健康基礎知識

子どものメタボ!家族の食生活がカギ

 子どもの肥満やメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)が増加しています。そこで主な症状やリスク、増えている理由を知り、予防や対策について、管理栄養士の沖本久恵さんにお話しをお聞きしました。
 文部科学省の学校保健統計調査によると、昭和45年~平成12年にかけての30年間、男女ともに肥満傾向児(性別・年齢別に身長別平均体重を求め、その平均体重の120%以上の体重の者)の割合が増加傾向にあり、とくに男子は各年齢層ともに2~3倍に増加。このような状況から「近年の子どもの肥満の増加により、肥満に伴う高血圧や高脂血症などが危惧されている」と報告があります。その後の取組み等により、その数値は平成18年度以降減少傾向になり、平成23年度以降はほぼ横ばいに推移しています。
“生活習慣が小児肥満を招き、 小児肥満が生活習慣病を招く”
 小児肥満は成人肥満につながりやすいといわれますが、その割合は、乳幼児期(~2歳まで)で約25%、2歳~思春期前までが約40%、思春期以降で約70~80%です。乳幼児期は脂肪細胞増殖型肥満になりやすく、後々肥満を再発する可能性があります。2歳~思春期前まででは、脂肪細胞増殖・肥大混合型肥満で治療が非常に困難になります。思春期以降は脂肪細胞肥大型肥満になり、体格が形成されている、生活習慣が決まっていることからとくに成人肥満になりやすいです。

肥満傾向にある子ども達が増えてきた要因として次のことがあります。
・夜型の生活パターン→夜食の増加、遅い就寝時刻、朝食欠食
・食事内容の変化→総カロリー摂取に対する脂質摂取の増加
・食習慣の乱れ→味がわからない子・噛まない噛めない子の増加、孤食の増加
・運動習慣の減少→学校の授業以外での運動(外遊びも含む)をほとんどしない子の増加、テレビ視聴やテレビゲームの時間の増加
・睡眠習慣の変化→就寝時刻が遅くなることからの睡眠時間の不足
 睡眠不足になると副交感神経より交感神経の活動が強くなり、血圧や心拍が上がりやすい。インスリンの働きが悪くなり血糖値が上がりやすい。つまり、糖尿病、高血圧、肥満になりやすい。
“家族みんなで食から始める生活習慣の改善”
 子どもは与えられた生活環境のなかで順応し、心と体が作られていきます。「家族が遅くまでテレビをみているから」「家族みんな朝起きるのが遅いから」「朝はひとりでご飯を食べている」など、生活リズムが整っていない子どもから聞こえる声があります。子どもの生活が夜型傾向になっているのは、大人の生活リズムに同調している要因が大きいとみられます。子どもが大人に合わせるのではなく、大人が子どもの生活の時間を整えてやることが一番大切なのではないでしょうか。夕食をいつもより少し早めに食べるか少し控えて食べて、いつもより30分早めに寝る。いつもより10分早く起き、朝食を何か食べる、いつもより一品多く食べる。「おいしいね」って言い合いながら食べる。家族でそんなことから始めてみませんか?
 親御さんが家族の食生活を意識するかしないかで、お子さんの発育だけでなく、その後の人生にも影響することを自覚していただくことが必要と考えます。子どもが自分で適切な食生活を営むことができる力を身につけていけるよう、学校や地域での取組みに併せて、家族みんなで取り組んでいきましょう。
沖本 久恵(おきもと・ひさえ) 比治山大学栄養学部管理栄養学科 講師
管理栄養士
昨年まで小学校で食の指導や助言を行う栄養教諭を務め、2016年春より現職。学生の指導のほか、食に関するセミナー等でも活躍中。

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