庄原市高齢女性殺害事件から1週間 警察50人態勢の捜査も犯人の有力情報なし 住民は不安な日々 

7/1(火) 17:25

広島県庄原市で高齢の女性が殺害された事件は、女性の遺体が発見されて1日で、1週間が経ちました。
犯人につながる有力な情報はなく、周辺住民らにとって不安な日々が続いています。

【片平記者】
「1週間がたち規制線の範囲は狭まりましたが、なお立ち入りは禁止されており、現在も捜査が続けられています」

山あいののどかな集落で起きた殺人事件…現場の住宅には規制線が張られたまま、1日も、警察の鑑識活動が続けられています。

先月24日の夕方、この家に一人で暮らしていた矢吹定代さん84歳が、殺害されているのが見つかりました。

死因は頭や顔面を何らかの硬いもので複数回殴られた事による「失血死」犯人は現在も逃走中です。

【片平記者】
「家1軒1軒の間隔がとても空いていて、大きな物音があっても近隣の方がその音や声に気づくことは難しいようなそんな印象を受けます」

犯人につながる有力な情報が得られないまま1週間…周辺住民の不安は募ります。

【周辺住民は】
「一人暮らしの人が多いので、鍵かけをしようという話はみんなでした」
「早く解決して欲しい」

最初に遺体を発見した女性は、矢吹さんの親族に、『連絡がつかないから様子を見に行ってほしい』と頼まれたといいます。

【遺体の第一発見者の女性】
「玄関は閉まっているし、郵便物とか回覧板とかそのままぶらさがっていたので、もしものことがあったらいけないから入って確認しようと勝手口から台所に入って、正面玄関とつながっているところの角で倒れているのを発見した」

捜査関係者によると、家の中は荒らされた形跡はなく、現在のところ凶器は見つかっていません。

矢吹さんを知る人は、「優しく穏やかな人」「事件に巻き込まれるような人ではない」と、口々に話しています。

犯人に繋がる手がかりがつかめない中、警察は、50人態勢で捜査を続けています。

ここからは県警担当の竹内記者とお伝えします。

【竹内記者】
第一発見者の女性への取材などをもとに、矢吹さんの遺体が発見された時の状況を整理します。

女性が矢吹さんの家に行くと正面玄関は閉まっていた。一方勝手口は開いていたそうです。

そのため女性が勝手口から入ると、玄関前のフローリングで矢吹さんが血を流して倒れていたということです。

矢吹さんは硬いもので何度も殴られていて、捜査関係者によると、強い殺意がうかがえる状況だったということですが、凶器は現場に残っていなかったということです。

Q:矢吹さんがいつ殺害されたかはわかっているのでしょうか?

【竹内記者】
矢吹さんが最後に目撃されたのは、遺体で発見される前日、先月23日の午前10時半ごろで、自宅の庭にいるところを知人が見かけたということです。

なので、矢吹さんは遺体が発見された24日か、その前日の23日の午前10時半以降に殺害された可能性が高いといえます。

Q:犯人の特徴や足取りはつかめていない?

【竹内記者】
いまのところ有力な手掛かりは乏しいという状況です。高齢者の一人暮らしで人目に付きにくい一軒家というのは匿名流動型犯罪グループ=「トクリュウ」が狙う特徴でもあります。

しかし、家が荒らされた形跡はなく、警察は、人間関係のトラブルを含め、あらゆる可能性を視野に捜査しています。

これまでに警察に寄せられた情報は10件程度にとどまり、有力な情報がないうえに、周囲に防犯カメラもほとんどないという事で、犯人の手がかりを慎重に探しているということです。