広島城の未来は? なぜかオリジナルキャラクター増殖 学芸員の熱い思いにずきゅん。【ひろしま棚さんぽ】

10/3(金) 20:00

「ひろしま棚さんぽ」です。
先週に引き続き、広島城の歴史たどります。
今回は学芸員さんの熱い思いやお城の未来に「ずきゅん。」しました。

時は戦国末期の1589年、毛利輝元の手によって築城が始まった広島城。
原爆によって倒壊するまでは、広島の街を代表する建造物でした。
前回は戦後、鉄筋コンクリート造りの歴史博物館として再建された、天守内の見どころを取材しました…が、お二人。
天の声からのミッションを忘れてやしませんか?

時は戦国末期の1589年、毛利輝元の手によって築城が始まった広島城。
原爆によって倒壊するまでは、広島の街を代表する建造物でした。
前回は戦後、鉄筋コンクリート造りの歴史博物館として再建された、天守内の見どころを取材しました…が、お二人。
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【天の声】
「広島城に関わる人の思いを取材してください」

ということで、今回は館内をめぐりながら広島城の学芸員さんの思いにずきゅん。
しましょう。
まずは、海外の観光客に人気のこちらのスポットから。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「普段は取ってるんですが(角飾りを)ちょっと今日は特別に(つけています)」
「特別に。かぶってみますか?」
「かぶりたいです」
「わかりました、行きますよ?」
「はい。重たーい。これをかぶって俊敏に動けるかっていう問題が…」
「うん、問題があるよね。本当にこれ、こんな重さなんですか?」
「大体本物と同じぐらい」
「え?」
「余の城へようこそ。君も何か言いたまえ」
「・・・何も…何も出てこない」

そして3層には鎧兜や刀が展示され、4層は学芸員が趣向を凝らした企画展を行うエリアです。
現在は広島城のお隣、基町をテーマに展示をしています。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「おっ、ちょっと待ってください。閉城?」
「閉城してしまうんですね」
「閉城ってどういうこと?閉城?」
「はい。来年の3月22日でもう閉まっちゃう」
「閉まっちゃう」
「はい。天守が再建されて67年。耐震性の不安がありまして」
「え?閉場した後は耐震化工事をするんですか?」
「そこがですね。実はまだ決まっていなくて」

広島市は広島城天守の木造復元を前提に有識者による検討会議を開き、議論を重ねています。
史跡や歴史的建造物の復元に関しては、文化庁が厳しい基準を設けていますが、かつて国宝だった広島城は、その基準をクリアする可能性があるとされています。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「陸軍によって、天守を実測している設計図があるんですね。なので、そういった実測図を元にして、(木造)再建しようと思えば、技術的にはできるけれども、ちょっとそこをどういう風にクリアして行くかっていうところが、今から。これから検討が進んでいるところ」「図面が残っているということで、当時のまま作り直すことはできる?」
「そうですね、江戸時代末のその様子が残っている」
「見たいですね」
「ぜひ(木造再建)してほしいですね」
「じゃあ、恋乃葉ちゃんが一発当てて、『これで作りたまえ』と」
「カッコよすぎますね。それは…」
「200億円ぐらい出してくれたら」
「いやー」
「広島城戦前は国宝に指定されていた名城だったので、木造で復元されたら、すごく立派な物ができるんじゃないかと思います」
「広島名物に間違いなくなりますもんね」
「そうですね」

それでは最後に、学芸員の方の広島城に対する熱い思いを取材しましょう。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「天守が閉城するその前に、ぜひこの広島城、お越しいただければと思います。そして、今展示されている資料たちは、今後できる三の丸歴史館に移りますので、是非そちらもご期待いただければ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございました」

