株式会社 上代(鳥取県)
廃業寸前の酒蔵を救った、24歳の決断
名峰・大山のふもと、鳥取県・伯耆町。地域住民の想いから生まれた小さな酒蔵「株式会社上代」は、日本一の栄冠を手にした実績を持ちながら、創業メンバーの高齢化とコロナ禍によって廃業寸前に追い込まれていました。そんな中、立ち上がったのは当時24歳の遠藤みさとさん。酒造り未経験ながら「伝統を途絶えさせたくない」と立て直しを決意します。若き経営者が見せた行動力と発想力、そして再生の物語とは?今回は、廃業の危機から奇跡の復活を遂げたカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。


鳥取県・伯耆町でどぶろくをつくっている「上代」。2009年、地域住民たちが株主となって立ち上げたカンパニーです。しかし、創業メンバーの平均年齢は80歳を超え体力も限界。さらにコロナ禍で売り上げが低迷し、廃業に追い込まれていました。そんなカンパニーの事業承継に名乗り出たのは、当時24歳の遠藤みさとさん。大学で経営学を学んでいましたが、お酒づくりの知識も経験もゼロ。そんな中、出会ったのが、鳥取県を訪れていた請川雄哉さん。大学の農学部を卒業し、自分の手で何かを生み出したいと思っていた請川さんは、酒づくりを決心。先代杜氏に弟子入りし、どぶろくづくりの技を学んだのです。そして、2022年8月、株主総会で遠藤さんは社長に、請川さんは専務兼杜氏に就任し、カンパニーは再スタートを切ったのです。


先代杜氏の元で学んできた請川さんが、独り立ちから半年後、自ら手掛けたどぶろくが「全国どぶろく研究大会」で見事、入賞を果たしました。遠藤社長は、学生時代に学んだ経営学と若い発想力を武器に、出張販売や試飲会を次々に企画。さらに、スマホを片手に自ら撮影・編集を手掛け、SNSで情報発信。どぶろくの知名度を広げると、売り上げも右肩上がり、社長就任からわずか1年で売り上げを承継時の約3倍に伸ばしたのです。冬だけだった製造も通年体制へと拡大し、年間2万本を出荷するまでに成長を遂げました。さらに、カンパニーはお酒をあまり飲まない若い世代をターゲットにした甘酒を開発。朝に飲む甘酒として、お米の食感を変えた2種類を発売すると、発酵食品ブームの追い風を受け、カンパニーの新たな主力商品となっているのです。