「日本は移植医療、後進国」 移植医療への家族の願いと『グリーンリボン』認知活動、激動の10年間 広島
10/27(火) 18:31
今月は『臓器移植普及推進月間』です。
みなさんはグリーンリボンをご存じでしょうか?
そこに込められた思いと、当事者家族の願いを取材しました。
みなさんはグリーンリボンをご存じでしょうか?
そこに込められた思いと、当事者家族の願いを取材しました。
今月始めの広島本通り商店街。
【石井 記者】
「広島市中心部に集まったこちらの皆さん。身に着けているのはすべてグリーンです。移植医療普及のマークです」
移植医療についてもっと知ってほしいと、医師や患者、その家族など関係者が呼びかけました。
【石井 記者】
「広島市中心部に集まったこちらの皆さん。身に着けているのはすべてグリーンです。移植医療普及のマークです」
移植医療についてもっと知ってほしいと、医師や患者、その家族など関係者が呼びかけました。
参加者の1人、森原ゆう子さん。彼女も11年前までは移植医療についてよく知りませんでした。
ゆう子さんの息子、大紀さん。レスリングの国体選手にも選ばれた屈強な体の持ち主でした。
ゆう子さんの息子、大紀さん。レスリングの国体選手にも選ばれた屈強な体の持ち主でした。
2015年、教師をしていた26歳の大紀さんは、原因不明の息切れが続き、体調を崩しました。救急車で運ばれた病院で告げられたのは『特発性拡張型心筋症』。約1万人に1人が発症する難病でした。
突然発症することも多く、ほとんどの原因は分かっていません。心臓移植しか、生きる道はないと言われました。
【森原 大紀さん】
「何言っているんだろうこの人 みたいな。何をいってるんだろう みたいな」
突然発症することも多く、ほとんどの原因は分かっていません。心臓移植しか、生きる道はないと言われました。
【森原 大紀さん】
「何言っているんだろうこの人 みたいな。何をいってるんだろう みたいな」
心臓の提供者が現れるまで、バドと呼ばれる補助人工心臓を体に埋め込み、機械で動かす生活が始まりました。体の外にあるバッテリーに接続し24時間、心臓の動きを機械が助けます。
心臓移植を受けた人の平均的な待機期間は3年9か月。故障は死につながります。
24時間介助が必要な生活が始まり、ゆう子さんは仕事を辞め、大紀さんの生活を支えました。
講演を聞きに行くなど、移植医療についての勉強を始めた大紀さんとゆう子さんは、その厳しい現状を知ります。
心臓移植を受けた人の平均的な待機期間は3年9か月。故障は死につながります。
24時間介助が必要な生活が始まり、ゆう子さんは仕事を辞め、大紀さんの生活を支えました。
講演を聞きに行くなど、移植医療についての勉強を始めた大紀さんとゆう子さんは、その厳しい現状を知ります。
臓器移植とは、病気や事故で臓器の機能が低下し、移植でしか治らない人に、ほかの人の臓器を移植し、健康を回復する医療で、健康な人からの生体移植と、心停止や脳死で亡くなった人からの臓器提供があります。
心臓が停止した場合は、眼球、腎臓、膵臓の3つが、脳死の場合はさらに肺や心臓、小腸、肝臓を加えた7つが移植可能となり、一人の体から最大で11人を救うことができます。
心臓が停止した場合は、眼球、腎臓、膵臓の3つが、脳死の場合はさらに肺や心臓、小腸、肝臓を加えた7つが移植可能となり、一人の体から最大で11人を救うことができます。
日本で移植を待っている人は、現在約1万7000人。移植を受けた人は約550人。移植を受けた人より、移植を待ちながら亡くなる人のほうが多いのが現状です。
海外と比較すると、スペインやアメリカでは日本の約50倍の提供が進んでいて、日本は移植医療、後進国といわれてきました。
海外と比較すると、スペインやアメリカでは日本の約50倍の提供が進んでいて、日本は移植医療、後進国といわれてきました。
臓器提供をするには、意思表示カードや運転免許証、マイナンバーカードなどがあり、「提供しない」意思を示すこともできます。
日本では、4割を超える人が提供してもいいと答えるなど、関心は以前より高まっていますが、実際に意思表示をしている人は2割以下にとどまっています。
日本では、4割を超える人が提供してもいいと答えるなど、関心は以前より高まっていますが、実際に意思表示をしている人は2割以下にとどまっています。
【森原 大紀さん】
「知らなかったから、僕は。知らない人がいるからこそ、機会づくりをどんどんしていかないといけない」
大紀さんは、病気の体を押して知ってもらう活動を開始。グリーンリボン推進協会 広島支部を立ち上げ、草の根で移植医療について伝えます。
母・ゆう子さんも、妻・リンジーさんと共に大紀さんを支えました。
臓器提供者を待ちながら、ゆう子さんには複雑な思いもありました。
【森原 ゆう子さん】
「命をつないでくださる方がいるわけだし、その人にも家族がきっとたくさん、まわりにもいらっしゃって、うちが喜んでばかりじゃない。そこにはきっと、そこには一緒に悲しみもあるんでしょうし」
命をつなぐ『臓器提供』。それは、誰かの死とその家族の決断があって、なりたつ医療です。
「知らなかったから、僕は。知らない人がいるからこそ、機会づくりをどんどんしていかないといけない」
大紀さんは、病気の体を押して知ってもらう活動を開始。グリーンリボン推進協会 広島支部を立ち上げ、草の根で移植医療について伝えます。
母・ゆう子さんも、妻・リンジーさんと共に大紀さんを支えました。
臓器提供者を待ちながら、ゆう子さんには複雑な思いもありました。
