健康基礎知識

色が与える心と体への影響

 色にはパワーがあり、体調や情緒、能力の開発にも影響を与え、特に子どもたちはその影響をストレートに受けるといわれています。色彩心理士 山田剛史さんに、子どもが受ける影響や健やかに過ごせる空間づくりについて聞きました。
色が子どもの心に及ぼす影響とは?
 ある実験で、3歳から10歳までの子どもたちに少し体を動かしたり、楽しい音楽を聞いた後に絵を描かせてみると、赤・オレンジ・ピンク・黄色・緑・青が使われることが多く、お化けなどファンタジーの話を聞いた後では青・褐色・赤・黄色・紫または緑が多く使われていたという報告があります。
 本来、子どもたちが好きな色は、3歳から5歳の幼児期は1位が赤とオレンジ、2位は黄色、3位は赤と緑。6歳から12歳までの児童期になると、1位は黄色とオレンジ、2位が青・緑・ピンク、3位は赤。子どもたちは色に敏感に反応していることが分かります。また、選ぶ色が心の色を表しているともいえます。
 子どもが紫ばかりを選ぶと「情緒不安定かも」と心配する意見が聞かれますが、海外では空想力を連想させアーティスティックな要素が強いともとらえます。海外のおもちゃや洋服などに紫が使われていることからも分かります。
日常生活での効果的な色の使い方
 色のみで子どもの心を完璧に元気にさせることはできないかもしれませんが、子どもの気持ちを理解したいと願う親の心は子どもに通じるはず。色の効果もより高まります。
 例えば、集中力を高めたいなら寒色系、中でも青がおすすめ。気持ちを鎮める効果があり、精神的にも肉体的にも安定した状態に保つ働きがあります。だからといって、青ばかりを使うと部屋が寒々として冷え、肌寒い部屋になってしまいます。
 そのほか、落ち着きをもたらす緑、リラックス効果を高めるベージュ、兄弟の調和も期待できるオレンジなど、主な色の効果と子どもが使う空間での使い方をまとめました。部屋づくりの参考にしてください。
刺激がありすぎ、なさすぎもストレスに
 人は刺激を求めています。ただ、刺激が強すぎたり弱すぎたりするとストレスを感じてしまうため、程よい刺激が必要です。
 子ども部屋は赤青黄などの色でカラフルに元気なコーディネートをしたくなりますが、色が強すぎると視覚的にストレスがかかります。呼吸や心拍数が上がるなど身体に変化が現れます。同様に、同一の色でまとめた(モノトーン)も同じような様子が見られます。白一色、黒一色は緊張感が高まり、ところどころに息抜きできるような別の色があると心が落ち着きます。
 子ども部屋に限らず、部屋づくりの色づかいは、(1)ベージュや白など淡く薄い色などその部屋の基調になる「ベースカラー」、(2)部屋の雰囲気をつくる「セカンドカラー」、(3)空間を引き締める「アクセントカラー」の3色でまとめるといいといわれています。
 ベースカラーを部屋面積の70%使った上で、セカンドカラーはベースカラーに沿う色味で25%、そしてアクセントカラーを5%使います(グラフ参照)。アクセントカラーの面積が広いと、部屋全体の刺激が強すぎ、落ち着きません。
 ただし、子どもによって性格は異なります。内向的な子には寒色系、外交的な子には暖色系の色を使う方が、心に負担が少ないかっもしれません。自分に合っていることがストレスを軽くするポイントです。
光りをたっぷりあびて
 子どもが過ごす場所には、自然光を取り入れることも意識してください。最近の子どもたちは外遊びの機会が減っています。
 ニューヨークのホワイトカラーの人々は建物の中でこもりっぱなしになりがちで、うつ病になりやすい傾向が高いことが報告されています。日照時間の短い北欧でも同様の傾向が見られ、室内の照明にあえて紫外線を含む「バタライト」を使用する学校もあります。
 太陽の光にはあらゆる色が含まれています。太陽を浴びることは、色の全パワーを受けるともいえます。室内にも光を取り込んでほしいと同時に、もっと外に出る機会を増やしてほしいと思います。
 子どもたちは学校生活などで、かつてよりも大きなストレスを感じながらいきているといわれています。子どもが過ごす空間は、リラックスできて明日への活力が養えるような、健やかに過ごせる環境をつくってやりたいですね。
世界のカラーが学べる色彩の専門学校「エコール・ド・メチエ広島」代表
色彩心理士 山田剛史さん
広島市中区紙屋町1-4-1-3F
TEL:082-545-1235
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