株式会社 ノラクリエイト(広島県)
海のロマンを貫く!自作モリの物語
幼い頃に出会った「魚突き」の感動を胸に、大人になって再び海へ。狙うは、市販の道具では太刀打ちできない大物――。男は試作を重ね、ゴルフクラブのシャフトを活かした強靭なモリを完成させました。その一突きで仕留めたのは、幻の魚とも呼ばれる巨大なクエ。瞬く間に仲間たちの心を掴み、完全受注生産で世に広がっていきます。そして今、その情熱は道具作りにとどまらず、人と人をつなぎ、地域や福祉の未来へと羽ばたいています。今回は、海のロマンを貫くカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。


アウトドア用品店「野良道具製作所」を運営する「ノラクリエイト」。過酷な自然環境でも頼れるアウトドア・キャンプ用品を製作・販売しています。創業者の里﨑亮さんが小学生の時、父親から教わった「魚突き」。自分で獲物を仕留めるという体験が、里﨑さんの心をわしづかみにしました。大人になったある日、大物を仕留めるために、市販のモリを手にします。しかし、威力も耐久性も巨大魚には通用しないことを知り、道具を自分でつくることにしたのです。ゴルフクラブを素材に試作と改良を繰り返えすこと2年、理想の1本が完成。里﨑さんは海へと繰り出し、重さ20キロを超える巨大なクエを仕留めたのです。里﨑さんのつくったモリの威力と耐久性は魚突き仲間の間で話題となり、オンラインショップを立ち上げ、自作の魚突き用品の販売をスタートさせました。


さらなる大物を追い求めるため、里﨑さんは海辺でのキャンプや車中泊を始めます。そんな中で、すぐに食事や暖をとれる強い火力が欲しいと思うようになり、とんど焼きのような空高く立ちのぼる大きな炎をイメージした、力強いたき火台をつくることにしました。5年もの歳月をかけ、火が一点に集中するよう設計された「野良ストーブ」を完成させたのです。コンパクトでありながら、少ない燃料で驚くほどの火力を実現。キャンプブームの追い風もあり、SNSを中心に話題となり、購入希望が殺到。ビジネスチャンスを確信した里﨑さんは次々と新たなアウトドア用品を誕生させ、2017年、直営店「野良道具製作所」を設立。組み立て・梱包・発送の作業を1人でこなしていた里﨑さんは、就労継続支援所で働く人たちに組み立てを依頼。アウトドアと福祉を融合した新たな取り組みも始めているのです。