「増え続けるシカ」を地域資源として活用する取り組み 中高生が現場で学び考える 広島・安芸高田市

9/25(金) 18:23

増え続ける『シカ』についてです。

農作物への被害が深刻化する一方で、地域資源として活用する動きも広がっています。中高生たちが現場で学び、この問題とどう向き合うべきか考えました。

県内で深刻さを増す、シカやイノシシなどによる獣害。中でもシカは、近年、暖冬の影響などで生息域が拡大。その数は県内で6万頭を超え、 被害額は8200万円にのぼるといいます。

駆除や捕獲が進められる一方、シカを地域の資源として活用する取り組みも広がっています。

安芸高田市で、シカ肉のブランド化に力を入れる金沢大基さんです。

【cica 金沢 大基 社長】
「シカはシカなりのおいしさがあって、うまみが強いですし、四季折々で食べるものが変わるので、肉質も変化があって、春夏秋冬で変化を感じられるお肉だというのも、魅力的だと思いますね」

金沢さんは商品開発だけでなく、食育イベントや学校と連携した探究学習にも取り組んでいます。

約3年前から講師を務めているのが、広島女学院中学・高校の探求学習『安芸高田鹿プロジェクト』

【cica 金沢 大基 社長】
「広島の子たちが、自分たちのまちの魅力に気づかないまま外に出てしまうのはもったいないと思うので、山で何が起きているのか、そこに何の魅力があるのか、地域の魅力や可能性を感じてもらって、次の未来を作ってほしい」

この日、金沢さんと約30人の生徒たちは安芸高田市を訪れ、農家の人たちから被害の実態を学びます。

【農業生産法人 桑田の庄 清水 勝 社長】
「田んぼと山の間に、2メートルの高さの金網が張ってあるんです。でも被害がなかなかなくならない。夜中に悪さをする。どうしてもシカとかイノシシには勝てないです。24時間ついておくわけにいかないので」

被害だけでなく、駆除に携わる猟師の思いにも触れました。

【生徒(高校2年生)】
「生まれてきた命をいかすためにジビエにするとおっしゃっていましたが、一番大切にされていることがあれば、教えてください」

【安芸高田市ジビエ振興協議会 秋田 ひろみ さん】
「彼らは彼らで一生懸命生きている。それを途中で人間の都合で命を止めてしまう。真摯に一頭一頭に向き合って、ありがとうという言葉をかけて、いつも捕っています」

さらに生徒たちは、シカを食肉にする処理工場にも足を運びました。

【安芸高田市ジビエ振興協議会 古門 正文 さん】
「今さばいているのは、バラ肉。ロースと一緒にとります」

捕獲されたシカが、加工されるまでの過程を目の当たりにし、命を無駄にしないことの大切さを学びます。

【生徒(高校1年生)】
「シカ肉を食べるのは初めてではないんですけど、解体を見た後は気持ちが全然違う。大事に食べないと、感謝しないといけないと思います」

シカの問題を自分ごととして捉えた生徒たち。『自分たちにできること』とは…

【生徒(高校2年生)】
「シカだけじゃない、その周辺をとりまく環境も初めて知ることがあって、改善点は1個だけじゃない。いろんなことが関わっているのが大変なことだと思いました。

Q:今後の目標や、やってみたいことは?
「私たちもなんですが、知らないことがたくさんあるので、身近な人、家族に伝えたり学校で伝えたり、(11月の)文化祭で鹿肉を出すことになっているので、身近な人からたくさん知ってもらえればいいなと思います」

シカを通じた取り組みを続けてきた金沢さん。持続可能な地域づくりにつなげるため、活動をさらに広げていきたいと意気込みます。

【cica 金沢 大基 社長】
「もっともっといろんな学生にこの活動を知ってもらって、取り組んでくれる学校が増えればいいと思っています。違う県でも同じように取り組みをしているところもあるので、そういうところとの交流もしたい」