1カ月自腹で40万円 物価高騰に苦しむ動物保護ボランティア 動物の命を繋ぐ「応援BOX」に感謝

7/24(木) 20:30

「ツイセキ」です。
保護された動物を飼育する動物保護ボランティア。
物価の高騰に苦しむボランティアの負担を市民がサポートする取り組みが始まりました。

広島市内の商業施設で開催された保護動物の譲渡会。
動物保護ボランティアや県の動物愛護センターが、飼育しているイヌやネコ25匹がエントリーしました。

今年は例年にない状況が起きているといいます。

【保護ボランティア】
「どこもかしこも子ネコだらけです。去年よりは多いので・・・

【保護ボランティア】
Q:今年は子ネコが増えている?
「増えている気がします。子ネコだけでも(保護したネコは)今年は40匹近くになります」

【動物愛護団体ワンミャツダクラブ・荷堂美紀 代表】
「ボランティア仲間でも話していますが、すごくネコが多いし、ネコが多い期間が長いと肌感覚では感じています」

広島県では、2011年度に保護された犬や猫の殺処分数が年間8千匹を超え全国ワーストとなったことを受け、殺処分を削減する取り組みが行われてきました。
その活動を支えているのは、保護動物を預かっているボランティアたちです。

【保護ボランティア】
Q:今、何匹飼育してる?
「80匹くらいいますかね」
「保護ネコは結構いますね。みなさんに言うとびっくりされる数なので・・」

保護ボランティアの中井さん。
保護ネコなど、およそ70匹を飼育しています。

【動物愛護啓発団体猫は天使・中井百合子代表】
Q:1か月の費用は?
「40万円くらいかかります。エサだけではないので、電気・ガス・水道から砂だったり色々な環境設備ものあとは医療関係を入れて平均で40万円くらいかかります」

Q:それは中井さんが負担する?
「もちろん身銭です」

保護ボランティアには、助成金や補助金などの援助はありません。
ボランティアの自己負担が増えている現実がそこにはあります。

【保護ボランティア】
「もう苦しいです。自転車操業どころじゃないです。寄付を込みでネコを託す人もいますが、ネコだけおいてあとは知りませんという人も多いので」

【保護ボランティア】
「フード代が世界的に色々なものが高くなってしまったので」

物価高騰に苦しむ保護ボランティアの負担を少しでも軽減しようと、今回、新たな取り組みが始まりました。

【動物愛護団体ワンミャツダクラブ・荷堂美紀 代表】
「個人の保護ボランティアとか地域でやっている保護団体だけで行うよりも行政の取り組みも絡めながら産官学で支援の幅を広げていくという事が今回の狙いになります」

今回、期間限定で始めた取り組みとは、家庭で使わなくなったペットフードや器具などを、「応援物資」として、寄付してもらおうというものです。

動物愛護団体と企業がコラボして始めた取り組みに、今回、はじめて広島県が協力しました。
「応援BOX」と名付けられた箱が譲渡会の会場となる商業施設と、マツダ本社の入り口、県の動物愛護センターの3か所に置かれました。

【動物愛護団体ワンミャツダクラブ・荷堂美紀 代表】
「マツダの社内のものになりますが、2カ所に置いてこのボックスの5箱分くらい(集まった)消耗品以外の物資も集まっているので、さっそく地域で活動しているボランティアに分配して行きたいと思っています」

命を繋ぎながら、動物たちを支える活動は、長引く物価高騰の中でも変わらず続けられています。

【動物愛護団体ワンミャツダクラブ・荷堂美紀 代表】
「エサ代もネコ砂代も確実に値上がっていますし、支援を頂けることはすごくありがたい。地域の個人ボランティアも喜んでいます。今後はもっとそれが増やせるように定期的にこの取り組みをしていく事にシフトしていきたい」