健康基礎知識

そろそろ気になるインフルエンザ情報

冬が近づいてくると気になるのが、インフルエンザなどの感染症。例年、どれくらいの時期から警戒が必要な傾向にあるのか、どのような対策が有効なのか、広島県感染症・疾病管理センターの尾嵜誠さんに聞きました。


例年のインフルエンザ流行の傾向
まず、ここ数年のインフルエンザの傾向をみてみましょう。
 年によって多少の差はありますが、だいたい11月の半ば(46・47週)くらいから患者数が増え始め、1~2月(2~7週)くらいがピークになります。
 インフルエンザにはA型とB型があり、「A(H3)」と呼ばれるタイプと、「A(H1パンデミック09)」という2009年の流行時に「新型インフルエンザ」と呼ばれたタイプが、交互に流行するパターンが続いています。今シーズンは「A(H1パンデミック09)」が流行する予測が立つと言えるでしょう。
 またA型のピークが過ぎた頃に、B型が増えてきていることを見ることができます。よく、シーズン終わりの3〜4月に流行するのがB型です。A型とB型では型が違うので、冬にA型にかかったのに、春先にまたB型にかかった、ということが起こり得ます。
ワクチン・予防接種について
 インフルエンザの予防接種は、発症を予防する効果も一定程度ありますが、最も大きな効果は、重症化を防ぐことにあります。また多くの方が接種することで、接種対象となっていない6か月未満のお子さんやワクチンを接種することができない方などをインフルエンザにかかりにくくするといった効果もあります。
 毎年10月頃になると、多くの医療機関で予防接種の受け付けが始まります。予防接種を受けてから、効果が現れるまで2週間程度かかります。13歳未満の方は1回目から2~4週間空けて2回目の接種が必要になります。それからまた2週間後から効果が現れることと、患者が増える時期を考えると、予防接種を受けるなら遅くとも11月中には受けておきたいといえるでしょう。時々、早く受けすぎると春先に効果がなくなると考える方もいますが、ワクチンの効果は5カ月程度あると言われますので、11月の半ばに受けても12~4月までは持続するという計算になります。
 2015年からインフルエンザの予防接種に使用するワクチンは、それまでのA型2種類・B型1種類から、A型2種類・B型2種類の4種類に対応するワクチンになり、より幅の広い流行に備えることができるようになりました。
 この4種類にはそれぞれに無数の株があるため、その年のワクチンにどの株を用いるかは、厚生労働省が専門家の意見に基づき流行が予測される株を毎年春ごろに選定し、その後メーカーが数カ月かけてワクチンを製造します。予測した株と実際に流行する株がずれた場合には、残念ながらワクチンの効果が低下することもあります。
 そこでインフルエンザの予防には、予防接種だけでなく、手洗いや体調管理等を併せて行うことが大切です。
手洗いと咳エチケットが感染予防に効果的
 インフルエンザは、接触感染・飛沫感染で広がりますので、日常的な予防としては「手洗い」が有効。石鹸を用いた丁寧な手洗いは、冬場に患者が増加するノロウイルスによる感染性胃腸炎の予防にも効果的です。また感染の疑いを感じた時は、マスクをしたり、鼻をかんだティッシュを他の方が触らない様にすぐにゴミ箱に捨てるなどの「咳エチケット」で周囲の方への感染を防ぐことがとても大切です。
 これからが、インフルエンザの本格シーズン。広島県感染症・疾病管理センター(ひろしまCDC) では、県内のインフルエンザの発生状況や「流行開始」「注意報」「警報」などの情報を随時公開していきます。チェックして参考になさってください。
尾嵜 誠(おざき・まこと) 広島県感染症・疾病管理センター(ひろしまCDC)
広島市南区皆実町1-6-29
082-513-3068

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