2024年5月15日(水)
【素朴な疑問シリーズ】Q.ぜん息の子どもに運動をさせてもいいですか?
ぜん息があるからといって運動を制限する必要はありません。
予防薬を使うことで、運動しても発作が起こらないようにぜん息をコントロールすることができます。ぜん息を上手にコントロールし、気にせず運動をできるようにしましょう。
子どもの生活の中で体を動かして遊ぶことは心身の発育のためにも欠かせません。発作を恐れて運動を制限してしまうと体力が低下してしまい、結果として軽い運動でも息が上がって発作を起こしやすくなります。また肥満もぜん息を悪化させることがありますので、運動や食生活などの生活習慣にも気をつけて肥満を予防しましょう。喘息をきちんとコントロールして運動を控えることなく、子どもが好きでやりたい運動をさせましょう。
■運動誘発ぜん息に注意
運動することで、咳やゼーゼー、息苦しさなどのぜん息症状が出ることを「運動誘発ぜん息」と言います。運動誘発ぜん息は現在のぜん息の状態を強く反映しますので、運動して症状が出る人は普段の予防が不十分な可能性があります。
■運動誘発ぜん息を起こしやすい条件
①運動の種類や時間など
・激しい運動の場合
・運動の時間が長い場合
・歩行や水泳は起きにくく、ランニングは最も起きやすい
②子どものぜん息の状態
・普段からよく(しばしば)発作が出ている子。
・気道が敏感で、軽い刺激でもすぐに発作が起きてしまう子。
・普段使っている薬を忘れたとき
③運動をする環境
・空気が冷たく乾燥した環境(冬など)
■運動中に発作が起こってしまったら
運動をしている最中に咳やゼーゼーが出始めたときは、運動をストップしましょう。そして水分をとって楽な姿勢で休ませて様子を見ます。ゼーゼーが強かったり息苦しさがあるときは気管支拡張薬を使用します。
15分ほどで治ることが多いので、良くなったら運動を再開してかまいません。治まらなかったり、息苦しさが強いときは医療機関を受診しましょう。
■運動誘発ぜん息の予防方法
日頃から発作がないようにコントロールすることが重要です。運動する前にしっかりとウォーミングアップを行い、冬など空気が冷たく乾燥しているときはマスクをしましょう。それでも発作が出る場合は医師に相談しましょう。
◎出典:独立行政法人環境再生保全機構 ERCA (エルカ)「子どものぜんそくハンドブック」(https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/pdf/archives_28016_1.pdf)を加工して作成