島市で開かれた講演会には終活を考えているおよそ100人が参加しました。
【60代】
「私は主人しかいない。子供がいない。自分ひとりで最終的に生きていくのに相続の話を聞いておきたい。ぼけ始めた友達がいるのを見たら自分もいつなるか分からない」
【80代】
「財産をどういうふうに子供たちに問題なく分けてもいいし分けなくてもいいけど、僕が死んでも皆いい方向に進んでいけるように、子供同士が仲良く手を取り合っていけるような状態にできたらいい」
講演するのは、相続の手続きや遺言の作成などを主にやっている行政書士、岡村奈七江さんです。
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「自分が死んだときに雲の上から家族を見て『こんなはずではなかった』とならないようにしないといけない。『私の人生これでよかった』と思えるような準備を一緒にしていけたらいい」
以前、公務員だった時、相続に困っている家族にであったことで、終活の重要性を感じたといいます。
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「相続が発生している土地の所有者から用地を買わせていただくとき、仲の良かった家族が用地買収で金が発生したことで仲が悪くなるような相続でもめることを見て、相続は大変だな」
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「自分が死んだときに雲の上から家族を見て『こんなはずではなかった』とならないようにしないといけない。『私の人生これでよかった』と思えるような準備を一緒にしていけたらいい」
以前、公務員だった時、相続に困っている家族にであったことで、終活の重要性を感じたといいます。
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「相続が発生している土地の所有者から用地を買わせていただくとき、仲の良かった家族が用地買収で金が発生したことで仲が悪くなるような相続でもめることを見て、相続は大変だな」
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終活には様々な種類があります。
例えば…。
1.もしもの時に家族がスムーズに手続きを進められるよう自分の情報を残すエンディングノートを書く。
2.身辺整理、スマートフォンなどに残された不要なデータを整理するデジタル終活。
3.葬儀や墓を準備する。
4.介護や入院の方向性を決めておく。
終活には様々な種類があります。
例えば…。
1.もしもの時に家族がスムーズに手続きを進められるよう自分の情報を残すエンディングノートを書く。
2.身辺整理、スマートフォンなどに残された不要なデータを整理するデジタル終活。
3.葬儀や墓を準備する。
4.介護や入院の方向性を決めておく。
このように様々な終活がありますが、中でも特に重要なのが「遺言書の作成」です。
遺言とは自分の財産を誰にどれだけ残したいか生前に意思表示するものです。
その遺言と向き合う家族に出会いました。
遺言とは自分の財産を誰にどれだけ残したいか生前に意思表示するものです。
その遺言と向き合う家族に出会いました。
▲▲▲ VTR ▲▲▲
行政書士の岡村さんの事務所を訪ねたのはこちらの親子です。
【母(84)】
「年を取ったので何があってもおかしくない年代です。2人の子供たちがないところほどもめる話を聞くので財産が何にもない」
【娘(57)】
「遺言を書いてもらえばもめるとは思っていないけど、もし何かあったときに本人たちがどう思っていたのか、私と弟の2人に分かれば私たちも方向性を決めやすい。今両親が住んでいるマンションをどうしていくのかが一番大きい。その相談をしたくて来ました」
親子の家系図です。
両親は将来、今住んでいるマンションを誰に相続するか悩んでいます。
行政書士の岡村さんの事務所を訪ねたのはこちらの親子です。
【母(84)】
「年を取ったので何があってもおかしくない年代です。2人の子供たちがないところほどもめる話を聞くので財産が何にもない」
【娘(57)】
「遺言を書いてもらえばもめるとは思っていないけど、もし何かあったときに本人たちがどう思っていたのか、私と弟の2人に分かれば私たちも方向性を決めやすい。今両親が住んでいるマンションをどうしていくのかが一番大きい。その相談をしたくて来ました」
親子の家系図です。
両親は将来、今住んでいるマンションを誰に相続するか悩んでいます。
【母(84)】
「夫婦2人とも元気でいたら施設には頼らないで2人で協力してやっていくのが一番。近くに孫が住んでいる。今賃貸に住んでいるので、できたら孫に売って私たちが孫に家賃を払いながら住み続ける。そういう方法もありかな」
【娘(57)】
「他の孫もいるから、その子だけにあげると不公平感が出るのではないか。孫に買わせてお金を払わせれば、他の孫も買いたいなら金を出しなさいで済む」
