株式会社 アンドピリオド(広島県)
島の宝を未来へつなぐ挑戦!
瀬戸内海に浮かぶ大崎上島。人口およそ6000人のこの島で、ひとりの若者が農業の現実に衝撃を受けました。口にした瞬間に心奪われるほど甘いみかん。しかし農家の多くは年収300万円未満、高齢化も進み、このままでは島の農業が消えてしまう。「美味しいのに報われない」。その矛盾を前に、若者は“作る”だけではなく“届ける”ことに活路を見いだします。畑の外へ飛び出し、農家の想いと価値を伝える“第三の道”とは?今回は、島の宝を未来につなぐ挑戦に迫ります。


瀬戸内海に浮かぶ島・大崎上島でレモンを栽培している「アンドピリオド」の藤中拓弥さん。2017年、26歳の時に移住してきました。造船業と農業が主な産業の大崎上島ですが、農家の売り上げは不安定。さらに、島の半数近くが高齢者という現実。藤中さんは、このままでは島の農業が立ち行かなくなると危機感を抱き、2022年、農家が育てた作物を島の外に販路を広げるため、産直ECサイト「ふるマル」を立ち上げました。生産者と消費者をオンラインで直接つなぎ、農家に新たな収入の道をつくり出したのです。しかし、商品の検品・袋詰め・梱包・発送、掲載用の写真撮影などを担うことは、日々の農作業に追われる農家には大きな負担。そこで、農家には栽培に専念してもらい、カンパニーがそれ以外の全てを代行するという、新たな仕組みを生み出したのです。


販路を広げていく中で、島の作物のこだわりや栽培方法を発信することで、ブランドとしての価値を高めようと考えたカンパニーは、自分たちがメディアになってプロモーションを行うことにしたのです。SNSを通じてリアルタイムで情報を配信し、気に入った商品をECサイトで購入してもらうという販売スタイルを考案。さらに、藤中さんは自らの肩書きを「産地コーディネーター」と名乗り、農家の販路拡大をサポート。大崎上島と同じように危機感を抱いている地域に、産地コーディネーターの仕組みを広げようと考えたのです。そのために必要だったのは資金。そこで、株式投資型のクラウドファンディングで、思いと事業計画を投資家に投げかけました。すると、目標金額を上回る資金が集まり、事業拡大への一歩を踏み出したのです。