健康基礎知識

【素朴な疑問シリーズ】子どもの理想的な睡眠時間とは


睡眠は、生活の基盤となる重要な要素です。特に成長が著しい子どもたちの睡眠には、保護者も十分に気を付けたいところ。今回は、子どもの理想的な睡眠時間や睡眠の質を高める方法をお伝えします。
小学生は1日9~12時間睡眠を推奨

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針 2014」が10年ぶりに改訂され、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」として発表されました。具体的な睡眠時間として、成人は6時間以上、小学生は9~12時間、中高生なら8~10時間など、良質な睡眠時間の目安が示されています。

睡眠には、心身の休養と、脳と身体を成長させる役割があります。適切な睡眠時間を確保することは、こどもの心身の健康にとって重要です。睡眠時間が不足することによって、肥満のリスクが高くなること、抑うつ状態が強くなること、学業成績や幸福感、生活の質の低下が報告されています。
良い睡眠のために心がけたいポイント

睡眠時間確保はもとより、質の良い睡眠のために、心がけたいポイントがあります。ひとつひとつチェックして、日常生活に取り入れてみましょう。

・起床後から日中にかけて太陽の光をたくさん浴びる
・朝食はしっかりとる
・TVの視聴、ゲーム・スマホの使用時間を減らし、体を動かす
・コーヒー、コーラ類、エナジードリンクなどカフェイン飲料を控える
・夜ふかしに注意する
・寝床ではデジタル機器の使用を避ける
・寝室は暗く、静かで心地よい温度に

小学生以降は、早起き習慣を保ったうえで、推奨睡眠時間から逆算して、夜寝る時間を親子で決めることがおすすめです。また、朝食をしっかりとることも、早寝・早起き習慣を保つ上では重要です。朝食をとらない生活習慣は、朝〜午前中に日光を浴びない生活環境と同じく、睡眠・覚醒リズムの後退を促すことが報告されています。
デジタル機器は寝室に持ち込まない

スマートフォンやタブレット、ゲーム類など、デジタル機器の使用などで、夜遅くまで子どもが起きているという悩みは、多くの保護者が抱えていることでしょう。特に、寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝つきや睡眠の質の悪化につながります。

おすすめは、デジタル機器は寝室には持ち込まず、電源を切って、別の部屋に置いておくことです。小学生~高校生の場合、1日当たりのスクリーンタイムは2時間以下が推奨されています。これらの話を、親子でしっかり話し合い、ルールを決めてデジタル機器と上手に付き合いましょう。
夜更かしを習慣化させず健康的な毎日を

夜更かしや朝寝坊の習慣が長く続くと、朝起きることが難しくなり、遅刻が増加したり、登校が困難になったりすることもあります。これは「睡眠・覚醒相後退障害」と呼ばれる睡眠障害の1つであり、自分の意志だけでは睡眠・覚醒リズムの乱れや、蓄積した睡眠不足に抗うことができなくなった結果とも考えられています。

また、「睡眠・覚醒相後退障害」の6割近くに、起立時にめまい、動悸、失神などが起きる「起立性調節障害」を合併すると報告されています。この状態になると、できるだけ早く医師に相談することが重要です。まずはこのような状態に陥らないため、子どもの睡眠を十分に確保してあげる保護者の援助が必要だといえます。

もちろん、特別な日における、たまの夜更かしも楽しい時間です。無理なく、楽しく、良い睡眠がとれるよう、日々の生活リズムを見直してみませんか? デジタル機器に関しては、大人も気を付けたいもの。遅くまでスマホを眺めながら就寝というタイプの人は、ぐっすり眠れていない可能性があります。

健康的な生活は、良い睡眠から! 眠る重要性について改めて考えてみましょう。
<出展>
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を加工して作成
・厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)こども版」を加工して作成

 

【素朴な疑問シリーズ】今一度確認したいインフルエンザ予防対策


冬は特に感染症に気を付けたい季節です。今年は、例年より早くインフルエンザが流行し始めたというニュースが流れています。備えあれば憂いなし。今一度、インフルエンザ対策を徹底し、健やかに年末年始を迎えましょう。
気を付けたい季節到来!インフルエンザ流行中

インフルエンザのウイルスにはA型、B型、C型及びD型と呼ばれる4つの型があり、その年によって流行するウイルスが違います。厚生労働省の発表によると、現在国内で流行しているインフルエンザのウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型とB型(ビクトリア系統)です。罹患しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少の違いはありますが、今年も、子どもからシニア世代まで、年齢を問わずインフルエンザに注意が必要です。人によっては重症化する場合もあり、子どもはまれに急性脳症を引き起こす可能性もあります。正しく恐れながら日々の感染対策を徹底することが重要です。
身近にあるインフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染とは、感染者のくしゃみや咳、つばなどからウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染する経路を指します。学校や職場など、人が多く集まる場所でよくみられます。
接触感染とは、物を介して感染する場合をいいます。例えば、感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、その手で周りの物に触れてウイルスが付いた場合、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着したまま口や鼻を触れば、粘膜から感染してしまいます。多いのは、電車やバスの吊り革、ドアノブ、電気のスイッチなどです。
子どもも大人も正しい手洗いでインフルエンザ予防を

