映画「わたしの知らない子どもたち」 広島出身の西川美和監督 世界で戦争広がる中で戦争孤児を描く
8/25(火) 18:30
主演は二階堂ふみさんと小八重葵美さん
特集は、終戦直後の子供たちにスポットを当てた映画「わたしの知らない子どもたち」に注目します。
広島市出身の映画監督西川美和さんが、初めて「戦争」をテーマにした作品を制作。
その思いを取材しました。
終戦直後の東京で孤児となった主人公の少女や少女を取り巻く人たちが必死に生きる姿を描いた映画「わたしの知らない子どもたち」。
主演を務めるのは、去年俳優デビューしたばかりの小八重葵美さんと二階堂ふみさん。
さらに、役所広司さんや岡田准一さんなど豪華キャストが作品を彩ります。
メガホンをとったのは、広島市出身の西川美和監督です。
【西川美和監督】
「脚本を書きに(広島に)帰るんですけど、ほとんど家から出ないんですよ。
缶詰になりに帰るから、あまり普段の昼間からこの辺を散策したりというのが無い」
81回目の原爆の日の翌日、祈りをささげる人が途絶えない平和公園を訪れました。
広島市出身の映画監督西川美和さんが、初めて「戦争」をテーマにした作品を制作。
その思いを取材しました。
終戦直後の東京で孤児となった主人公の少女や少女を取り巻く人たちが必死に生きる姿を描いた映画「わたしの知らない子どもたち」。
主演を務めるのは、去年俳優デビューしたばかりの小八重葵美さんと二階堂ふみさん。
さらに、役所広司さんや岡田准一さんなど豪華キャストが作品を彩ります。
メガホンをとったのは、広島市出身の西川美和監督です。
【西川美和監督】
「脚本を書きに(広島に)帰るんですけど、ほとんど家から出ないんですよ。
缶詰になりに帰るから、あまり普段の昼間からこの辺を散策したりというのが無い」
81回目の原爆の日の翌日、祈りをささげる人が途絶えない平和公園を訪れました。
広島出身の西川美和監督が初めて戦争をテーマに
【辰已 麗アナ】
「広島の方にとっては平和学習もすごく身近だと思うんですが、当時はどんな風に受けていましたか」
【西川美和監督】
「平和学習といって学校で教わる以前に身内から体験を聞くことが多かった。
私の家は爆心地からある程度離れているので、家族の中にけがをした人はいるけど、火の中を逃げたという経験ではない。どんどん市内の人が何時間後かに農村地帯に逃げていたという話は聞いた」
自身も幼いころから触れてきた「戦争」。
「ゆれる」や「永い言い訳」など数々の作品を生み出してきましたが、「戦争」をテーマにするのは今回が初めてです。
なぜ今、「戦争」を扱おうと思ったのでしょうか。
【西川美和監督】
「2021年に公開した『すばらしき世界』という作品のモデルになった男性が、戦後直後に戦争孤児たちと一緒に街の中で暮らしたという設定があった。
戦後に子どもたちがそういう環境の中でがむしゃらに生きたというのを映画にもう一度してみたいなと。ロシアのウクライナ侵攻が始まったりして加速するように戦争が広がっていく中でこのテーマはちゃんと描き切って作品にしていく、そういう話なのかもしれないなと徐々に覚悟していった」
「広島の方にとっては平和学習もすごく身近だと思うんですが、当時はどんな風に受けていましたか」
【西川美和監督】
「平和学習といって学校で教わる以前に身内から体験を聞くことが多かった。
私の家は爆心地からある程度離れているので、家族の中にけがをした人はいるけど、火の中を逃げたという経験ではない。どんどん市内の人が何時間後かに農村地帯に逃げていたという話は聞いた」
自身も幼いころから触れてきた「戦争」。
「ゆれる」や「永い言い訳」など数々の作品を生み出してきましたが、「戦争」をテーマにするのは今回が初めてです。
なぜ今、「戦争」を扱おうと思ったのでしょうか。
【西川美和監督】
「2021年に公開した『すばらしき世界』という作品のモデルになった男性が、戦後直後に戦争孤児たちと一緒に街の中で暮らしたという設定があった。
戦後に子どもたちがそういう環境の中でがむしゃらに生きたというのを映画にもう一度してみたいなと。ロシアのウクライナ侵攻が始まったりして加速するように戦争が広がっていく中でこのテーマはちゃんと描き切って作品にしていく、そういう話なのかもしれないなと徐々に覚悟していった」
「重くつらいけど知っておかなければいけないというジレンマがあった」
