子供たちを支える『新・給食センター』に潜入!「安全で温かく美味しいものを」 広島市

2/17(火) 18:45

施設や設備が古くなるなど広島市の給食センターは今、深刻な課題を抱えています。
そんな中、昨年市内に誕生した複合的な機能を備える最新の学校給食センターに迫りました。

【フジマック 広島営業部 西山浩之 部長】
「ここでは煮献立で1万2千食マックスで作れるという機械の配置になっています」

ずらりと並んだ大きな調理釜。
ここは最新の給食センターです。

【辰已麗アナウンサー】
「せっかくなので案内していただきます」
【広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長】
「調理している風景が見えるようになっています」

去年12月、広島市北部地区に完成した学校給食センター。
36の小中学校に給食を提供し、その規模は広島市内最大級を誇ります。

【広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長】
「安全でおいしい給食を持続的に提供できる体制を考えようということで、最終的には5つの給食センターで給食を提供していく体制にしようと形で今進めているところ」

給食の提供体制を見直す流れの背景…。
それは現在、稼働している調理場の深刻な老朽化があります。
築年数が40年を超える調理場は市内126か所のうちおよそ6割にあたる82か所。
厳重な衛生管理が求められる調理現場において、できるだけ早い解決が求められています。

このような事態を受け、広島市は体制の見直しを進めていて、将来的に広島市内に5つの給食センターを作る予定です。
広島市の試算によると1万2千食を提供できる調理場をそれぞれの学校で分散して作る場合より、センターでまとめて行うほうが建設費などの初期投資ではおよそ10億円、年間のランニングコストも4千万円ほど安くできます。

老朽化する120ある各学校の調理場を個別に建て替えるより、大きなセンターを新たに建てるほうがコストを抑えることができるといいます。

今回導入されたのが課題だった衛生管理を解決するドライシステム。
濡れた状態だと細菌などが繁殖しやすくなるため、床を濡らさないよう徹底しています。

【フジマック 広島営業部 西山浩之 部長】
「通常の釜でしたら、こういう形で蓋を洗いますので、水が結構下に飛び散ってしまいますけれども、この蓋の構造はここが屈折式になっていまして、蓋がこういう形で折れます。水洗いするときに釜の中で蓋を洗うことができます。穴が見えますけれども、こちらがこういった形で開きます。回転釜を倒さなくてもここの下から排水ができるということで、周りに水の飛散が少ないとこういうのが、ドライ構造の回転釜になっております」

また、緑や青に色分けされた床にも工夫が…。

【フジマック 広島営業部 西山浩之 部長】
「床の色も全部分けて食材の導線、加熱した食材と、加熱されていない食材が交差しないように床の色分けで運用しています」

このほかにも、センターでの運用にはメリットがあります。
力を発揮するのがこのスチームコンベクションオーブン。

【フジマック 広島営業部 西山浩之 部長】
「普通の単独校ではなかなか現場でハンバーグとか魚を焼くっていう調理行為がないんですけれども、こちらのセンターの方では、全部こちらで肉・魚・ハンバーグ等こちらで焼いたものをそのままお届けするというメニューの構成になっている」

これまで各学校で焼き魚を調理するときは焼いたものを一度冷凍し、湯煎していましたが、この機械があれば焼きたてを届けられます。
揚げ物を作るコンベアー式のフライヤーは、油の投入や入れ替えが自動で行えてコロッケは1時間で4千個ほど作れます。

北部地区の学校の中にはデリバリー給食だったところもありますが、今までよりも『もっとおいしい』を実現できます。

一方、新センターの開所とともに役目を終えたのは可部地区学校給食センター。52年間、子供たちの『元気の源』を支え続けた歴史に幕を閉じました。
最後の日のメニューは、つやつやのごはんにふわふわどんぶり、そして給食を彩るうさぎりんご。うさぎリンゴはセンターの調理員が手作業で剥きました。
人の温かさが伝わるごはんを子供たちに…。
この規模だからこそ形にできた調理員からの感謝と応援の気持ちです。

新センターになれば提供食数の増加とともにこのようなことは出来なくなりますが、別の形で街の『温かい』を創り出そうとしています。

2階部分に設置された、キッチンスタジオ。
調理場の機能の他に地域住民が利用できる場所として、街の賑わい作りや食育の場になることが期待されています。

【広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長】
「給食を作っている風景を見ていただいて、こういった給食を作ることによって、我々の給食が届けられるというのを見てもらいたい。食に興味を持ってもらって自分の体を強くしていただくような食育につなげていきたいと考えています」

広島市の当初予算案では来年度の給食費を保護者負担額「ゼロ」にする方針です。
1人1日360円の給食費のうち、300円を国が負担し、残る60円分は臨時交付金を活用します。
子供たちを支える給食を安全で温かくおいしいものに…。
そのほかの地域の調理場もできるだけ早い整備が求められています。