【広島あの日のきょう】「家付きいかだ」に強制撤去命令(1997年)山口県に移動するも、意外な結末に…

9/26(金) 11:02

「あの日のきょうにずきゅん」テレビ新広島、放送50年の歴史の中から、あの日のニュースを振り返ります。

今から28年前の1997年9月25日、宮島沖に浮かぶ「家付きいかだ」の所有者に対し広島県は、強制撤去することを通知しました。

この家付きいかだは「大好きな海の上で暮らしたい」という男性が廿日市市の沖合に作ったものでしたが、広島県が「海の不法占有に当たる」と判断し、立ち退きを求めていたものです。

この日は、県の担当者がこの男性に対して強制撤去することを通知しました。

その後、県は行政代執行法に基づいていかだを強制撤去しようとしましたが、この男性は、「全財産をかけた住まいを奪われるのは納得できない」と、灯油をかぶるなどして激しく抵抗。

強制撤去を逃れるため、条例のない山口県周防大島にいかだを移動させました。

しかし、山口県でもいかだの撤去を求める声が上がり、いかだを、他の場所へ移すことを検討していたその矢先の出来事でした。

翌1998年2月、春の嵐に耐え切れずいかだは全壊。思わぬ形で、一連の騒動に終止符が打たれました。

(メモ)
この男性は、この騒動の後、家付きいかだがあった海岸の土地を買い取り、貸コテージを建設し、運営をはじめました。

2015年、この男性はTSSのインタビューに対し、「日本は規制社会で自由がない。本当は宮島沖で暮らしたかったが、規制が厳しくてできなかった。海の上暮らす夢は果たせなかったが、今は海のそばで暮らすことができ、ラッキーな人生だった」と話していました。

この貸別荘のHPによると、2020年、この男性は他界。その後は、男性の息子さんやお孫さんが貸別荘を運営しています。