子育てアドバイス

【よくある相談シリーズ】大きな声で子どもを叱ってしまいます。これって虐待でしょうか?

「何度言っても、ゲームの時間が守れない、宿題をしない、片づけないなどで、つい大きな声で子どもを叱ってしまいます。しつけのつもりですが、これって虐待でしょうか」というご相談です。

日常生活で子どもに指示してもなかなか動いてくれない時、初めは優しく言っていたのにだんだんトーンが上がってきて声が大きくなり、口調が強くなることはよくあることです。大きな声を出すまで言うことを聞いてくれないと嘆いている保護者のお話もよく聞きます。

「もうすぐ夕食だからお片付けしてね」→「早く片付けなさい」→「何度言ったらやるの!!」大声での指示はエスカレートしがちです。それでも子どもが動かないと、だんだんイライラしてきて、保護者の側がキレて手が出そうになったりすることもあるかもしれません。

子どもは、大きな声に慣れると、昨日までの声の大きさでは言うことを聞かなくなります。ますます大きな声で怒鳴らないといけなくなる悪循環になります。また、怒鳴っても言うことを聞かないと「叩くよ」「ごはん抜きにするよ」など脅し言葉を使ってしまうこともあるかもしれません。
●「子ども虐待」とは…
「子ども虐待」とは、養育者による次の4種類の行為のことです。
一度だけ大きな声で怒鳴ったからといって、すぐに虐待と認定されるわけではありません。保護者は子どもが社会に出た時に、困らずに生活できるように、しつけをする役割も担っています。「お片付けができる子どもになって欲しい」など、願いを持って接しています。しかし、子どものためを思って一生懸命にしつけをしようとしていても、怒鳴り声の繰り返しや、脅しや威圧(子どもを怖がらせる、精神的苦痛を与える行為)、暴力(身体的苦痛を与える行為)を用いることは、「子ども虐待」にあたるといえます。「子ども虐待」は、子どもの安心・安全を脅かし、心身の成長・発達にも悪影響を与える子どもへの人権侵害で、してはいけない行為です。しつけに体罰を用いることも同様で法律でも禁止されています。
●しつけに大声は不要です。脅しや威圧は不適切です。
大声や脅しを用いて、子どもに言うことをきかせるのは良い方法ではありません。怖い人がいないところでは指示に従わなくなりますし、自分で考えて行動することを諦めてしまいます。また、親子関係は、子どもにとってその後の人間関係のモデルになるともいわれています。大声を出したり、相手を脅したりして、人に言うことをきかせるのは人間関係のあり方として不適切です。相手を自分の思うように行動させるためには、大きな声を出したり脅したりしたらいいと学んで、友達にそういう態度をとるようになります。中学生になって保護者と体格が逆転したら、保護者にもそういう態度をとることもあります。子どもが社会に出て困らないようにと願ってしつけを頑張っても、そうなれば逆効果です。

●保護者のイライラを子どもにぶつけないしつけのコツ
しつけをしているつもりが、いつの間にか、保護者自身のイライラや怒りを子どもにぶつけてしまうことにならないよう、対処のコツをご提案します。
 
これまで大きな声で叱られていた子どもは、保護者がこのやり方に切り替えても、すぐに言うことを聞かない場合もありますが、その時は諦めて次の機会にできるようになることをめざしましょう。同じトーンを保って、子どもに分かりやすい指示を出すことを続けていくと、きっと良い変化が期待できます。
●子どもに分かりやすい指示とは…
 
◎11月は、厚生労働省が定める
『児童虐待防止推進月間』です。
~子どもの虐待のない社会の実現を!~
小畠由香 安田女子大学教育学部児童教育学科准教授
臨床心理士・公認心理師
児童相談所で児童福祉司・児童心理司として勤務し、子ども虐待対応や子どもの心のケアに携わってきた経験を活かして、子ども家庭福祉を担当している。

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