「あなたにあった1杯を」焙煎度合いで決まるコーヒーの味 奥深さが学べる喫茶店を紹介 広島・東広島市

12/16(火) 14:11

「ひろしま満点ママ!!」から、広島の気になる話題をお届けするコーナー。
今回は、リラックス効果もあると言われている「コーヒー」です。

【テレビ新広島 野川 諭生 アナウンサー】
「やってきましたのは、東広島の西条でございます。 今日は、コーヒーの世界を堪能できるということなんですけども…。私はコーヒー飲むんですけども、お豆の違いとか、焙煎がこう違うんだとかいう話は、話としてはわかるんですが、正直よくわかりません」

初心者からマニアまでコーヒーの奥深さを学べるお店があると聞きやってきたのは、東広島市西条にある、クラフト・アンド・コーヒー「結い」です。

【野川アナ】
「立派な日本庭園。なんかちょっと緊張してきましたね。失礼します。縁側もあって、ちょっと中は懐かしい感じもしますね」

日本家屋を改装したお店、店内にはカウンターもあって、確かに喫茶店です。

【野川アナ】
「こちらで、コーヒーについて学べると伺ったんですけども?」
【Craft&Coffee 結い 幾久 健 さん】
「はい。うちでコーヒー教室を開いております。テーマは色々、例えばハンドドリップであったり、世界のコーヒーの飲み比べなどもあるんですけど、焙煎もテーマとして入っております」

店主の幾久さんは、マツダの開発職を辞職して自家焙煎コーヒーのお店をオープンさせたほどのコーヒー好き。
喫茶だけでなく、コーヒー教室も開催しています。
今回は、小型焙煎機を体験します。

【野川アナ】
「こちらが焙煎機焙煎機!高級感のある色合いですね。焙煎機ってなんかもっと大きなイメージがあったんですけど、コンパクトですね」
【幾久さん】
「この焙煎機は、大きい焙煎機と同じようにできる中の一番小さいタイプの焙煎機になっております。焙煎というのがコーヒーの中に残っている水分を乾燥させながら、最後、化学変化まで持っていくという工程になるので、そちらを楽しんでいただければなと思います。本日焙煎していただくのが、エチオピアのイルガチェフェというイルガチェフェ地方で採れた豆です」

それではいよいよ焙煎スタート!

【野川アナ】
「おお!これが今煎られている状態ということですか?」
【幾久さん】
「そうですね。中で下から火が当たりながら、熱風も当てられながら、ドラムの中をコーヒー豆が回っている」
【野川アナ】
「小窓があるんですけど、ここからお豆が回っている様子が見えるんですね」
【幾久さん】
「だんだんこれ(コーヒー豆)が黄色っぽくなってから茶色っぽくなっていくという感じです」

ここからは、時折豆の様子を見ながら、色・匂い・音を指標に焙煎を進めていきます。

【幾久さん】
大切なのが『ハゼ』の音っていうのがありまして。コーヒー豆ってちょっとシワっとしていて、だんだん焙煎していくと、シワが伸びていって、『パチッ』と音がする。2回あるんですけど、その音が結構重要で、この音がその焙煎度合いの基準になっているので、それを聞き逃さないようにしている」

焙煎は、10分から20分程度かかります。

【幾久さん】
「今だいぶ白い煙が上がってきましたけど、もう少しで、『ハゼ』の1回目が始まるという感じです。今が 190度なので、(※音「パチッ」)今ちょっと『パチッ』と…」
【野川アナ】
「『パチッ』て言いましたね!」
【幾久さん】
「これでだいたい『1ハゼ』が終わりになります」

【野川アナ】
「なんかこの辺の香りも、明らかに変わりましたね」
【幾久さん】
「そうですね。ここからは、全然飲めるコーヒーになってると思います」

この状態で焙煎をやめれば、いわゆる浅煎りのコーヒーとなります。

(※続いて、『2ハゼ』=焙煎中の2回目の「パチッ」という音 を経て…)

