広島市西区道路陥没から1年 原因究明にあと2年、雨水管完成も遅れる見通し 元の日常に戻るのはいつ?

9/26(金) 18:33

広島市西区で発生した大規模な道路の陥没事故から1年。
復旧は進みつつあるものの住民の不安は続いています。

【野川キャスター】
「広島市西区福島町での陥没事故からきょうで1年です。現場では今もなお重機を使った復旧工事が進んでいます」

破損していた下水道管の復旧工事が進む陥没現場。
陥没は、東西およそ40メートル、南北およそ30メートル、深さは最大で2メートル。
事故発生時周辺の建物は、傾いたりひびが入るなどの被害を受けました。

【近くの工場で働く人】
「コンクリートが盛り上がって水があふれ出して工場の壁にひびが入った」

【付近の住民】
「ここに自分が住んで50年、初めて」

当時、現場では新たな「雨水管」を整備するための“掘削工事”が行われていました。

【広島市・松井市長】
「シールド工事に起因する被害・損害ということで原因が確定できれば、当然、補償していくことになろうかと思います」

【野川キャスター】
「4階建ての建物、重機を使って解体作業が進んでいることがわかります」

陥没の影響で倒壊の恐れがある市営住宅や事業所などは解体され、今もなお仮住まいを続ける住民もいます。
広島市によりますと、作業をしていた掘削機の内部に何らかの理由で土砂が流れ込んだことが陥没の原因とみられていますが、原因究明にはおよそ2年かかり、雨水管工事の再開時期は未定となっています。
工事費用は当初およそ167億円でしたが、さらに調査や住民への補償などに82億円ほどの追加費用がかかる見込みです。

【HAIR SALON ABLAZE オーナー・小林 剛さん】
「早く終わればいいなと思いいますけど、当初3年かかると言われていたので、あと2年はかかるのかなと思っている。影響はそんなにないですけど地盤が緩んでいるせいか、大きいトラックが通ると店が揺れている感じが少しする」

【広島市・松井市長】
「手順を定めて順調かつ確実に進めている。原因究明を可能な限り早くして適切な対策を早く考案することで確実な工事を期待している」

2028年3月を目指していた雨水管の完成は、少なくとも3年は遅れる見通しで、元の日常が戻るのはまだ先になりそうです。

《スタジオ》
発生から1年を迎えましたが、現場周辺は通行止めが続いています。
避難をされた11世帯20人の方は今もなお仮住まいをされていて、この場所に日常が戻るのはまだまだ先という状況です。
原因調査に2年、そのあとに雨水管の工事が再開するということですが、再開時期もまだ未定ということで、早田さん、工事の長期化も懸念されますね。

【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
「かなり長期化することが予測されてるので、避難されてる方も含めて住民の皆さんの心理的な負担がまず気になります。その上で1日も早い原因究明に期待したいと思います」

復旧工事が続く現場ですが、今後は陥没した原因の調査が焦点となります。
来月からは現地で工事に使われていた掘削機の調査が始まる予定です。
周辺の住民に話をうかがうと、「早く治ってほしい」、「3年後の修復に向けていい方向に工事が進むよう住民も含めてみんなで協力していかないといけない」といった声が聞かれました。