子育てアドバイス

【よくある相談シリーズ】高学年ですが、泳げません。今からスイミングに通うのは遅いでしょうか?

夏が近づくと始まる学校の水泳の授業。しかし、高学年になっても泳げないという悩みを抱えるお子さんも多いのが現実です。実は、スイミングは中~高学年から始めても、むしろその時期が最適だと言える理由がいくつもあります。今回は、少し大きくなってからスイミングを習う強みを、ファーストスイミングスクールの辻村研一コーチから聞きました。

「泳げない」が気になる高学年こそチャンス

日本におけるスイミングスクールの普及は、1964年の東京オリンピックをきっかけに始まりました。室内プールの普及、高度経済成長期における教育熱の高まり、そして学校水泳の導入により、全国に3000校以上のスイミングスクールが誕生。それ以降、スイミングは長らく「子どもに通わせたい習い事ランキング」の常連です。とくに現在では、年長から小学校1年生のタイミングで通い始める家庭が多いと言われています。

ですが、すべての子どもが年長〜低学年のうちにスイミングを始めるわけではありません。中には小学校4年生、5年生、6年生になっても「まだ泳げない」「水が怖い」といった悩みを抱える子もいます。保護者の方としては、「今から始めても大丈夫なのか」「年下の子たちに混じって恥ずかしい思いをしないか」といった不安もあることでしょう。

ですが、ここで改めて強調したいのは、高学年からでもスイミングは遅くない。むしろ上達しやすく、本人の自信にもつながりやすいタイミングだということです。

高学年で水泳をスタートする3つの強み

スイミングは、単に身体を動かすだけでなく「考えて動く」スポーツです。そのため、小学校高学年から始める子どもたちは、低年齢でスタートした子よりもむしろ有利な点が多くあります。

1.理解力の高さ
高学年になると、言葉での説明を理解し、自分なりに考えて動けるようになります。
たとえば、水泳における最大の壁ともいえる「呼吸のタイミング」。顔を水から上げた瞬間に息を吸おうとすると、ほとんどの場合水を飲んでしまい、咳き込む原因になります。指導者が最初に教えるべきことは、顔を上げた瞬間には口から一気に息を吐き、その後に口から息を吸うことです。これは、子どもたちにとっては少し戸惑う部分かもしれませんが、理解力が高い学年になってくると、「どうして顔を上げた瞬間に吸ってはいけないのか?」という理由をしっかりと理解し、実践に移しやすくなります。この飲み込みの早さは、高学年ならではの強みです。

2.体力・筋力の安定
高学年の子どもは、ある程度の持久力や筋力がついているため、水中での動きにも対応しやすくなっています。少し苦しくても「もうちょっと頑張ろう」と思える精神的な粘りも備わってきており、技術の習得においても継続性が期待できます。

3.成功体験がわかりやすく得られる
スイミングは「できるようになった」が実感しやすい習い事です。
「今日は初めて顔をつけられた!」
「5メートル浮いて泳げた!」
「25メートルを泳ぎきった!」
特に思春期に水泳で自信を失いかけている本人、保護者にとっては水泳を習っての「出来た!」という感動の連続体験で、自己肯定感を得られる最適なタイミングになるでしょう。

スイミングスクールの選び方が一番のカギ

多くのスイミングスクールでは、泳力に応じた「進級システム」に基づいてクラスが分けられています。この仕組みは、年齢よりも技術レベルを重視してグループ分けするため、10歳以上でも初級レベルであれば、未就学児と同じクラスに振り分けられることもあります。

この状況を不安に感じる保護者は少なくありません。そのため、この課題に対応するスクールを選ぶ必要があるでしょう。たとえば、以下のような工夫を行っているスクールを選ぶと安心です。

●泳力に応じた柔軟なクラス編成があるか
スイミングスクールの中には、年齢や体格に配慮しつつも、泳力に応じたグループを組んでくれるところがあります。年齢に応じた理解力を踏まえた指導をしているか、まずは相談してみるのがベストです。

●コーチと直接話せる環境があるか
入会前にはぜひ子どもと一緒にスクールのフロントを訪れ、コーチに相談してみましょう。泳げない子がどういったグループに入るのか、レッスン中の雰囲気はどうか、同年代の子どももいるか…といったことを確認することで、不安が和らぎます。

●パーソナルレッスンの選択肢
グループレッスンに抵抗がある場合、最初は個別指導から始めるのも一つの方法です。基本的な技術や呼吸のコツを丁寧に教えてもらうことで、自信がつき、その後グループレッスンにスムーズに移行できます。

年齢を気にせず子どもの「やってみたい」を応援して

水泳は特別な環境(水)が必要なため、自宅では学びにくく、専門施設での習得が効果的です。ケガのリスクが少なく、安全性が高い点も大きな魅力です。集団行動に慣れることができ、協調性も育まれます。さらに、免疫力や体力の向上、姿勢の改善にもつながる、心身にとって理想的な習い事です。
また、泳げるようになることは、将来的にも大きなメリットとなります。中学校や高校での水泳授業に不安を感じずに取り組めるほか、大人になっても健康維持や趣味として続けられる、一生もののスキルです。

重ねてお伝えしたいのは、スイミングはいつ始めても遅くないということ。特に小学校高学年という時期は、理解力・体力・自発性が揃ったベストなタイミングとも言えるのです。習い事に年齢のリミットはありません。大切なのは、子ども自身が「やってみたい」と思ったときに、その気持ちを後押ししてあげられる環境をつくることです。

まずは近くのスイミングスクールを見学してみてはいかがでしょうか? コーチと直接話をして、クラス分けや進級の仕組みを聞いてみるだけでも、大きな安心材料になると思います。

辻村 研一
ファーストスイミングスクール広島コーチ
大阪の老舗スイミングスクールの高校卒業と同時にコーチとして従事。社内研修担当、店舗開発部長、系列会社社長を経てファーストスポーツ株式会社を設立。全国各地のスイミングスクール運営・コーチ研修のコンサルタント業務を担う。現在は、広島市西区の「ファーストスイミングスクール」を経営しながら、コーチキャリア44年の経験を活かし、幼児から全国大会出場選手まで幅広く水泳指導を手がける。
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