広島駅北口に「夢のアリーナ」誕生なるか 1万人収容、官民が本気の挑戦
7/12(日) 09:00
バスケットボール「広島ドラゴンフライズ」のホームアリーナを核に、広島駅から徒歩3分の好立地に1万人収容の多機能アリーナを建設しようと、官民が連携した協議会がついに本格始動した。Bプレミアリーグが2031年10月に開幕する新シーズンへの参戦に合わせた開業を目指す。10万人をこえる市民の署名が背中を押す一方、物価高騰の影響や交通渋滞など課題も。「オール広島」での挑戦が幕を開けた。
「オール広島」で夢を動かす 協議会が初会合
広島に新たなアリーナをーーその構想がいよいよ本格的に動き出した。想定するのは、1万人収容の多機能アリーナ。JR広島駅北口に整備しようと、官民連携の協議会の初会合が7日夕方、エディオンピースウイング広島で開かれた。バスケットボール「広島ドラゴンフライズ」の浦伸嘉社長をはじめ、横田美香知事、松井一実市長、広島商工会議所の松藤研介会頭、JR西日本広島支社の飯田稔督支社長、広島イベント事業振興協会の松本朋憲理事長が顔を揃えた。地元の町内会やスポーツ・経済団体もオブザーバーで加わり、座長となった福山市立大学の渡邉一成教授は「オール広島で総力を挙げて広島の未来を作っていきたい」と意義を語った。
建設候補地はJR広島駅北口のJR西日本所有地で、同社から借り受ける形での整備を目指す。駅から徒歩3分という好立地に、「広島ドラゴンフライズ」とバレーボール「広島サンダーズ」のホームアリーナを核に、コンサート・式典・eスポーツ・災害時拠点など多機能な活用を想定。Bプレミアリーグが2031年10月に開幕する新シーズンへの参戦に合わせた開業を目指す。
建設候補地はJR広島駅北口のJR西日本所有地で、同社から借り受ける形での整備を目指す。駅から徒歩3分という好立地に、「広島ドラゴンフライズ」とバレーボール「広島サンダーズ」のホームアリーナを核に、コンサート・式典・eスポーツ・災害時拠点など多機能な活用を想定。Bプレミアリーグが2031年10月に開幕する新シーズンへの参戦に合わせた開業を目指す。
なぜ今、新アリーナが必要なのか
広島にはすでに1万人規模のグリーンアリーナが存在する。それでも新アリーナが求められる背景に、いくつか事情がある。そのうちの一つはリーグの施設基準だ。BプレミアリーグやSVリーグは5000席以上の席数やVIP席の整備を義務付けるが、広島でこれを満たすのはグリーンアリーナのみ。しかしドラゴンフライズの使用は2031年度までの暫定条件付きだ。
さらに「広島飛ばし」という事情も。グリーンアリーナはスポーツ優先のため、コンサートなどの有料興行数に制限があり、昨年の広島のライブ公演数は、北海道、宮城、福岡、愛知、広島の中で唯一1000本を下回った。広島イベント事業振興協会の松本理事長は「1万人規模のアリーナがあれば、全国ツアーで広島は外せない都市になる」と期待を語った。
さらに「広島飛ばし」という事情も。グリーンアリーナはスポーツ優先のため、コンサートなどの有料興行数に制限があり、昨年の広島のライブ公演数は、北海道、宮城、福岡、愛知、広島の中で唯一1000本を下回った。広島イベント事業振興協会の松本理事長は「1万人規模のアリーナがあれば、全国ツアーで広島は外せない都市になる」と期待を語った。
9か月で10万人超 市民の熱量が後押し
夢のアリーナ実現に向け、広島ドラゴンフライズは2018年にアリーナ準備室を立ち上げた。しかし新型コロナの感染拡大がそれを阻んだ。その後2024年、夢のアリーナ推進プロジェクトを立ち上げ、署名活動の輪が広がり、カープやサンフレッチェも協力し、約9か月で10万人以上が賛同した。「コンサートをやってほしい」という声も相次ぎ、スポーツとエンターテインメント双方への期待の高さが伝わる。そしてついに迎えた協議会の発足。発起人の浦社長は「夢のアリーナのスタートラインに立てたので、素直にうれしい」と喜びをにじませ、「カープさんもたる募金からスタートしてマツダスタジアムが建てられ、3連覇した。サンフレッチェさんも同様にエディオンピースウイング広島を官民連携で建設した。アリーナも『オール広島』で作っていきたい」と力を込めた。
最大の壁は建設費 「負担付き寄付」という新手法
最大の課題が建設費だ。参考値として、エディオンピースウイング広島の事業費は285億7千万円。ただ現在の物価高騰や国際情勢を踏まえ「今作ると2倍以上」との声もある。全国でもアリーナ建設が進むが、最近できた昨年完成の名古屋市の「IGアリーナ」(1万7000人収容)の事業費はスポーツ庁によると約400億円で、設備や規模で異なるにせよ、多額の費用が必要で避けられないことは明らかだ。
そこで浦社長が提案したのが「負担付き寄付」だ。民間がお金を集めて作り、その後行政に寄付し、行政が建物を所有したうえで民間が運営するスキームで、利用者の費用負担を抑えられるのがメリットだ。JR西日本広島支社の飯田支社長は「もっとも適切で素晴らしい手法」と賛同した一方、松井市長や横田知事は「やったことがない」と「検討が必要」とした。ただ期限もある。今後について商工会議所の松藤会頭は「スピード感が必要」とした。また、「ぜひ地元企業の活用を」と訴えた。
そこで浦社長が提案したのが「負担付き寄付」だ。民間がお金を集めて作り、その後行政に寄付し、行政が建物を所有したうえで民間が運営するスキームで、利用者の費用負担を抑えられるのがメリットだ。JR西日本広島支社の飯田支社長は「もっとも適切で素晴らしい手法」と賛同した一方、松井市長や横田知事は「やったことがない」と「検討が必要」とした。ただ期限もある。今後について商工会議所の松藤会頭は「スピード感が必要」とした。また、「ぜひ地元企業の活用を」と訴えた。
渋滞対策・街づくりも論点 議論はこれから
他にも懸念されるのが駅前の交通混雑だ。周辺では高速5号線の開通や新病院の開業も控え、渋滞深刻化のリスクがある。協議会は街づくりも含めて「期限を決めずに丁寧に話し合いを進める」方針だ。課題の一方で、広島の元気につながる前向きな話もある。JR西日本の飯田支社長は「のぞみが停車する広島駅直結の立地を活かし、首都圏・関西圏・九州圏からの広域集客にも取り組める」と強調。横田知事も「若者に魅力ある街づくりにつながる」と若者の流出をくいとめる一助に期待を示した。マツダスタジアム、エディオンピースウイングに続く施設を「オール広島」で。官民一体の協議はこれからだ。
