「しまなみ海道帰りは船で…」サイクリストも大喜び 尾道~今治航路が期間限定で復活 一般客の取り込みも

9/11(木) 19:03

ツイセキです。
しまなみ海道の開通をきっかけに尾道市と愛媛県今治市を結んでいた航路がなくなってから26年。来月、期間限定で復活することになりました。

尾道市と今治市を結ぶしまなみ海道。
瀬戸内海の6つの島を橋でつなぐこの道は風光明媚な景色が楽しめるとあって国内外のサイクリストから聖地とも呼ばれています。

1999年に開通するまでこの島々をつないでいた船は尾道港~生口島瀬戸田港の定期航路を残してほかは、姿を消しました。

しかし、来月実証事業として期間限定での復活が決まりました。

【JR西日本広島支社・内藤真也 課長】
「意外としまなみ海道、走ってみるときつかったとか、行ったはいいけど帰る手段がないという声が多く聞かれたので。サイクリングがメインの目的ではない人、でもサイクリングを楽しみたい人を(ターゲットに)イメージしています」

しまなみ海道のサイクリングコースは全長およそ70キロ。
走りたい区間を走り、船でも移動できるようにすることで、熱心なサイクリストだけでなく、新たな層の取り込みを図ります。

【サイクリストにも対応する通訳案内士】
「最近ヨーロッパの人が多い。でもアメリカ、カナダ、オーストラリアの方もいます。一部だけは自転車で残りは車っていうパターンが多いかな(船ができると便利ですか?)便利だと思います」

航路は尾道港を出発し、四つの港を経由して今治港に到着するルート。
途中、尾道市瀬戸田町の生口島か今治市の大三島で今治市の運航事業者の船に乗り換えて今治港へ向かいます。

実証事業に使うのは自転車を折りたたまずに積めるよう設計された国内でもめずらしい船です。

【毛利祥子記者】
「こちらの船は自転車の車輪を乗せる溝がついていまして、自転車を折りたたまずに2階まで運ぶことができます」

尾道市の事業者が運航する船「サイクルシップ・ラズリ」には1階と2階にあわせて50台以上の自転車を積めるようになっています。

尾道港を出発しておよそ40分。
近年観光客が急増している尾道市瀬戸田町の生口島に到着しました。

商店街や宿泊施設、美術館などがあり、外国人観光客の姿も多く見られる島です。
チケットは2日間の乗り放題で、便も一日に2往復あるため、それぞれの島でサイクリングしながらゆっくりと街歩きや宿泊もできます。

瀬戸田港からさらに15分ほどで県境をまたいで今治市大三島の井口港に到着。

尾道港から今治港までは最短3時間で着きますが、この実証事業の大きな目的は経由する島で下船しサイクリングや観光を楽しみながら「滞在」してもらうことです。

事業を統括するJR西日本の担当者は…

【JR西日本広島支社・内藤真也 課長】
「地域のいろんな取り組みをつなげてあげるのも交通の役割だったり、交通事業者の役割だという風に思っています。観光の消費にしっかりつなげていきたいというのと、2日間有効なので、ぜひ2日間とも島々に滞在していただきたいという強い思いを持って今回チケットを作っております」

26年ぶりとなる航路復活に両市の市長も大きな期待を寄せます。

【尾道市・平谷祐宏 市長】
「生活航路を維持する。航路事業者も維持する。そして、しまなみ海道のサイクリングの魅力をパワーアップできるという全てに向かって前に向いていけたらなと」

【今治市・徳永繁樹 市長】
「さまざまな観光資源も顕在化しております。要は、点はできてまいりました。点から線へ線から面へどう回していくのか。大きな起爆剤となるきっかけをいただいたなという認識です」

JR西日本などは実証事業の結果を分析して、来年度以降の実施も目指すということです。