【広島あの日のきょう】山一証券自主廃業(1997年)支店窓口に顧客が殺到するも、大きな混乱なし

11/25(火) 17:51

「あの日のきょうにずきゅん」テレビ新広島、放送50年の歴史の中から、あの日のニュースを振り返ります。

今から28年前の1997年11月25日経営危機に陥っていた大手証券会社「山一証券」が自主廃業しました。広島県内の支店は一日中混雑しましたが、大きな混乱はありませんでした。

広島市中区にあった山一証券広島支店には午前9時の開店と同時に、株式の返還などを求める顧客、およそ100人が窓口に殺到しました。

大蔵省や日銀が「顧客資産を全額保護する」方針を示していたことから、大きな混乱はありませんでしたが、予想以上の顧客が詰めかけ、窓口は1日中混雑しました。
当時の山一証券の広島支店長は、経営トップへの怒りを露にしました。

【山一証券広島支店・小原澤尚支店長(当時)】
「飛ばし(損失隠し)といったものは一切ないという風に聞いておりましたし、私どももそれを信じて再生へ向けての方向性を必死で模索してきた。本当に腹立たしい思いでいっぱいです」

山一証券は、日本四大証券会社の一角を占めていましたが、バブル崩壊後の業績悪化とそれを隠すための「飛ばし」と呼ばれる損失隠しが表面化。市場の信用を失い、廃業に至りました。

(メモ)
当時、山一証券の社長が記者会見で「私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから。どうか社員のみなさんに応援をしてやってください、お願いします!」と号泣し、深々と頭を下げる姿が繰り返し報じられました。