インフルエンザの予防には、手洗いと、マスクの着用を含む咳(せき)エチケットなどが有効です。特に手洗いは、自分の手についたウイルスを除去するために推奨されています。特に、外から帰宅した後、食事前などには石鹸を使った正しい手洗いを心がけましょう。子どもの場合、簡単に済ませることが多い手洗いですが、根気よく身に付けて親子で感染症を防ぎたいものです。

以下、石鹼を使用した手洗いの方法を順にお伝えします。
①    流水で手を濡らした後、石鹸つけ、手のひらをこする。
②    手の甲を伸ばすようにこする。
③    爪先、指の間を念入りにこする。
④    指の間を洗う。
⑤    親指と手のひらをねじり洗う。
⑥    忘れがちな手首も洗う。

6つのステップで手洗いが終わった後は、清潔なタオルやペーパータオルなどでよく拭き取り、乾かします。タオルの共有はやめておきましょう。
プラスアルファのインフルエンザ対策で「かからない」「うつさない」

手洗いだけでなく、他にもインフルエンザの感染を防ぐ効果が期待される方法があります。
まずは、体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけましょう。適度な運動、睡眠、食事など、毎日を元気に乗り切る健康的なルーティンは、感染症予防に限らず心がけたいものです。また、乾燥を防ぐのも手段のひとつ。空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。室内では加湿器などを使い50%から60%の湿度を保つことも効果的です。さらに、こまめな換気も覚えておきたいポイントです。窓を一気に全開すると暖房で温めた室温が下がってしまうため、一方向の窓を少しだけ開けた常時換気がおすすめです。また、一般家庭用の換気設備や換気扇スイッチをオンにしておきましょう。2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。最後に、外出が多くなる師走ですが、人混みや繁華街へのお出かけを控えることも考えてみましょう。外に出る際は、ある程度の飛沫感染等を防ぐことができる不織布製マスクの着用も、防御策として考えられます。


どうしても避けられない場合もあるインフルエンザですが、一人一人が 「かからない」そして「うつさない」ことを意識してみませんか? 中学受験を控えている方、重篤な病気を抱えている方、妊婦さんなどが周囲にいるかもしれません。しっかり体調管理をして、元気に冬を乗り越えましょう。
<引用元>
・政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html
・厚生労働省「令和6年度インフルエンザQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2024.html#Q3
・厚生労働省「【令和6年度】今シーズンのインフルエンザ総合対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/index2024.html

 

【素朴な疑問シリーズ】もしかして夜尿症?子どものおねしょの心配事


小学校中学年・高学年でも、おねしょをするとき「夜尿症」を疑われることがあります。夜尿症は子どもの甘えや親の躾が原因ではなく、しっかりとした治療が必要な病気と判断されるが場合あります。「小学生になってもおねしょをするけど、自然によくなるの?」と悩む保護者も少なくないでしょう。この記事では、なかなか周囲に聞きづらい、夜尿症の原因や病院での治療などをお伝えします。
おねしょをするのは何歳まで?親も気になる夜尿症

夜尿症は「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されます。つまり、幼児のおねしょは夜尿症にはあてはまらず、そのほとんどが徐々に自然消失していくのです。

一方気になるのは、小学生に上がっても続く、おねしょの症状です。『夜尿症診療ガイドライン2021』によると、7歳における夜尿症の割合は10%と推定されています。8歳で7%、10歳で5%。11歳から14歳までは、2~3%です。つまり、小学校高学年の30人クラスであれば、1クラスに2~3人程度、おねしょをする子どもがいる計算となります。それらのほとんどは、あまり神経質になる必要はなく自然に治るとされていますが、そのうちの0.5~数%は症状が続き、そのまま成人に移行する場合もあるのが特徴です。
夜尿症が起こるメカニズム

大きくなった子どものおねしょが治らないと、子ども自身もコンプレックスを持ち、親も「自分のせいでは?」と悩むこともあるでしょう。しかし、夜尿症は親の育て方やこどもの意識の問題ではありません。

