大正時代の芝居小屋「翁座」 火災時の避難時間を改修前に検証 国の登録有形文化財 広島・府中市

6/10(火) 17:26

府中市が改修を計画している芝居小屋「翁座」で、火災発生時の避難時間の検証が行われました。

府中市上下町にある翁座は、大正時代に建てられた木造の芝居小屋で、国の登録有形文化財に指定されています。
老朽化が進んでいることなどから、市は昔の姿を一部復元するような形で改修することにしています。
財政難のため計画は無期限で休止となっていますが、設計を今年度末までに終えることにしています。

10日は2階部分の客席の定員を決めるため、火災が発生したと想定して、2階から1階まで降りるのにどのくらいの時間がかかるのかを測りました。
専門家立ち会いのもと、地元の小学生や地域の高齢者などさまざまな年代の人が参加して老朽化で少し傾いた階段を慎重に降りていました。

【参加した小学3年生】
「階段が急になっていて少し怖かった。ゆっくり手すりを持って降りた」

【検証に立ち会い 日本大学工学部非常勤講師・森山修治さん】
「予想よりも早く皆さん逃げられている。煙が2階で危険なレベルになるまでに逃げられる人数は何人か逆算しようと思っている」

市は専門家と協議しながら検証結果を設計に生かす考えです。

《スタジオ》
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「いつの時代を残すのか、そして、どの部分を残すべきかを判断するのはとても大変だと思います。しかし、それを丁寧に一つ一つ検証しながらやっていくことはすごくいいこと。そして、その価値は芝居小屋としてずっと使い続ける事にあるから、使いやすということを優先的に考えていくといいと思います」