子育てアドバイス

【よくある相談シリーズ】毎日の朝ごはんに悩みます。どう乗り切れば?

小学生の子どもを持つ親にとって、朝の時間は慌ただしいものです。つい「パンだけで済ませてしまう」「時間がないからジュースだけ」となる日もあるでしょう。しかし、朝ごはんは子どもの一日の活動を支える大切なエネルギーであり、体と心を整えるために重要です。今回は朝食を無理なく取り入れる工夫を、管理栄養士の大須賀恭子先生に聞きました。

朝ごはんは“体と心のスイッチ”

一晩寝て起きた子どもの体は、前の晩からおよそ12時間、栄養を補給していません。この状態で学校に行っても、脳や体の働きは十分とは言えず、集中力ややる気が低下してしまいます。ちょっとした運動や学習にも力が入りにくく、体調を崩しやすくなることもあります。

朝ごはんは、そんな体と心のスイッチを入れるために大切です。食事をとることで血糖値が安定し、脳に必要なエネルギーが届きます。その日の活動や学習に必要な力が補われるだけでなく、体内時計もリセットされ、生活リズムが整いやすくなります。特に成長期の子どもは、体や脳の発達に必要な栄養を朝にしっかり補給することが、健やかな成長につながります。

さらに、朝ごはんをきちんととる習慣は、生活リズムや食習慣の基盤にもなります。子どもが自分で食べる意識を持つようになると、将来的に自分の体調管理や健康維持にも役立つのです。忙しい朝でも、ほんの少しの工夫で子どもがしっかり栄養をとれるようにすることが、親にとっても安心につながります。

栄養のバランスを意識しておかずのある朝食に

朝食で意識したいのは、ごはん・パンとおかずの組み合わせです。栄養素でいうなら炭水化物とたんぱく質とビタミン・ミネラル。パンなら卵やヨーグルト、ごはんなら納豆や魚、ウィンナーなどを組み合わせることで、子どもは一日を元気に過ごせます。炭水化物だけではエネルギーは足りませんし、たんぱく質があることで脳や体の活動を支える基盤がつくれます。

ビタミンやミネラルも必要です。これらもぜひ取り入れましょう。例えば豚肉や雑穀米、発酵食品などです。野菜はサラダにこだわらなくても、スープや味噌汁に入れれば十分。前日の野菜炒めや煮込み料理をそのまま出すだけでも栄養は補えます。毎日同じメニューでも構いません。2~3パターンをローテーションしながら、家庭に合った量や具材で調整すればよいのです。

味噌汁と手軽な一品で十分

味噌汁は朝におすすめの一品です。豆腐やわかめ、小松菜、じゃこなどを入れるだけで、たんぱく質やビタミン、食物繊維をまとめて摂ることができます。わざわざ鍋で作らなくても、お椀に具材と味噌を入れて熱湯を注ぐだけで十分です。具材は火の通りやすいものを選ぶか、あらかじめ野菜をレンジで加熱しておくと便利です。味噌も、粒を濾してなめらかにした濾し味噌を使えば、椀の中ですぐに溶け、手間をかけずに完成します。

「ふ」や乾燥わかめなどの具材も栄養価が高く、満足感を得やすいです。朝ごはん用に、前日の料理時間に、朝ごはん用の具材を少しだけ切っておけば手間も省けます。それらを加えるだけで、バランスの良い一杯に仕上がります。

忙しくて細々用意する時間がなければ、ごはんと味噌汁だけでも十分です。さらに加える余裕があるなら、焼き魚や卵焼き、味付けのりやふりかけを組み合わせましょう。納豆が好きな子であれば、それも立派な選択肢です。

朝ごはんは見栄えよりも栄養バランスが大切です。写真映えを意識する必要はありません。季節の果物を添えてもよいですし、前日の残り物を活用することで、準備の負担を減らすことができます。手軽で効率的な方法を知っておくと、朝食づくりのストレスも軽くなります。

肩の力を抜いて続ける朝ごはん習慣

朝ごはんは、子どもの体を動かす燃料であるだけでなく、心や学習の力を支える役割も持っています。生活習慣を育てる場でもあり、家庭で取り組むことが将来の習慣や次の世代につながります。

何度も言いますが、毎朝凝った料理を用意する必要はありません。無理なく朝食の習慣をつくることが、子どもの健やかな成長と一日の活力につながります。完璧を目指さず、無理をせず、罪悪感を持たないこと。肩の力を抜いて、朝ごはんのある生活を続けていきましょう。

大須賀恭子 広島国際大学 健康科学部 医療栄養学科 非常勤講師
広島県呉市内の小学校 7 校に41年間、栄養教諭として勤務。教育現場で子どもたちの食育と学校給食に携わる。2010年から2016年まで、広島県学校栄養士協議会会長、(公社)全国学校栄養士協議会理事を兼務。2020年より大学にて栄養教諭の養成にあたっている。
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