広島の転出超過問題 “Uターン”促進するには? 広島大学の学生が議論
2/25(火) 11:00
総務省が1月末に発表した2024年の人口移動報告で、広島県は「転出超過数」が1万711人と、4年連続で全国最多となりました。こうした現状に対し、広島県から転出した人たちに“Uターン”してもらうにはどうすればよいか、県を離れた人々とつながりを維持するためにはどうすればいいかなどを課題に、2月17日、テレビ新広島で広島大学の学生たちが議論しました。
転出した人たちに広島県に“Uターン”してもらうには…
この取り組みに参加したのは広島大学の総合科学部国際共創学科に在籍する17人で、同学科が毎年行っている社会連携セミナーのイベントとして開催されました。
参加者たちはまず、広島県が抱える4年連続県外転出超過ワーストの原因や課題について学び、広島県から転出した人たちに“Uターン”してもらうにはどうすればよいかをグループで議論しました。
学生からは、LCC便を増やす、子育て層へのサポートを充実させるなど、様々な解決策が提案されました。
参加者たちはまず、広島県が抱える4年連続県外転出超過ワーストの原因や課題について学び、広島県から転出した人たちに“Uターン”してもらうにはどうすればよいかをグループで議論しました。
学生からは、LCC便を増やす、子育て層へのサポートを充実させるなど、様々な解決策が提案されました。
広島県にゆかりのある人のコミュニティを形成するには?
続いてハワイやブラジルといった海外、北海道など全国各地の開拓に多くの移民を送り出した広島県民の拡散史や、県外における“広島東洋カープ”の盛り上がりについて学んだ学生たち。
それを踏まえ、「広島とつながり続けるネットワークがあれば広島に戻ってきてくれるのではないか」という仮説のもと、ネットワークの構築とその活性化の方法について、それぞれの生い立ちや視点を生かしながらアイデアを出し、英語でプレゼンテーションを行いました。
それを踏まえ、「広島とつながり続けるネットワークがあれば広島に戻ってきてくれるのではないか」という仮説のもと、ネットワークの構築とその活性化の方法について、それぞれの生い立ちや視点を生かしながらアイデアを出し、英語でプレゼンテーションを行いました。
学生からは、高校生などの早い段階で、広島企業と連携して高校生向けインターンシップを常態化させるなど、長期的なキャリア形成によって広島と繋がりを作る方法や、グローバル企業と広島の企業を連携させ、企業同士の出向制度を設けることで繋がりを作ることでグローバル企業の誘致につなげる方法など、“キャリア”を軸としたアイデアが多く出ました。
他にも、広島の“食”に着目し、広島の食材に特化したオンラインスーパーをもとに繋がりを作る方法や、広島の関係人口向けに、“メンバーシップカード”を発行し、帰省や移住などにかかる交通費の支援を行う施策など、斬新なアイデアも次々と生まれました。
プレゼンテーションでは各発表で質問が飛び交い、活発な議論が行われ、発表した学生も聞き手となった学生も新たな発見や、学びがあったとのことです。
主催した広島大学大学院統合生命科学研究科の岩本洋子先生は、「大学の教室を離れ、地域の課題に取り組むことで、学生たちにとって学んだ知識を社会でどう生かすかを考える良い機会になったと思います。今回のセミナーをきっかけに、将来の居住地や勤務地として『広島』が彼らの選択肢の一つになってくれれば嬉しいです」と、セミナーの効果に期待を寄せました。