伸び続けていた大学進学者数が減少に!? 大学が直面している「2026年問題」をツイセキ! 広島
12/10(水) 10:14
今週1週間は「親世代が知らない」をテーマに入試や大学についてお伝えしていきます。
2日目のきょうは、今、大学が直面している「2026年問題」を取り上げます。
2日目のきょうは、今、大学が直面している「2026年問題」を取り上げます。
まもなく迎える本格的な大学受験シーズン。
受験生は「大学入学共通テスト」や「一般選抜」に向けて最後の追い込み中です。
【受験生】
「苦手な科目がなかなか伸びないので、それが不安です。数学が苦手で…」
「(学校で)休憩時間に単語帳を開いて見たりとか、そういうところは工夫して頑張っています」
大学へ進学を希望する人の数は右肩上がりで、大学進学率は1985年度以降、伸び続けてきました。
文部科学省によると昨年度の進学率は統計史上最高の62.3%を記録しています。
受験生は「大学入学共通テスト」や「一般選抜」に向けて最後の追い込み中です。
【受験生】
「苦手な科目がなかなか伸びないので、それが不安です。数学が苦手で…」
「(学校で)休憩時間に単語帳を開いて見たりとか、そういうところは工夫して頑張っています」
大学へ進学を希望する人の数は右肩上がりで、大学進学率は1985年度以降、伸び続けてきました。
文部科学省によると昨年度の進学率は統計史上最高の62.3%を記録しています。
その一方で、ある問題が!
『大学2026年問題』
これまでは受験生となる18歳の人口が減少する中、大学への進学率が順調に伸びていたため「進学者数」は増加を維持できていました。
しかし、人口減少に歯止めがかからず2026年度を境に進学者数は、初めて減少に転じると指摘されています。
【大学ジャーナリスト 石渡 嶺司 さん】
「2026年問題によって、今まで安泰だった大学も安泰ではなくなります。いうなれば、大学にとっての『戦国時代』に突入していくものとみています。4年制大学については今後10年で少なくとも50校、多くて100校は減っていく可能性がある」
『大学2026年問題』
これまでは受験生となる18歳の人口が減少する中、大学への進学率が順調に伸びていたため「進学者数」は増加を維持できていました。
しかし、人口減少に歯止めがかからず2026年度を境に進学者数は、初めて減少に転じると指摘されています。
【大学ジャーナリスト 石渡 嶺司 さん】
「2026年問題によって、今まで安泰だった大学も安泰ではなくなります。いうなれば、大学にとっての『戦国時代』に突入していくものとみています。4年制大学については今後10年で少なくとも50校、多くて100校は減っていく可能性がある」
その兆候はすでに全国的に現れ始めています。
【京都華頂大学・華頂短期大学 中野 正明 学長】
「今後の持続的な運営を見通すことが困難であることから、令和9年・2027年度より学生募集を停止せざる得ない」
京都華頂大学と華頂短期大学は、先月、2027年度から学生の募集を停止すると発表。
さらに京都ノートルダム女子大学も来年度以降の募集を停止すると発表しています。
【京都華頂大学・華頂短期大学 中野 正明 学長】
「今後の持続的な運営を見通すことが困難であることから、令和9年・2027年度より学生募集を停止せざる得ない」
京都華頂大学と華頂短期大学は、先月、2027年度から学生の募集を停止すると発表。
さらに京都ノートルダム女子大学も来年度以降の募集を停止すると発表しています。
そして、県内でも…
【学校法人広島女学院 海田 智浩 理事長】
「学校法人広島女学院は中・高に特化した法人になります」
広島女学院は少子化による慢性的な定員割れや共学志向の高まりを背景に大学運営から撤退し、来年4月から京都や山口を中心に専門学校などを展開する「YIC学院」に引き渡すことが決まっています。
再来年度からは共学になり、名称が「YIC学院大学」と変わります。
【学校法人広島女学院 海田 智浩 理事長】
「学校法人広島女学院は中・高に特化した法人になります」
広島女学院は少子化による慢性的な定員割れや共学志向の高まりを背景に大学運営から撤退し、来年4月から京都や山口を中心に専門学校などを展開する「YIC学院」に引き渡すことが決まっています。
再来年度からは共学になり、名称が「YIC学院大学」と変わります。
『受験生の減少』という現実に直面する中、生き残りをかけて存在意義を見出そうとする大学も…。
およそ6400人の学生数を擁する県内最大の私立大学「広島修道大学」。
【五十川 裕明 記者】
「大学のキャンパス内なんですが、自治体や国を代表する企業の代表者が分野を超えて集まっています」
再来年4月に予定している「農学部」設置のための産学官の協議会です。
