いえいろは 株式会社(岡山県)
突然の雨漏りや災害。屋根を直したい人は増えているのに、「どこに頼めばいいのかわからない」。一方で、確かな腕を持ちながら営業が苦手で仕事を取れない職人たちもいる。そんな“すれ違い”に疑問を抱いた一人の男性が立ち上がりました。技術だけでなく、人柄まで伝える屋根職人のポータルサイトを開設。無口で不器用な職人の物語を丁寧に発信すると、仕事は次第に生まれていきます。そしてこのネットワークは、思わぬ災害現場で真価を発揮することに。今回は、人と職人をつなぎ地域の屋根を守る仕組みを生み出したカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。


1957年創業の屋根材卸会社・白神商事は、屋根職人から発注を受け、現場へ瓦などの資材を届けています。しかし、瓦屋根の日本家屋が少なくなり、瓦を主力としてきた会社の売り上げは徐々に減少。経営の立て直しを模索する中で、仕事の減少に不安を抱える職人たちの状況も打破しようと、新築ではなく、リフォームや修理という新たな可能性に目を向けました。そして、屋根の修理をどこに頼んでいいのかわからない人と屋根職人を直接つなぐポータルサイトを立ち上げたのです。サイトには、職人たちの生い立ち・学生時代の話・趣味など、人柄に触れられる内容をふんだんに盛り込みました。「やねいろは」と名付けたサイトは、職人同士の紹介や口コミにより拡大。白神商事から分社化し、「いえいろは」として新たな一歩を踏み出しました。


2024年、巨大なひょうが姫路市を襲い、無数の屋根が被害に遭いました。そんな中、カンパニーの職人ネットワークに注目していた保険会社から「復旧のため、姫路市内の屋根工事店を手配してほしい」と要請が入ったのです。カンパニーは、すぐさま登録していた市内の10社に連絡を入れましたが、現場の被害は想像以上。そこで、ネットワークを通じて近隣の屋根工事店にも協力を仰ぎ、さらに10社が駆けつけることとなったのです。当初、40軒の修理に1年はかかると見込まれた作業は、わずか半年で完了。この経験から、ネットワークを災害復旧に生かせると考えたカンパニーは、自治体に働きかけ、屋根工事店を手配する協定を締結。「やねいろは」の登録店は10年かけて全国47都道府県、570社を超える一大ネットワークへと成長を遂げたのです。