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「親族間で売買はハードルが高い。安くは売れない。時価相当で売買しないと贈与税の対象になる可能性がある。売却されたときには一時所得扱いになるので譲渡所得税がかかる。両親の望みはこのマンションで元気に生活する。ここに居続けたいのが一番。そこを実行するためには孫との売買をオススメしない。住むのは2人なんだから。(マンションの)名義は父。万が一父が先に亡くなったとき、まずは母(に相続)。もし母が先に亡くなっていたら、例えば娘にお世話になっているからマンションは娘に相続させる予備的(な遺言)を父に書いてもらう。遺留分(最低限保障された遺産取得分)を息子に渡す」
【母(84)】
「帰って聞いたことを話して、できたら早めの遺言書を作った方がいいかな」
「夫婦2人とも元気でいたら施設には頼らないで2人で協力してやっていくのが一番。近くに孫が住んでいる。今賃貸に住んでいるので、できたら孫に売って私たちが孫に家賃を払いながら住み続ける。そういう方法もありかな」
【娘(57)】
「他の孫もいるから、その子だけにあげると不公平感が出るのではないか。孫に買わせてお金を払わせれば、他の孫も買いたいなら金を出しなさいで済む」
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「親族間で売買はハードルが高い。安くは売れない。時価相当で売買しないと贈与税の対象になる可能性がある。売却されたときには一時所得扱いになるので譲渡所得税がかかる。両親の望みはこのマンションで元気に生活する。ここに居続けたいのが一番。そこを実行するためには孫との売買をオススメしない。住むのは2人なんだから。(マンションの)名義は父。万が一父が先に亡くなったとき、まずは母(に相続)。もし母が先に亡くなっていたら、例えば娘にお世話になっているからマンションは娘に相続させる予備的(な遺言)を父に書いてもらう。遺留分(最低限保障された遺産取得分)を息子に渡す」
【母(84)】
「帰って聞いたことを話して、できたら早めの遺言書を作った方がいいかな」
■■■ スタジオ ■■■
この親子はマンションの相続で家族がもめないように遺言書を作っていましたが、遺言がないために起きる相続のトラブルはどのくらいあるのでしょうか。
実際にそういった点も問題になっています。
広島家庭裁判所によりますと、全国の家庭裁判所に昨年度、申し立てられた遺産の分割について、相続人の間で話合いがつかない遺産分割事件はおよそ2万件と、2023年度と比べ、およそ1500件増えています。
専門家は、亡くなった人が遺言を残していなかった場合についてこう話します。
この親子はマンションの相続で家族がもめないように遺言書を作っていましたが、遺言がないために起きる相続のトラブルはどのくらいあるのでしょうか。
実際にそういった点も問題になっています。
広島家庭裁判所によりますと、全国の家庭裁判所に昨年度、申し立てられた遺産の分割について、相続人の間で話合いがつかない遺産分割事件はおよそ2万件と、2023年度と比べ、およそ1500件増えています。
専門家は、亡くなった人が遺言を残していなかった場合についてこう話します。
【なな行政書士法人 岡村奈七江さん】
「遺言がなかったら、相続人の間で遺産分割協議という話し合いをしないといけない。そのときにお母様が話し合いができる状態ではなかったら、途端に相続の手続きが進まなくなる可能性があります。きょうだい仲はよかったのに親御さんがいなくなったことで防波堤がなくなって、連れ合いが口を出しもめることもある。遺言があると一番の特効薬ワクチンになる」
「遺言がなかったら、相続人の間で遺産分割協議という話し合いをしないといけない。そのときにお母様が話し合いができる状態ではなかったら、途端に相続の手続きが進まなくなる可能性があります。きょうだい仲はよかったのに親御さんがいなくなったことで防波堤がなくなって、連れ合いが口を出しもめることもある。遺言があると一番の特効薬ワクチンになる」
■■■ スタジオ ■■■
認知症になって判断能力が低下すると、遺言を作ることが難しくなると思いますが、その場合はどうなるのでしょうか。
国の推計では、2040年には65歳以上の高齢者の3人に1人は認知症か、もしくは、それに近い症状が出ると予測されていて、今後、多くの家庭で起きる問題ですよね。
判断能力がないと預貯金を下ろしたり、保険や金融商品の手続き、不動産の改築や処分も自身ではできなくなり、資産が事実上凍結されてしまいます。
認知症になって判断能力が低下すると、遺言を作ることが難しくなると思いますが、その場合はどうなるのでしょうか。
国の推計では、2040年には65歳以上の高齢者の3人に1人は認知症か、もしくは、それに近い症状が出ると予測されていて、今後、多くの家庭で起きる問題ですよね。
判断能力がないと預貯金を下ろしたり、保険や金融商品の手続き、不動産の改築や処分も自身ではできなくなり、資産が事実上凍結されてしまいます。
こうした備えとして、判断能力があるうちに家族に財産管理を託すことができる「家族信託」の活用も対策のひとつです。
年末年始は家族の未来を話し合う絶好のタイミングです。
この機会に終活について考えてみてはいかがでしょうか。
年末年始は家族の未来を話し合う絶好のタイミングです。
この機会に終活について考えてみてはいかがでしょうか。