原因には3つあるといわれています。
①    覚醒する能力の低下
②    膀胱の容量が少ない・勝手に収縮する
③    夜間の多尿 

①は、睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目をさますことができない覚醒障害です。②は、膀胱の容量が小さく、またはある程度膀胱に尿が溜まると膀胱が勝手に収縮してしまうなど、睡眠中の膀胱の働きが未熟で、尿を溜める量が少ないことが考えられます。③は、夜間に作られる尿量が多いことを指します。

これら3つの原因のいくつかが重なることで夜尿症になると考えられています。また、便秘が隠れた原因のこともあるとか。便がたまると膀胱が押され、尿を溜められる量が減ってしまうのです。
疾患が見つかることも!?気になったらまず病院へ

治療の基本は、生活習慣の改善です。生活習慣を改善するだけで、約2~3割の子どものおねしょがなくなるといわれています。まずは、早寝早起きといった心身が整う生活を心がけ、夕食後から寝るまでの間の飲水量をできる限り減らしましょう。コップ一杯分200ml以下が目安です。そして、寝る前に必ずトイレに行くことを習慣化させましょう。おねしょをしないようにと、寝ている子どもを無理矢理起こしてトイレに連れていくのは逆効果です。睡眠リズムを崩せば、尿の量の調節や膀胱の働きが悪くなったり、寝ている時間に尿をする習慣がついてしまう可能性もあります。

生活習慣を見直すだけで効果が見えない場合には、薬による治療や夜尿アラームといった装置を用いた治療が行われます。夜尿アラームとは、おねしょをすると下着や専用パッドに装着したセンサーが動き、アラームが鳴ったり、バイブレーションするなどして起こしてくれるアイテムです。そこで自分で起きる、または保護者が起こしてトイレに連れて行くというサイクルを重ねると、徐々に膀胱容量が増えるとされています。

しかし、気を付けなければならないのは、単なる夜尿症でなく疾患がある場合です。夜尿症の子どもの5%弱には、泌尿器科的疾患、内分泌疾患、脊髄疾患や精神疾患が見つかることがあります。そういった疾患を見逃さないためにも、まずは最寄りの病院へかかりましょう。最初の受診で、先述した疾患による夜尿症でないか慎重に診察されます。
おねしょをしても子どもを怒らず寄り添って

小学生になってもおねしょが続いていると、お子さん自身が自分を恥ずかしいと感じます。誰もが好きでおねしょをしているわけではありません。本人の性格が弱い、言うことを聞いていないから、親の育て方が悪いからとマイナスに考える必要はありません。ひとつだけ心がけるのは、おねしょをしても決して怒らないこと。「もう大きいのに、まだおねしょしているの!」と、怒ったり責めたりすれば、子どもの自尊心は低下するばかりです。家族の理解あるサポートがあれば、子どももおねしょを治そうとやる気になります。「起こさない」、「怒らない」、「焦らない」、この3つを軸に、じっくりと子どもに寄り添う姿勢が大切です。
<引用元>
・おねしょ・おもらしについて~『夜尿症診療ガイドライン2021』の紹介を中心に~
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjschhealth/64/2/64_104/_pdf
・おねしょ卒業!プロジェクト
https://onesho.com/educate/
・日本泌尿器学会/『おねしょ』(夜尿症)が治らない
https://www.urol.or.jp/public/symptom/09.html

 

【素朴な疑問シリーズ】ただいま流行中!マイコプラズマ肺炎とは??


昨今、流行中のマイコプラズマ肺炎。主に子どもが感染しやすい感染症のひとつと言われています。感染するとどのような症状が現れるのでしょうか?学校の登校停止期間はいつまで?そんな、マイコプラズマ肺炎について気になる&気を付けたいポイントをお伝えします。
マイコプラズマ肺炎はどんな病気?
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる感染症です。大人が感染する報告もありますが、罹患した人のうち14歳以下が80%を占めており、特に子どもが注意すべき病気だといえます。感染経路は、飛沫感染と接触感染によるものが多く、友達との接触が多い学校、そして家庭内での感染が多くみられます。潜伏期は通常2~3週間で、いつ感染したか明確に特定できないのも特徴といえます。

グラフが示すとおり、2024年度のマイコプラズマ感染者数は、大幅に増加しています。日本では従来4年周期で流行を繰り返してきましたが、近年この傾向は崩れつつあり、1年中見られる感染症です。特に、秋から冬にかけて患者数が増える傾向があります。
風邪と間違えやすい?!辛い咳が特徴のマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎はしつこい咳が特徴です。初期は、発熱や倦怠感、頭痛、のどの痛みなど、一般的な風邪に似た症状が出ますが、それらが治まった頃に、徐々に乾いた咳が強くなり、3~4週間と長く続きます。

