「明日から学校に来させないで」学校の「配慮欠く対応で退学」は違法と判断 広島市に損害賠償命じる

5/27(火) 17:10

広島市立工業高校の元生徒が、在学中に受けた生徒指導は違法だとして広島市に損害賠償を求めていた裁判で、広島地裁は、市側に20万円の支払いを命じました。

訴状によりますと、原告側で広島市立工業高校の元男子生徒(19)の母親は、元男子生徒が通学していた2022年9月、校長などから「授業態度が悪すぎて指導できない」「明日から学校に来させないでください」などと告げられました。

その際、学校に復帰する余地が示されることはなく、期限も設けられていなかったことなどから、元男子生徒は、学校の指導が「違法な退学処分、または停学処分にあたる」として、広島市に対し約230万円の損害賠償を求めていました。

きょうの裁判で、広島地裁は、学校側の当時の対応について「家庭反省指導の適正な手順や対応を欠くとともに、必要な配慮を著しく欠く違法行為である」などと指摘。広島市に対し20万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

今回の判決について、原告の元高校生は「もう、通っていた高校にいけないと聞いたときは、本当にショックでした。そこから、私の生活は大きく変わってしまいました。私の高校生活を取り返すことはできませんが、これを機に、学校による不適切な対応が少なくなればいいと願っています。」とコメントしています。

なお、元生徒側が求めていた「転学に要した費用」は損害として認められませんでした。

一方、広島市側は「一部主張が認められなかったのは残念です。内容を精査して今後については検討します」とコメントしています。