【森原 ゆう子さん】
「命をつないでくださる方がいるわけだし、その人にも家族がきっとたくさん、まわりにもいらっしゃって、うちが喜んでばかりじゃない。そこにはきっと、そこには一緒に悲しみもあるんでしょうし」
命をつなぐ『臓器提供』。それは、誰かの死とその家族の決断があって、なりたつ医療です。
病気が分かって4年以上、その日は突然訪れました。
大紀さんにドナーが現れたのです。
移植手術は無事成功し、大紀さんのそばから心臓をサポートするバッグはなくなりました。
大紀さんにドナーが現れたのです。
移植手術は無事成功し、大紀さんのそばから心臓をサポートするバッグはなくなりました。
【森原 大紀さん】
「体を動かしたり、走ったりできるようになったんで、うれしいですね。それが移植医療のすごいところ」
【森原 ゆう子さん】
「移植医療は、たどり着いたら素晴らしい医療。でも、たどり着くまでが本当に大変、どうなるかがわからない。後に続く人たちがたくさんいますからね」
日本では、移植を待ちながら亡くなる人は現在、1週間におよそ9人…。
「体を動かしたり、走ったりできるようになったんで、うれしいですね。それが移植医療のすごいところ」
【森原 ゆう子さん】
「移植医療は、たどり着いたら素晴らしい医療。でも、たどり着くまでが本当に大変、どうなるかがわからない。後に続く人たちがたくさんいますからね」
日本では、移植を待ちながら亡くなる人は現在、1週間におよそ9人…。
ゆう子さんは、その後も大紀さんと活動を続け、仲間を増やしてきました。
【森原 ゆう子さん】
「自分の家族が助かったから、よかったよかったではなくて、後にもたくさんの人がいる中で、どうやってみんなで助けられる命を助けたいという思いが、こうやって人の輪を広げていくんだろうなと思っています」
活動に参加する一人。原田泰輔さん。もとは、教師をしていた大紀さんの教え子でした。
【大紀さんの教え子 原田 泰輔さん】
「1番は僕も衝撃的だった。ずっとカバンを持ってらして、ずっとぼく、カバンが好きな先生だとしか思っていなかった。まさか、そのここに補助人工心臓がついていてっていうのを知ったときは、もう本当にショックというかびっくりだった。で何か自分で力になれることはないのかなとの思いで」
まずは知ることから。
【森原 ゆう子さん】
「自分の家族が助かったから、よかったよかったではなくて、後にもたくさんの人がいる中で、どうやってみんなで助けられる命を助けたいという思いが、こうやって人の輪を広げていくんだろうなと思っています」
活動に参加する一人。原田泰輔さん。もとは、教師をしていた大紀さんの教え子でした。
【大紀さんの教え子 原田 泰輔さん】
「1番は僕も衝撃的だった。ずっとカバンを持ってらして、ずっとぼく、カバンが好きな先生だとしか思っていなかった。まさか、そのここに補助人工心臓がついていてっていうのを知ったときは、もう本当にショックというかびっくりだった。で何か自分で力になれることはないのかなとの思いで」
まずは知ることから。
移植を待っていた当時に大紀さんが始め、毎年10月に行ってきた「グリーンリボン」のイベントは、今年で10年を迎えました。
大紀さんは今、病気になる前からの夢。奥さんの故郷イギリスでの暮らしを実現させています。
【森原 大紀さん】
「このイベントをきっかけに、ひとりでも多くの人が、家族のこと、命のこと、移植医療や臓器提供について、大切な人と考えるきっかけになってくれたら、うれしいです」
大紀さんは今、病気になる前からの夢。奥さんの故郷イギリスでの暮らしを実現させています。
【森原 大紀さん】
「このイベントをきっかけに、ひとりでも多くの人が、家族のこと、命のこと、移植医療や臓器提供について、大切な人と考えるきっかけになってくれたら、うれしいです」
大紀さんの後を継ぎ、今、原田さんが活動をけん引しています。
【グリーンリボン推進協会 原田 泰輔 広島支部長】
「移植医療で、一人でも多くの方に元気になってほしいという思いで、これからも活動をしていきたいという風に思っています。意思表示は臓器提供する、しない、臓器提供を受ける、受けない4つの権利がありますので、どれを選んでいただいてもかまいません。イエスでもノーでもいい、それを選択していただければ、という風に思っています」
若い人にバトンをつなぐゆう子さん。激動の10年を経て今、伝えたいことは
【森原 ゆう子さん】
「いろんな考え方があるんだと思うでんすけど、誰かに臓器提供があれば助かる人がいるということを少し考えていただいて、最後に人生最後のボランティアを考えていただくということは、いろんな意味で人に対して優しくなれるんじゃないかなという風に思っています」
【グリーンリボン推進協会 原田 泰輔 広島支部長】
「移植医療で、一人でも多くの方に元気になってほしいという思いで、これからも活動をしていきたいという風に思っています。意思表示は臓器提供する、しない、臓器提供を受ける、受けない4つの権利がありますので、どれを選んでいただいてもかまいません。イエスでもノーでもいい、それを選択していただければ、という風に思っています」
若い人にバトンをつなぐゆう子さん。激動の10年を経て今、伝えたいことは
【森原 ゆう子さん】
「いろんな考え方があるんだと思うでんすけど、誰かに臓器提供があれば助かる人がいるということを少し考えていただいて、最後に人生最後のボランティアを考えていただくということは、いろんな意味で人に対して優しくなれるんじゃないかなという風に思っています」
