短すぎた梅雨 どうなる!この夏の「野菜事情」 このまま雨が少なければ…8月にも高騰か?

7/24(木) 20:00

「サキドリ」
このコーナーでは、今知りたい、旬の情報をお伝えします。
今回の「サキドリ」は、「短過ぎる梅雨、暑さの影響をサキドリ」

観測史上、最短で明けた今年の梅雨ですが、こちらは気象庁が発表している国内の過去4週間の平均気温と降水量を平年と比較した地図です。
平均気温の濃い赤の部分は、平年より3℃以上、高いエリアです。
オレンジは2℃から3℃高い。
降水量、広島県で見ると、茶色い部分は雨が少ない(平年の2割から4割ほどの降水量)。

「短すぎる梅雨の影響」。
まずは、「野菜とコメはどうなる」をサキドリします。

《VTR》
観測史上、最も早い梅雨明けとなった今年。
どのような影響が予想されるのでしょうか?
まずは、夏野菜。
生産農家を訪ねてみました。
広島市安芸区のこの農園では、小松菜やナスなどを栽培しています。

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「(出荷が)前倒しになっていると思う、どの産地も」

現在は好調の野菜ですが、今後は、不安材料もあるんです。

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「あったかい日が続いて生育がその時はよかったけど、今になって成り疲れみたいな感じでナスとかピーマンとかの果菜類は夏バテ状態になっている」

野菜も人と同じで、コンディションの善し悪しがあるわけです。
収穫量が落ちる時期を端境期といいます。

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「端境期は必ずあるのでそれが前倒しになるという感じです。端境期が9月だとしたら8月くらいにもしかしてこのまま雨がうまく降らなかったら8月には(野菜が)高くなる」

夏野菜の代表選手のナス。
この農園では、皮が薄く、実がやわらかい種類のナスを栽培しています。

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
Q:おいしそうじゃないですか?
「おいしいんですよ。実が柔らかくて」

しかし、そんなナスにも、日差しや高温の影響が出始めているのです。

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「こんな感じですね」
Q:これは?
「これは日焼け」

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「秋ナスというのも本来ならお盆明けに涼しくなるから秋ナスも取れるのですが、それがずっと暑いと秋ナス自体もその頃はへばって持続しなくて秋ナスも出るかどうかなという事になってくるんですかね」

永木さんは、小松菜も栽培しています。
県内で多く栽培されている「小松菜」。
暑さに強いと言われる小松菜ですが、影響はどうなのでしょうか?

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「小松菜の出来は悪くないのですが、生育が止まっているという感じです」
Q:暑すぎて?
「暑すぎて(葉が)伸びなかったりするのは、春と比べると(葉の伸びが)だいぶ遅い」

今後の小松菜は、どうなるかというと・・・

【安芸きりんファーム・永木聡園長】
「ものはあると思いますが、生育が止まったりすると生産量はちょっと減るかなという感じです。ナスやピーマンに比べると安定した生産量が作れるという感じです」

夏の野菜、値段のほうは、どうなっていくのか?
広島中央卸売市場で、現状と今後の動向について聞きました。

【広島中央卸売市場 青印広島青果・小山隆之取締役】
「夏野菜が今かなり減っています。現状減っている中で今から特に気温が高くなるとまた減りこむ可能性があります。去年の様にもしかした(野菜の)単価も高くなる可能性があります」

ということなのです。
それでは、いつ頃から、値段は上がっていくのでしょうか?

【広島中央卸売市場 青印広島青果・小山隆之取締役】
「今後の天気によっても状況は変わると思いますが、お盆前後その辺りで(野菜の値段が)上がる可能性はあります」

ここでも、今後の天気次第ですが、目安は、お盆の頃ということなのです。
さらに、サキドリしていくと、その先もちょっと心配なのです。

【広島中央卸売市場 青印広島青果・小山隆之取締役】
「今度は秋冬の秋冬柞に向けて今から作付けして作るところが、種まきをしても結局高温で苗もうまく育たない」

思い出してください。
去年は、秋から年末にかけても、野菜の高値が続きましたよね?
今年も同じ可能性があるのかというと・・・

【広島中央卸売市場 青印広島青果・小山隆之取締役】
「可能性は本当にあります。去年もそうでしたが、毎年(野菜の価格は)天候で決まります。去年(野菜が)高かったように今年も高くなる可能性はあります」
Q:それが長く続く?
「そうですね。長く続く可能性ですけども・・・」

天気次第で、今後の野菜の価格には不安はありますが、野菜の専門家はこう話します。

【広島中央卸売市場 青印広島青果・小山隆之取締役】
「スーパーに行って野菜が安いと思った時にしっかり取ってもらって日々過ごしてほしいと思います。今どきは夏バテ予防という事でねばねばした商品オクラやモロヘイヤやナメコそういったものをしっかり取ってもらいたいと思います」
Q:小山さんも食べる?「食べます」

もう一つ気になるのが、令和のコメ騒動で価格が高騰したコメ。
7月から8月は、稲穂が出てコメが生育する大切な時期です。
この田んぼの稲は、8月の下旬に稲刈りの予定ですが、早すぎる梅雨明けの影響あるのでしょうか?

【コメ農家・宮脇政夫さん】
「稲刈りしてみないと分からないです。(水不足は)まだ大丈夫です」

この暑さ、実は作物以上に影響を受けているのが・・・

【コメ農家・宮脇政夫さん】
「人間が…草刈りもしたいけど、草刈りも朝晩しかできない。昼間はもう隠れておかないと。作業がしんどいですね」

草刈りや肥料の散布、害虫の防除など農作業が十分にできないと、コメの収穫量にも影響が出てくることになります。
今年の野菜やコメは今後、どうなるのか?
8月の適度な雨に期待がかかります。