有資格者の人数満たさぬまま運営続けたか 福山市の障がい児通所施設に行政処分 市は不正受給の返還求める

11/20(木) 19:10

福山市は、市内の放課後等デイサービス施設が資格のある職員が基準に満たない状態で運営していたとして、施設の指定を1年間停止し、給付金約2500万円の返還を求めることにしました。

市によりますと、給付金の不正請求が発覚したのは、福山市で障がい児の通所支援事業を運営する「地域の風」です。

行政処分の対象となったのは、同社が運営するHEROO(ヘローオ)仲良とHEROO北吉津、HEROO泉の、3つの放課後等デイサービス施設で、福山市によりますと、有資格者が基準を満たさない日がありながら基準を満たしていたと偽るなどして給付金を不正に請求したということです。

このうち1施設は開所時に市の指定申請をする段階から資格がない職員を有資格者と偽って申請し、指定を受けていました。

今年3月に複数の内部通報があり、市が監査を実施。市は有資格者の配置人数が基準に満たさない状態が常態化していたと判断し、不正請求をしたと認定しました。

運営会社は「制度の認識が不足していて、請求のチェック体制ができていなかった」と説明しているということです。

市は、これまでに不正で得た給付金と不正による加算を合わせた約2563万円を同社に返還するよう求めています。

指定の停止は来年1月から1年間で、現在、施設を利用している児童・生徒60人については代りに受け入れが可能な施設を探すよう指導しています。

今回の事案をうけ、市は、各事業者に対して定期的に実施している指導の機会を通じて改めて制度の周知を図ることにしています。