【野川アナ】
「香りが本当に何かキャラメルのようなといいますか、甘い香りですね!」
【幾久さん】
「一気に香ばしい甘い香りに変わってくるかなと思います」
【野川アナ】
「すごい!この(豆の)ツヤの感じが宝石のような!」
【幾久さん】
「『超深煎り』といういわゆる『フレンチ』とか『イタリアンロースト』って言われるんですけど、『濃いめのコーヒー』になります」
【野川アナ】
「ここまで香りの段階を踏んでくると、それぞれの段階で、お好きな方がいるのがわかる気がしました」
【幾久さん】
「コーヒーの味の大きい要素として『酸味』と『苦み』があるんですけど、だんだん『酸味』が感じられなくなっていく、『苦み』が強くなっていくというのが焙煎が進んでいくことなので、どこのバランスが好きかは、かなり(人によって)好みがあるんじゃないかなと思います」

「ハゼ」と焙煎度合いの関係はこのようになっています。

1ハゼ ~ 最初のハゼから2ハゼ=次のハゼが終わるまで5分もかかりません。
短い時間で大きく味が変わるんです。

初めて焙煎したコーヒー、早速飲んでみましょう!
今回は味を比べるため、お店で普段出している中煎りの豆と飲み比べてみます。

(※まずは「中煎り」を試飲…)

【野川アナ】
「おいしいです。どちらかというとこう酸味が立ってるような…」
【幾久さん】
「うちの中では『酸味』が一番強いタイプのコーヒー豆にはなるんですけど、逆に『苦み』はあんまり感じないんじゃないかなと思います」
【野川アナ】
「とっても飲みやすいという表現ですかね…」
【幾久さん】
「これが結構苦い方が飲みやすいっていう方もいらっしゃるので。コーヒーといえば苦い、苦い方が飲みやすいっていう方もいらっしゃるので。いろんな方に楽しんでいただいている中では、コーヒーってこんな味もあるんだっていうので楽しんでいただいている方が多いかと思います」
【野川アナ】
「ちょっと新しい出会いを今日した感じがします。美味しいです!」

続いて、先ほど焙煎した超深煎り。

【野川アナ】
「ストロングですね!全然違う飲み物を飲んでるぐらいの感じですね。『苦味』がガツンとくると言いますか。朝一番なんかに飲むと、その日1日シャキッと仕事ができそうな。そんな感じがしました」
【幾久さん】
「『浅煎り』の方は結構お菓子ともよく合うので、お菓子と土日に食べてもらったりとかで、ちょっと『深煎り』『中深煎り』のものとかは、朝通勤しながら飲んでいただいたりとか、そうやって使い分けていただいてもいいのかなと思います」
【野川アナ】
「飲み比べできるのは嬉しいですね!」

焙煎の奥深さにハマった人には、30分500円で焙煎機を使うことができるワンコイン焙煎も。
好きな豆を自分で焙煎することができます。

そして、自分で焙煎したコーヒーのお供にこんなスイーツはいかがでしょうか?

【幾久さん】
「『サツマイモのタルト』です」
【野川アナ】
「ちょっとこの時期の『サツマイモのタルト』はたまらないですね!」
【幾久さん】
「サツマイモも先週掘ってきたものです」
【野川アナ】
「えー!そこまで自家製!?」
【幾久さん】
「はい」
【野川アナ】
(※『サツマイモのタルト』を実食)
「これはたまらないですね。甘さのちょうどよさと、サツマイモ本来の香りとねっとり感!とっても美味しい!もう口の中が幸福感で満たされてるんですけども、ここにコーヒーが入ると、またどう変わるかと…」
(※続けてコーヒーをいただくと…)
「やっぱり最初はやっぱり『苦味』がガツンときますけど、口の中にサツマイモの余韻が残ってる状態のところに入ってくると、なんか程よい具合の香ばしさが逆に立ってくるというか、口の中がふわっとまた一新されたような、そんな感じに、今思いました」

コーヒーを味わうだけでなく、その奥深さを学べる喫茶店。

【幾久さん】
「うちのスローガンというか、【あなたに合った1杯を】というのでお届けしてるんですけど、その時に飲みたいコーヒーを自分で選べるっていうのが、ひとつコーヒーの楽しみになると思うので、ぜひその辺楽しんでいっていただければなと思います」

■ Craft&Coffee 結い(広島県東広島市西条町吉行)

◆ 美味しいコーヒー教室「焙煎体験」(豆100g持ち帰り付)4000円
◆ ワンコイン焙煎 30分500円(豆代別)
◆ サツマイモのタルト コーヒーセット 1200円