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2020年01月07日(火)
【素朴な疑問シリーズ】Q.ノロウイルスとロタウイルスの違いは?

●どちらも非常に感染力の強い
 「感染性胃腸炎」の原因ウイルスです。


◆「ノロウイルス」と「ロタウイルス」は、どちらも嘔吐や下痢・腹痛を主症状とした、「感染性胃腸炎」の原因ウイルスです。

◆どちらも感染力が非常に強く、わずか数個から数十個のウイルスで感染してしまうと言われています。

◆感染者の下痢便1グラムの中には、100万個から1兆個のウイルスが含まれています。

◆つまり感染者の便などに直接触れなくても、咳・嘔吐物のしぶき、ドアノブや手すりなどに付着したウイルスなどで容易に感染をおこしてしまいます。

◆そのため、学校や保育園などで1人感染者が出ると、急速に感染が広がり、毎年大流行をおこしてしまいます。

 

●ノロは冬(11月~2月)、ロタは春先(3月~5月)に流行。

◆「ノロウイルス」と「ロタウイルス」は、どちらも「感染性胃腸炎」の原因ウイルスですが、流行時期に違いがあります。

◆一般的に「ノロウイルス」は冬(11月~2月)に流行する傾向があり、「ロタウイルス」は春先(3月~5月)に流行する傾向にあります。

◆「ノロウイルス」が落ち着いたと思ったら次は「ロタウイルス」の流行シーズンに移行しますので、冬の初めから初夏までは「感染性胃腸炎」に注意する必要があります。

◆「ノロウイルス」も「ロタウイルス」もすべての年齢で感染しますが、「ロタウイルス」は徐々に免疫を獲得して5歳以降は軽症ですむ場合が多いといわれています。

 

●ノロは突然の吐き気と微熱、
 ロタは突然の下痢と高熱が特徴。


◆症状の現れ方も異なります。「ノロウイルス」は、まず吐き気や嘔吐、微熱が見られ、その後1~2日経ってから下痢の症状が出始めることが多いです。「ロタウイルス」は、突然の下痢と嘔吐、発熱で発症します。

◆「ノロウイルス」は1~3日程度で改善していきますが、「ロタウイルス」は3~8日間と症状が長くみられ、39度以上の高熱を伴う場合もあります。

 

●最も効果的な予防方法は「手洗い」です。

◆「ノロウイルス」も「ロタウイルス」も、「手洗い」をきちんとして手に付着したウイルスを減らすことが最も効果的な予防方法となります。

◆「手洗い」は、指輪や時計をはずし、石けんで30秒以上もみ洗いします。

◆どちらのウイルスも人の手を介して感染することが多いため、きちんとした「手洗い」をみんながすることで、自身が感染者にならないようにすること、そして二次感染者を出さないようにすることが大切です。また、感染後数週間は便にウイルスが排出されますので、症状が治まった後も感染の拡大に注意する必要があります。

 

 

●ノロはワクチンなし、ロタはワクチンあり。

◆「ノロウイルス」には、予防できるワクチンはありません。「ノロウイルス」は、カキなど食品からの感染も多いので、十分に火を通して食べることが予防には重要です。ウイルスの活性を失わせるには、中心部が85~90℃で90秒以上の加熱が必要とされています。

◆一方、「ロタウイルス」には、ワクチン(任意接種)があります。感染を完全に予防することはできませんが、乳幼児において入院を要するよう「ロタウイルス胃腸炎」の重症化を大きく減少させる効果が証明されています。

◆日本では現在、2種類(単価・5価)のロタウイルスワクチンが認可されています。

◆具体的な接種時期は、単価ロタウイルスワクチン(2回接種)の場合は生後6~24週の間、5価ロタウイルスワクチン(3回接種)の場合は生後6~32週の間です。どちらのワクチンも乳児を対象としており、生後2か月の時にヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンなどと同時接種で受ける人が多いです。

 

●治療法は?

◆「ヘルペスウイルス」や「インフルエンザウイルス」とは異なり、胃腸炎の原因となる「ノロウイルス」や「ロタウイルス」には、有効な抗ウイルス薬は存在しません。

◆そのため、治療は嘔吐や下痢で失われた水分や電解質を補い、脱水症を予防することが基本となります。

◆しかし、重要なことは、吐いてもすぐには飲ませない、ということです。

◆吐いた直後は消化管が過敏になっているため、嘔吐後すぐに水分を与えてしまうとまたすぐに吐いてしまいます。

◆のどが渇くためガブ飲みしたくなりますが、最低でも15分から30分程度は落ち着かせて、その後に一度に一口ずつゆっくり飲ませていくことが大事です。5分当たり1㎖/㎏(体重)程度のスピードが目安となります。

◆重度の脱水症の場合は、点滴が必要になることもありますが、多くはゆっくり水分をとっていくことで重度の脱水症を予防することが可能です。

◆他の治療として、吐き気や嘔吐に対する制吐剤や腸内の善玉菌を増加させる整腸剤を用いた対症療法を行うことがあります。

◆下痢に対する下痢止め薬は、病気の回復を遅らせる場合があるため、積極的には使いません。また、抗生物質もこれらのウイルスに対しては全く効果がないだけでなく、腸内の善玉菌を死滅させてしまう可能性もあるため、使用しないことが望ましいです。

 

●嘔吐物の処理方法は?

◆二次感染を予防するためには、感染者からの排せつ物をきちんと処理することが重要です。

◆嘔吐物や便を処理する際は、使い捨てのマスクとゴム手袋、エプロンを着用すると、予防効果が高まります。

◆残念ながら、「ロタウイルス」や「ノロウイルス」に対しては、アルコール消毒は有効ではありません。

◆床の吐物を処理する場合は、ペーパータオルなどを使って静かに拭き取り、次亜塩素酸ナトリウム(台所用塩素系漂白剤)で拭いた後、最後に水拭きします。

◆オムツを交換する時には、使い捨てのゴム手袋などを使い、捨てる場合はポリ袋などに入れます。

◆この時、ゴミ袋の中に次亜塩素酸ナトリウムを破棄したい物が浸かる程度まで入れると、感染拡大の予防効果が高まります。

◆衣類が便や吐物で汚れた時は、次亜塩素酸ナトリウムでつけおき消毒した後、他の衣類と分けて洗濯しましょう。

◆感染者が触れたドアノブや便座、洗面所などは、次亜塩素酸ナトリウムを浸した布で拭き取りましょう。

◆食器は同様に消毒するか、加熱することで予防することができます。


【参考文献】
『ノロウイルスに関するQ&A』厚生労働省 
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/
syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html



『ロタウイルスに関するQ&A』厚生労働省 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/dl/q_a.pdf

木村俊介(きむら・しゅんすけ)先生

JA尾道総合病院
小児科副部長

◆日本小児科学会 
 小児科専門医

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