【広島県 農林水産部 向井 雅史 局長】
「より即戦力といいますか、広島県の課題を解決する人材が育成されるのではと思っています」
広島修道大学での理系の学部設置は初めてで、「農学部」としては県内初となります。
およそ6400人の学生数を擁する県内最大の私立大学「広島修道大学」。
【五十川 裕明 記者】
「大学のキャンパス内なんですが、自治体や国を代表する企業の代表者が分野を超えて集まっています」
再来年4月に予定している「農学部」設置のための産学官の協議会です。
【広島県 農林水産部 向井 雅史 局長】
「より即戦力といいますか、広島県の課題を解決する人材が育成されるのではと思っています」
広島修道大学での理系の学部設置は初めてで、「農学部」としては県内初となります。
【広島修道大学 大澤 真也 副学長】
「広島市はもともと政令指定都市といっても、里山や里海に囲まれている自然豊かな環境というのもありますので、そういったところで地元のニーズも高いのではないかと」
「広島市はもともと政令指定都市といっても、里山や里海に囲まれている自然豊かな環境というのもありますので、そういったところで地元のニーズも高いのではないかと」
3つの学科をつくり、環境問題をはじめ、食料や生物資源の安定供給など今の社会が直面する課題解決を目指します。
【広島修道大学 大澤 真也 副学長】
「時代の潮流を見ながらニーズを把握するのは難しいんですけど、そういった地域にきちんと必要とされる大学になっていく必要があると感じている。大人は農業が大事だとわかるんですけど、若者たちがどこまで思ってくれるかなというところはちゃんと伝えていかなければならない」
「時代の潮流を見ながらニーズを把握するのは難しいんですけど、そういった地域にきちんと必要とされる大学になっていく必要があると感じている。大人は農業が大事だとわかるんですけど、若者たちがどこまで思ってくれるかなというところはちゃんと伝えていかなければならない」
さらに今年、すでに新たな学部をスタートさせた大学もあります。
「柔しく剛く」をモットーとする「安田女子大学」。
「理工学部」は全国の女子大学では初めてです。
「柔しく剛く」をモットーとする「安田女子大学」。
「理工学部」は全国の女子大学では初めてです。
【建築学科の学生(島根出身)】
「将来は建築関係のお仕事に就きたいと思っているので、この大学でしっかり学びたいと思います」
理系の女子、いわゆる『リケジョ』の育成に力を入れています。
【安田女子大学 企画部 脇田 好章 部長】
「AIの発展によって産業構造が変わっているじゃないですか。そういう意味でいくとますます理系の人材が必要になってきます。日本は理系の人材が非常に少なくて、特に女子がまだまだ少ない。理工系で活躍できる女性を育成したいという思いで決断しました」
初年度の今年は「生物科学科」「情報科学科」「建築学科」3つの学科は、いずれも定員を上回る学生が入学しています。
「将来は建築関係のお仕事に就きたいと思っているので、この大学でしっかり学びたいと思います」
理系の女子、いわゆる『リケジョ』の育成に力を入れています。
【安田女子大学 企画部 脇田 好章 部長】
「AIの発展によって産業構造が変わっているじゃないですか。そういう意味でいくとますます理系の人材が必要になってきます。日本は理系の人材が非常に少なくて、特に女子がまだまだ少ない。理工系で活躍できる女性を育成したいという思いで決断しました」
初年度の今年は「生物科学科」「情報科学科」「建築学科」3つの学科は、いずれも定員を上回る学生が入学しています。
文系科目で受験できるところも特徴の1つです。
【生物科学科の学生(愛媛出身)】
「私は高校で生物と化学について詳しく勉強できていなかったんですけど興味はあったので。安田女子大学の生物科学科は生物と化学を基礎的なレベルから勉強する講義があると聞いたので、基礎から学び直して大学レベルの勉強ができるかなと思ったので、選びました」
【生物科学科の学生(愛媛出身)】
「私は高校で生物と化学について詳しく勉強できていなかったんですけど興味はあったので。安田女子大学の生物科学科は生物と化学を基礎的なレベルから勉強する講義があると聞いたので、基礎から学び直して大学レベルの勉強ができるかなと思ったので、選びました」
入学式からおよそ8カ月。
将来『一級建築士』になりたいという学生は、忙しくも充実したキャンパスライフを送っていました。
【建築学科の学生(島根出身)】
「設計課題が一番忙しいんですけど、先生にアドバイスをもらったり、先輩や同級生にもアドバイスをもらって、できたときの達成感が大きくて楽しいです。資格取得した後はその土地ならではの特性を生かした建築を考えていきたいです」
