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2019年08月14日(水)
【よくある相談シリーズ】うちの子、約束を守ってくれません…。
●約束を守れないと、将来、困るのでは?

◆「6時までに帰ってくると約束したのに帰って来ない」「ゲームは宿題が終わってからと約束したのに」「9時までに寝る約束なのにまだテレビを見ている」…。◆子どもが約束を破ったり、できなかった言い訳ばかりしていると、親としては、どうしてできないんだろうとイライラしたり、この子は将来どんな大人になるのだろうと不安になったりしますよね。◆約束を守ることは、人から信頼されるために大切なことだからです。◆しかし、子どもの言動をよく見ていると、いつも約束を破っているわけではありません。たとえば、「友だちと明日遊ぶ」「一緒に児童館に行く」などの約束は、しっかり守っているのではないでしょうか。



●約束って何だろう?

◆辞書で「約束」を調べてみると、主に2つの意味があることが分かります。「①当事者の間で取り決めること ②ある社会や組織で、守るように決めた決まり」(大辞泉、小学館)◆同じ「約束」でも、その約束がどのように結ばれたのかには、違いがあるということですね。◆友だちとの「明日、遊ぼうね」という約束は、友だちと2人で話し合って決めたことですから、約束を守らなければという意識や、約束通り遊びたいという意欲が高いと言えます。◆一方、「ゲームは1日1時間と約束したのに守れない」という時、子どもはその約束をどのようにとらえているのでしょうか。親は「①当事者間で決めたこと」と思っていても、子どもの方ではもしかすると、「②親が守るように決めた決まり」と感じているのかもしれません。


●なぜ約束を守れないの?

◆もちろん、「親が(勝手に)決めた決まり」は破ってもいい、ということではありません。しかしながら、「うちの子、守ってくれない」と感じる約束は、子どもにとっては守ることが難しい約束、たとえば、何かを我慢しなければならないような「決まり」や「ルール」ばかりになっていないでしょうか。◆私たちは、さまざまな欲求や自己主張を持つと同時に、それらを適度に抑制して生活しています。周囲の人に合わせて自己の主張を調整したり、状況を考えて行動を自己制御したりしているのです。幼児は、こうした自己制御を集団での遊びの中で少しずつ獲得していきます。物の取り合いやブランコの順番をめぐって「いざこざ」を経験し、自分の欲求を通すばかりではなく、相手の気持ちに気づくことや我慢することを徐々に身につけていきます。◆また、子どもは目には見えない「時間」を考えることが苦手です。1時間後のことを予測して、ましてや将来に備えて行動するということは、子どもにとってはとても難しいことなのです。今、この瞬間を生きている子どもたちは、遊びに夢中になると、約束のことを簡単に忘れてしまいます。◆この約束は、子どもと話し合って納得して決めたのに、あるいは、子どもが自分から言い出したことなのに、なんで守れないの?という場合もあるでしょう。たしかに、自分で決めたことくらい守ってほしいですよね。とはいえ、私自身も、「このケーキを食べて、明日からダイエットしよう」と何度、空しく決意したことでしょうか。家族は何も言いませんが、「お母さんの『口先ダイエット』がまた始まった」と、内心笑われていると思います。

 



●「約束」を守る力

◆ルールを守ったり、善悪について判断したりする力は、生まれつき備わっているものではなく、家庭や社会環境の中で様々な影響を受けながら徐々に形づくられていきます。◆アメリカの心理学者コールバーグは、道徳性の発達を調べる実験として、子どもたちに次のような話を聞かせ、ハインツはどうすべきだったか、そしてなぜそう思うかを尋ねました。◆「ある女性が重い病で死にかけていた。その特効薬が開発されたが、薬屋では製造コストの10倍の値段がつけられている。夫のハインツはあらゆるところからお金を借りるが、半分のお金しか集まらなかった。薬屋は値引きや後払いの交渉にも応じてくれない。そこでハインツは妻のために、薬屋に薬を盗みに入った」。◆コールバーグは、実験の結果を、盗みに入ったことが良いか悪いかではなく、その理由づけによって整理し、子どもの道徳性の発達段階を下表のように分類しました。子どもの道徳性は子どもの認知能力の発達に伴い、他律から自律へ、主観的、一面的な見方から、客観的、多面的な見方へと発達すると考えたのです。

 


◆幼児期から児童期前半では、子どもはⅠの水準にあり、自分自身の中に良いことと悪いことの確たる判断基準がありません。そのため、親や先生などから叱られるのが嫌だからやめよう、あるいは、自分にとっての損得や欲求を最優先に考えて、何が正しい行動かを決めます。◆子どもは成長につれて、Ⅱの水準に移行し、自分の行動が周囲からどう受け止められているかを考えるようになります。人を喜ばせたり、助けたりして、家族や集団内から褒められることがよいことだと考えます。小学校に入ると、大人とのタテの関係だけでなく、仲間とのヨコの関係が強くなります。対等な関係である仲間とぶつかったり、理解し合ったりすることによって、集団内の秩序やルールを守ることの大切さを理解するようになります。◆Ⅲの水準では、「人命の尊重は何よりも優先される」というように、自分自身の良心や倫理に照らし合わせ、考えるようになると言われています。◆小学校も中学年になれば、「親に怒られるから、親に言われたから」だけでは、子どもは行動しなくなります。友達と「悪い」約束をすることもあるでしょう。約束を守ることの是非や意味を子ども自身が十分考え、理解するよう働きかけることが必要です。

 



◆以上、現在、私が心掛けていることをいくつか紹介してみました。私も子育てについて、偉そうなことを言える立場ではありません。中学生の頃は厳しく言い過ぎて、子どもはすっかり「聞き流しの達人」になってしまいました。◆幾つになっても子どものことは心配で、口を出したくなりますが、一人の人格として尊重し、愛情をもって見守れるようになりたいと思っています。

 

中村勝美

広島女学院大学
人間生活学部児童教育学科 教授

専門分野は、保育学、教育学・教育史
今から100年以上前のイギリスの子どもや乳幼児保護の歴史について調べています。イギリスは世界で最も早く工業化や都市化が進み、都市の生活環境の悪化や貧困、母親の就業による子育ての問題が生じました。現代の日本では、なぜ「子育ては大変」と感じる人が増えているのか、子育てが楽しい社会には何が必要なのか、「バァバの子育て支援広場」や「よるのとしょかん―ぬいぐるみたちの大冒険」等の活動を通して学生とともに考えています。

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