災害時にペットを守るには? 「とにかく一緒に避難」 大事なのは日頃からの”しつけ” 【ギュッと防災】

9/25(木) 18:47

防災コーナー担当は河野アナウンサーです。

【河野行恵アナウンサー】
「一緒にやろう!ギュッと防災」このコーナーでは家族とできる防災の取り組みをご紹介します。
9月20日~26日は動物愛護週間です。
そこで今回のテーマは「災害からペットを守るために日頃からできること」

ペットは「大切な家族」広島県によりますと県内の犬猫の飼育数はおよそ41万匹。
単純計算で3世帯のうち1世帯が犬猫を飼っていることになります。
大切な家族と安心して暮らすためには正しい備えが必要ですよね。
そこで今回は東広島市を拠点に犬の「しつけ教室」やペット防災の講演なども行っているペット危機管理士特任講師の上野貴子さんに、ペット防災での大事なことを聞きました。

それは「命を守る備え」と「しつけ」です。
まず「命を守る備え」とはどんな備えなんでしょうか。

【ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「優先順位としては避難所に届く物は人の物。犬猫や小動物の食べ物は常に1か月先があるように。中には心臓や腎臓が悪く『療法食』でないと摂取できなくなってしまっている子は2~3か月先が常にあるようにしている方が安心」

≪災害発生その時どうする?≫

【ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「とにかくペットと一緒に避難ですね。ペットだけ置いて来るとか、ペットがいるから避難しないではなくて、これは環境省も広島県もペットと一緒に避難しましょうと勧めています。能登半島地震の時にも動物を置いて出る。もしくは、倒壊した建物の中から猫が出てくるってこともありましたが、実は亡くなってしまったということも聞きます」

<スタジオ>
ペットも一緒に避難する同行避難が強く呼びかけられています。
とはいえ、ペットと一緒にどこに避難するか、避難所に連れて行っていいか迷うと思います。

例えば広島市の場合は212ある指定避難所全てで原則ペットの受け入れを可能にしています。
各市町や避難所によって対応は異なるので県や自治体のHPなどで最寄りの避難所がペットと一緒に避難できるか事前に確認してみて下さい。

受け入れ可能とは言え、ハウスに入れて軒下などの屋外のみといった条件があります。
屋内にペット専用スペースを設ける避難所もありますが、飼い主と同じ住居スペースには連れて入れません。

ただでさえいつもと違う環境。飼い主と一緒に居られないのはペットにとってもストレスですよね。

そこで大事な2つ目は

「しつけ」

日頃の「しつけ」が災害時のトラブルからペットを守ることに繋がるそうなんです。

【河野アナ・ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「災害時のストレスからペットにはどんなトラブルが考えられますか?」
「ペットは非常にストレスに弱い。環境が変わると排泄ができなくなってしまい、腎臓や尿路系のトラブルが起きる子がいる。あとは、物を食べられなくなる。フードや環境が変わったり、器が変わるだけで食べられなくなる動物もいる」

こうしたトラブルからペットを守るために必要な「しつけ」日頃からできるコツを教えてもらいましょう。

【ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「まず1つ目のポイントは『いろんな場所に慣れておく』です。クレート(持ち運びできるハウス)ごとお出かけをして、車の中のクレートで静かに過ごせるようにとか、環境を変えてもハウスのトレーニングができるっていうことが大切。ハウスに慣らす時にはこういう食べ物を中に入れるおもちゃ、ペットボトルでも良いんですけど、ふやかしたフードとかを詰めておくとペットが中を出そうとペロペロ舐める。舐めている間その場所(クレートの中)に居られるようになる。
慣れていないうちは扉を開けっぱなしにして、出たり入ったりが自由にできるように中で集中して食べられるということを確認してから、最初は5分、10分扉を閉める。まだ食べ物に集中しているくらいの時に開けてあげるのがポイント」

【ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「2つ目のポイントは『トイレトレーニング』です。最初のうちはペットが排泄行動をとった時に『ワンツー、ワンツー』と声を掛ける。声を掛けて出来たら、ご褒美をあげるっていうことを繰り返すとそのうち『ワンツー、ワンツー』と言われるとモゾモゾって、『今しておこう』となる。場所が変わってもお泊りに行っても普段慣れていない室内でもペットシーツが敷いてあれば、そこでできるようになる(ことが理想)。

最後のポイントは『呼び戻し』災害時ペットはパニックになり、逃げ出すことがあります。
日頃から呼んだら『捕まえるまで』をできるようにしてほしいと言います。

【ペット災害危機管理士 上野貴子さん】
「呼んだとき捕まえられないパターンの子の場合、呼ぶ前にあからさまに『ご褒美あるよ』と見せて、足の間に置いちゃう。食べている間に触る。捕まりたくない子は触っている時に後ろへ逃げる。触って逃げないんだったら、今度は呼び戻しした時に食べさせながら首輪もしくはハーネスを捕まえる」

【河野アナ・ペット災害危機管理士 上野貴子さん】≪実践≫
「セレン!来た!下の方で…食べてる間に…逃げちゃった」
「警戒してますね」
「でもこれでむやみに行かない?」
「そう!追うと逃げるので」
「セレン!」
「もう一回いける。下に置いて食べる間に…」
「撫でて、(首輪を)持つ。よくできました~」

<スタジオ>
『ワンツー』の呼び掛けで、すぐはできないかもしれないけど、飼い主も根気強く頑張らないといけません。幼い頃から習慣にできたらいい。飼い主だけでは難しい場合は、しつけ教室に相談することもできます。家族を守るため日頃からぜひやってみて下さい。
以上、ギュッと防災でした。