将来『一級建築士』になりたいという学生は、忙しくも充実したキャンパスライフを送っていました。
【建築学科の学生(島根出身)】
「設計課題が一番忙しいんですけど、先生にアドバイスをもらったり、先輩や同級生にもアドバイスをもらって、できたときの達成感が大きくて楽しいです。資格取得した後はその土地ならではの特性を生かした建築を考えていきたいです」
安田女子大学は就職支援にも力を入れ、今年の就職率は99・5%と高い水準を維持しています。
【安田女子大学企画部 脇田 好章 部長】
「いかに学びを充実させていけるかが重要。実践教育に力を入れているので、産学連携に非常に力を入れています。より学びを工夫して出口のところもみなさんが地元を含めて活躍できるよう支援を続けていきたい」
【安田女子大学企画部 脇田 好章 部長】
「いかに学びを充実させていけるかが重要。実践教育に力を入れているので、産学連携に非常に力を入れています。より学びを工夫して出口のところもみなさんが地元を含めて活躍できるよう支援を続けていきたい」
社会が急激に変化し親世代が受験生だった30年前とは大学のイメージも様変わりしています
【河合塾 近藤 治 主席研究員】
「今後少子化が進んで、2040年には今の大学の志願者が7割くらいに減ることは明らか。それに備えて拡大路線と縮小路線をとる2つの大学が出ていますが、すぐに大学がなくなったりするわけではありませんので、受験校を選ぶに際して一番大切なことは、自分がその大学に行きたいかどうかということ、そしてその大学に入学して自分の目標的なものが果たして達成できるかということをじっくり親子で考えていただくことが大切かなと思います」
【河合塾 近藤 治 主席研究員】
「今後少子化が進んで、2040年には今の大学の志願者が7割くらいに減ることは明らか。それに備えて拡大路線と縮小路線をとる2つの大学が出ていますが、すぐに大学がなくなったりするわけではありませんので、受験校を選ぶに際して一番大切なことは、自分がその大学に行きたいかどうかということ、そしてその大学に入学して自分の目標的なものが果たして達成できるかということをじっくり親子で考えていただくことが大切かなと思います」
■■■ スタジオ解説 ■■■
【加藤 雅也 アナウンサー】
「少子化が進む中、国は理系の人材育成=いわゆる生成AIなどコンピューターの最先端技術『デジタル』や、環境や食糧問題を解決する『グリーン』などの成長分野に対応する大学に支援をしています。その支援を広島修道大学や安田女子大学も受けているということなんですね。匹田さん、広島大学ではどうなんでしょうか?」
【加藤 雅也 アナウンサー】
「少子化が進む中、国は理系の人材育成=いわゆる生成AIなどコンピューターの最先端技術『デジタル』や、環境や食糧問題を解決する『グリーン』などの成長分野に対応する大学に支援をしています。その支援を広島修道大学や安田女子大学も受けているということなんですね。匹田さん、広島大学ではどうなんでしょうか?」
【匹田 篤 広島大学大学院准教授】
「もちろん広島大学も『AI』や『デジタル』『データサイエンス』などにすごく力を入れていますし、私自身もそういったものに対してのサポートをしているんですけれども、やっぱり危機感はすごくありますね。広島大学代表意見じゃなくて、個人的な意見ですけれども、18歳の人口が減っていくことで、大学を縮小させていくっという方向に舵を取ってしまうと、18歳人口がどんどん首都圏に流れていってしまいますよね。そういう意味でも、やはり広島大学だけでなく、広島にある大学がある程度の規模を持っておくってことは地域社会にとってすごく大切だと思うんですね。いずれにしても、私たちがデータサイエンスなどだけでなく、『価値の創造』ということを最終的には考えていく中で、やはり学びに向かう態度というものをしっかりと教えていきたいなと思いますね」
「もちろん広島大学も『AI』や『デジタル』『データサイエンス』などにすごく力を入れていますし、私自身もそういったものに対してのサポートをしているんですけれども、やっぱり危機感はすごくありますね。広島大学代表意見じゃなくて、個人的な意見ですけれども、18歳の人口が減っていくことで、大学を縮小させていくっという方向に舵を取ってしまうと、18歳人口がどんどん首都圏に流れていってしまいますよね。そういう意味でも、やはり広島大学だけでなく、広島にある大学がある程度の規模を持っておくってことは地域社会にとってすごく大切だと思うんですね。いずれにしても、私たちがデータサイエンスなどだけでなく、『価値の創造』ということを最終的には考えていく中で、やはり学びに向かう態度というものをしっかりと教えていきたいなと思いますね」
