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2018年04月03日(火)
子どもの便秘を治したい
お腹の調子を整えて能力開発! 便秘を治すと身体能力や脳の発育にも好影響
 春休みが終わると新学年です。クラス替えに新しい友達、新しい教科書。何かが起こりそうな楽しい予感に溢れる春の季節到来です。しかし、春は環境変化が多い季節でもあります。自分でも気付かないうちに体がストレス信号を発していることがあるかも知れません。
 今回は生活習慣やストレスとも関係が深い『子どもの便秘』について、「女医によるファミリークリニック」の竹中美恵子先生にお話を伺いました。
◆どんなとき、便秘と判断するのでしょうか
 人によって便秘の定義は異なります。普段の便通の頻度と比べて長く排便できていない状態が続けば便秘です。ガスばかり出る、便通はあっても便が硬くなり肛門から血が出る、これらも便秘と言えるでしょう。
「普段の頻度と比べて3倍くらい出ていないとき、例えば普段が2日に1回くらいの便通の子なら1週間出なければ便秘と考えてよいでしょう」(竹中先生)
◆便秘の原因はなんですか
 便秘は、器質性便秘症(外科的・内科的基礎疾患によるもの)と機能性便秘症に分けられます。例えば器質性の便秘としては次のようなものが挙げられますが、それぞれ便秘の原因となる基礎疾患の治療が必要です。
腸の中にできものがあり内容物が通過できなかったり、重症の便秘から硬くなった便が腸に詰まったり(糞石)して腸閉塞を起こすことも稀にあります。ただ、腸閉塞になるとガスも出ず、強いお腹の張りと激しい痛みを感じます。このような症状が見られたときはすぐに病院を受診しましょう。
◆便秘の治療薬にはどんな種類がありますか
 薬は便秘の期間や症状に応じて使い分けます。
「当クリニックの場合、投薬はまず『水分量を調節し便を柔らかくする薬』から始め、それでも効果が弱ければ『腸の蠕動運動をよくする薬』を使います。改善しなければこれらの薬を併用して様子を見ますが、さらに重症の便秘の場合には『下剤』や『浣腸』を使用します」(竹中先生)

 薬を使う場合、常習性や副作用のことが気になりますが、子どもに処方される便秘薬ではそのような心配はほとんどありません。まずは薬の力を借りて便秘の不快症状を改善し、同時に生活環境を見直ししましょう。
 便秘の大半は機能性(習慣性)の便秘であり、これらは食事内容や生活習慣、ストレスが原因です。薬で便の状態を変えることはできますが、環境やストレスが変わらなければ便秘症状は再発してしまいます。
◆どうしたら機能性の便秘を治せるのでしょうか
(1)環境要因を見直す
 クリニックを受診する子どもの便秘では環境要因やストレスによるものが多いようです。
小学生くらいの年齢の子どもでは脳の発達とともに環境の変化をストレスとして感じるようになります。
学校に行くことや行事がストレスとなり便秘を発症することが多いのもこの年頃の特徴です。
【改善方法】
 腹痛の原因の多くはストレスです。子どもが寝る前、お話しする時間を少し長めに取ってあげてください。
親がゆったりした気持ちで子どものストレスの受け皿になることでストレスが緩和することもあります。
(2)偏食を改善する
 乳幼児期には親から与えられるものを食事として口にしますが、成長とともに食べ物の好みがはっきりしてきます。偏った食生活、嗜好によって便秘は起こります。
【改善方法】
 おからクッキーのような食物繊維を多く含むものをおやつに取り入れれば、不足しがちな繊維質を手軽に摂取することができます。
 同時に水分を十分に摂りましょう。小学生の子どもなら一日約1リットルの水分が必要です。食べ物以外から摂取する水分は一日600ミリリットルを目安に、水、お茶、牛乳など糖分を含まない飲み物をしっかり摂りましょう。子どもの体は水分が多いので、水分不足も便秘を招きます。
(3)生活習慣を改善する
 朝ギリギリまで寝ていて朝食を取らなかったり、食べてもすぐに学校に行ったりすると排便のタイミングを逃します。また、学校で便意を催してもトイレに行くのが恥ずかしいからと我慢してしまうことで、便秘になる子もいます。
【改善方法】
 睡眠時間が短いと腸が休む時間が短くなり、腸の活動は低下します。その結果、腸のコンディションが悪化して便秘を引き起こしたり、水分や栄養の吸収がうまくいかなくなったりするため、規則正しい生活習慣が重要です。
 朝起きてからご飯を食べて腸が動きだし、そこから頭が回転するようになるまで、食後3時間かかるといわれています。そのことからも、しっかりと頭を働かせるために朝食は不可欠なのですね。
(4)過敏性腸症候群による便秘の場合
 新学期、受験やテストの前、運動会の前などにお腹の調子を崩す子で便秘と下痢を繰り返す場合は過敏性腸症候群のことがあります。精神的なストレスがかかって登校拒否になっている子どもにもよく見られる症状です。
【改善方法】
 過敏性腸症候群の便秘の場合に下剤の使用は逆効果。むしろ症状を悪化させてしまいます。
過敏性腸症候群の治療では便秘の時に便の水分量を増やし、下痢の時には水分を吸収して症状を改善する薬があります。
便秘の原因によって使う薬が違いますので、自己判断せず病院を受診することをお勧めします。
◆便秘と子どもの成長は関係がありますか
腸内環境が悪化すると成長にも悪影響を及ぼします。
 腸内環境を整え、腸内の善玉菌(乳酸菌)を増やすと腸壁もきれいになります。
きれいな腸壁は体の発育に必要な栄養素や脳の活動に必要なビタミンをしっかり吸収できます。
つまり、便秘の改善は身体能力や脳の発達にも深い関係があるのです。

「脳の発達にはビタミンB、ナイアシン、DHAなどの栄養素を摂取すると良いと言われますが、これらを吸収するために腸のコンディションを整えておくことが前提です。子どもの能力開発のためにも腸内環境の改善は重要なんですよ」(竹中先生)

 便秘を改善できたら、乳酸菌(ヨーグルトなど)や繊維質(果物や野菜、海藻類など)を積極的に摂取して良い腸のコンディションを維持したいものです。
そして、普段より長く便通がなくて苦しい状態が続く時は病院で診てもらい、早めに正常な腸に戻すようにしましょう。

竹中 美恵子 (たけなか みえこ)

女医によるファミリークリニック院長

難病指定医・キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医

(所属学会)
日本小児科学会
日本周産期新生児医学会
日本小児神経学会
日本リウマチ学会
抗加齢医学会
高濃度ビタミンC点滴療法学会 日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児科医会
広島県小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク
点滴療法研究会

女医によるファミリークリニック
広島県広島市南区松原町5-1 ビッグフロントひろしま4F
TEL 082-262-5252

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