「なんですけど、私、気になって気になって、しょうがないことがあるんですけど」
「何?」
「キャラクター多すぎ問題」

実は広島城ではここ数年、なぜかオリジナルのキャラクターが増殖しているのだとか…この現象を調査すべく、ふたりは再び、最下層の第一層へ…

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「あー!ひゃー、かわいい」
「なんて言うキャラですか?」
「しろうニャですよ」
「しろうニャ?」
「はい!なんで知らないんですか?」
「知らないです。今、人気なんですか?」
「はい!かわいい」
「しろうニャ、人気なの?」
「ほら、人気です」
「人気なんだ。決めポーズがあるみたいですね。あ、書いてあるわ、城猫。
城の猫で、しろうニャ。わかりました、キャラがもっとおるん?」
「たくさん、多すぎ問題あるんで…」

それでは、残る11体の広島城の武士達をご覧いただきましょう。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「ちょっと見て行きましょう」
「いっぱい居る?」
「まずこちら」
「え?サンタクロースみたいなのがいますね」
「はい、忍者です」
「忍者?」
「芸州斎ですね」

芸州斎は第1層の広島城の模型で活躍中。お城を警護する忍者です。

「えっと、こっちはたしか、『こいこ』ちゃんだったかな…」
「こいこちゃん!」
「うさぎ?広島城っぽく全然ないですもんね、うさぎ」
「あ、実はですね。広島城には昔、うさぎがいたんですよ。城跡内に、野良うさぎがいて。
そこから出てきたキャラクターですね」
「まだありますね?」
「はい、まだあります。見ていきましょう」

「はい、今度は人間ですね?カープファン?」
「はい。島広史くんですね」
「島広史くん?」
「えー、おもしろ」
「はい。隣のお侍が島広之進。広史君のご先祖様」
「あー、ご先祖様…」
「で、えっと…隣が」
「これも広島城のキャラ?」
「一応、はい」
「まだあります。いっぱいありますね」

紹介しきれなさそうなので急ぎ足でいきますよ。お城の地図記号のようなキャラクターは、『しろうとくん』と『くろうとくん』。お城に詳しい『くろうとくん』が、全く知らない『しろうとくん』に、ビシバシ知識をたたきこみます。

天守台の石垣を擬人化したのが『イッシー』で…

<塚本さんお城博士指さして>
「えーと…それ名前なんだったかな…ふふふ」

あまりの数に高土さんも覚えきれません。
あ、ちなみにこの子は、第5層をモチーフにした『お城博士』です。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「さあ、一番問題なのがこれですよ」
「問題ですね」
「これはないでしょう。広島城?これなんですか?」
「これ、『でるたこ』っていうんですけど。足が(広島城が)築城の頃の川ですね。
広島にはたくさん川があったんですけど」
「なるほど」
「川の感じがタコの足に見えるっていうところから生まれたキャラクターで、ちょうど口の中、よく見ていただくと、広島城の本丸と二の丸が」
「あー本当だ」
「気が遠くなる」
「頭が烏帽子かぶってるんです。あれが白島」
「ちゃんと…」
「設定が細かい」

この12体のキャラクターはお城の館内はもちろんのこと、広島城の広報紙で活躍しています。
みなさんも探してみてくださいね。

【広島城 高土尚子 学芸員・塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「なんでこんなにあるんですか?」
「これ全部、広島城の職員が考えたキャラクターなんですけれども、やっぱり歴史を取り扱うっていうのはちょっと堅苦しかったりとか、親しみがあまりないというか、小難しいかなってちょっと敬遠されがちだと思うんですが、こういうキャラクターを登場させて紹介することで、皆さんが親しみを持って、広島城の歴史とか、そういったのを知ってもらうために生まれた」
「なるほど。知ってもらうために、いろいろ考えた末にこんなに増えてしまったと。
恋乃葉ちゃんはどれ推し?」
「私は…え、でもやっぱり鯉?やっぱり周りにもいるし」
「僕は何と言っても『でるたこ』です」
「あ、実は『でるたこ』まだたくさんいる」
「どういう意味ですか?」
「これ、一応、初代『でるたこ』なんですが、2代目が太田川放水路ができたことで、放水路…」
「川の形が変わってるから…」
「もう勘弁してください」

次回は天守を出発して、お城の中をぶらぶらと…

【塚本恋乃葉さん・棚田徹さん】
「うわ、でかいね」
「へー」

その道中、お堀の鯉で広島城を日本に名だたる名城にしようという人に出会いました。