咳以外では、鼻炎、咽喉痛、耳の痛み、下痢など消化器系の症状、胸の痛みなどもみられますが、あまり多くはありません。

多くの人はマイコプラズマ肺炎に感染しても気管支炎で済みますが、一部では重症化し肺炎を起こす場合もあり、中耳炎、無菌性髄膜炎、脳炎、肝炎などの合併症を引き起こす可能性があります。一般的に、大人より子どもの方が軽く済むと言われており、怖がりすぎることはありませんが、すみやかに病院へかかりましょう。

また、子どもが感染した際、看病をする家族も感染しないように気をつけましょう。症状は大人も子どももさほど変わりませんが、先述したとおり大人が感染した場合、症状が重くなりやすく、特にお年寄りは呼吸不全など重症化する可能性もあります。同居する高齢者がいる場合は注意が必要です。
登校開始は医師の診断がおりてから

マイコプラズマ肺炎は、学校保健安全法で「その他の感染症」第三種に分類されており、出席停止期間は「症状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」とされています。そのため、出席停止期間は明確に定められていません。個々の病状により、医師の診断において「感染のおそれがない」と許可が出てから登校するようにしましょう。
こまめな手洗いでしっかり予防

マイコプラズマ肺炎の感染予防には、風邪やインフルエンザなどと同じく基本的な感染対策が有効です。普段からの手洗いやうがいを心がけましょう。特に、外出先からの帰宅後、石鹸と水でしっかりと手を洗うことが大切です。あわせて、教室などの室内で感染が広がっていると場合や、人混みの中へ出かける際、マスクを着用することで感染リスクが減る可能性もあります。また、感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けましょう。

秋に入り、子どもの病気に特に気を配る季節になってきました。日頃から、子どもの健康状態をしっかりと把握し、感染予防対策を進める視点をもって、親子共々元気に過ごしましょうね!
<引用元>
・厚生労働省 マイコプラズマ肺炎
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html
・厚生労働省 マイコプラズマ肺炎に関するQ&A 平成23年12月作成、平成24年10月改訂
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html
・国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html
・広島市グラフでみる感染症(定点把握疾患)マイコプラズマ肺炎
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/infectious-disease-graph/312.html

 

【素朴な疑問シリーズ】Q.近視にならないための生活の工夫はありますか?


・近視になるとどうなるの?
 

「近視」になると、近くのものははっきり見えますが、遠くのものがぼやけて見えてしまいます。近視には、遺伝と環境の両方が関与します。遺伝要因とは、先祖や両親から受け継いだ遺伝子によって生じるものです。環境要因としては、屋外活動の減少や、近いところを見る作業の増加などが挙げられます。実際はどちらの要因によって生じるかという厳密な判断は難しく、人によって異なる割合で、両者がともに深く関係して近視になります。
・外で過ごす時間を増やしましょう。
 

今の子ども世代は、親世代に比べ明らかに近視が増加し、若年化しています。このような急激な変化は遺伝だけでは説明できず、環境が大きく関与しているという重要な証拠です。
近いところを見る作業以外に、世界共通で認識・信頼されている近視の原因には、「外遊び」の減少があります。日光に当たる外遊びが少ない子供は近視になりやすいことがわかっています。近視の予防には日光にあたり、外で遊ばせることが最も近道かつ確実な方法とされています。
実際いくつかの国では、学校の昼休みや休憩中に外で遊ぶことを義務付け、記録を付けさせているところもあります。近視がある子もない子も、1日2時間は外にいることが有効です。
晴れた日の広場では、たとえ帽子、またはサングラスを使用したとしても、室内に溜まることに比べれば、近視予防に十分な日光を浴びることができます。無理のない範囲で、外での活動を取り入れるようにしましょう。木陰で過ごす場合にもスマホなどを使わずに体を動かして過ごしましょう。
・近いところをみる作業では注意しましょう

近いところを見る作業はたくさんありますが、この作業が増えることで近視になる確率が高まるのは事実です。これまでの研究から、読書や書き物をするときは、少なくとも30cm以上離して作業をすること、30分に1度は遠くを見て連続させないことが、近視予防に効果があることが証明されています。読書や書き物をするときは、十分な明るさを保つ(照明度で200ルクス以上)ようにも気をつけましょう。
また従来から読み書き以外に、近くを見る作業として、手元で使用するスマホやゲーム機、タブレット、ノート型パソコンや、デスクトップ型パソコンなどがあります。最新の研究では、スマホや携帯ゲーム機器などの有害な点が指摘されつつあります。使い過ぎには注意が必要です。近視を重症化させないために、日常生活では生活習慣に配慮し、定期検診による適切な矯正指導や管理を受けるように心がけましょう。
◎出典元:公益社団法人日本眼科医会「気をつけよう!子供の近視」
https://www.gankaikai.or.jp/health/57/index.html)を加工して作成

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