【辰已アナ】
「今回の映画のテーマ、題材になった場所は東京大空襲ですが、それを選ばれた理由は?」
【西川美和監督】
「私は広島出身ですから、広島を舞台に作るのが当然ではないかという見られ方をするかもしれませんが、逆に言うと、自分自身は広島の原爆被害はある程度見聞きする経験があったので、戦争というものやいろんな被害を被った話は分かったつもりになっていたが、いろいろ紐解いていくとそれ以外の地域の空襲被害とか、ほぼ関心も寄せずに生きてきたなと思った」
広島に生まれ、身近に触れてきたが故に距離を置きたい気持ちもあった「戦争」や「原爆」。
【西川美和監督】
「映画監督をやって20年過ぎて取り組む気持ちになれたのは、幼い頃から戦争について触れてきた地盤があったからだと思うし、そういうものに触れるのはとても重たくてつらいけど、でも知っておかなければいけないというジレンマが自分の中にあったから作りきれた」
物語の柱となるのは「少女」という性を隠し「少年」として生きることを決めた主人公・琴子と琴子の担任教師で、敗戦で婚約者を失い、生きる意味を見失った文美子です。
【西川美和監督】
「弱い立場の人こそが、自分自身を手放していかないと生き延びることができなくなる。それは肉体的にも精神的にも。その人が本当に大切にしてきたものとか、その人がどこの誰であったのかということも捨てざるを得なくなること。それも含めての戦争なのではないかなというふうにも思っている」
「今回の映画のテーマ、題材になった場所は東京大空襲ですが、それを選ばれた理由は?」
【西川美和監督】
「私は広島出身ですから、広島を舞台に作るのが当然ではないかという見られ方をするかもしれませんが、逆に言うと、自分自身は広島の原爆被害はある程度見聞きする経験があったので、戦争というものやいろんな被害を被った話は分かったつもりになっていたが、いろいろ紐解いていくとそれ以外の地域の空襲被害とか、ほぼ関心も寄せずに生きてきたなと思った」
広島に生まれ、身近に触れてきたが故に距離を置きたい気持ちもあった「戦争」や「原爆」。
【西川美和監督】
「映画監督をやって20年過ぎて取り組む気持ちになれたのは、幼い頃から戦争について触れてきた地盤があったからだと思うし、そういうものに触れるのはとても重たくてつらいけど、でも知っておかなければいけないというジレンマが自分の中にあったから作りきれた」
物語の柱となるのは「少女」という性を隠し「少年」として生きることを決めた主人公・琴子と琴子の担任教師で、敗戦で婚約者を失い、生きる意味を見失った文美子です。
【西川美和監督】
「弱い立場の人こそが、自分自身を手放していかないと生き延びることができなくなる。それは肉体的にも精神的にも。その人が本当に大切にしてきたものとか、その人がどこの誰であったのかということも捨てざるを得なくなること。それも含めての戦争なのではないかなというふうにも思っている」
懸命に生きる戦争孤児の姿を描く
作品では主人公の琴子を演じた小八重さんをはじめ多くの子役が出演しています。
【辰已アナ】
「戦争を経験していない子供たちに、演技の面ですとか、どういったアプローチを取られたんですか?」
【西川美和監督】
「例えば『疎開』という言葉ひとつとっても、小学5年生の女の子はまだ学校でも勉強していないし、疎開して空襲を避けている子供ということがまず台本で理解できない。そこからこういうことがあってねというので、アニメの映画を見たり、東京空襲の資料館に行ったり、上野の街を歩いて、こういうところの地下街でこういう暮らしをしてたんだと写真と照らし合わせながら歩いたりという時間は撮影前に取りました。私自身は体験者ではないですし、知らない私たちがどのような温度感であったことを伝えるべきかというのはとても難しいなと思いました」
映画では戦後実在した12万人の「名もなき子どもたち」が、懸命に生きる姿が描かれています。
【辰已アナ】
「広島出身だったからこそ知らなかった子どもたちをテーマにしたことが、今回のタイトルにもつながっているんでしょうか」
【西川美和監督】
「そうですね。『わたしの知らない子どもたち』の「わたし」は、私自身が知ってると思っていた戦争にも、こういう局面とか、こういうものがあったというものを詰め込んだタイトル。見てくださる観客の皆さんも大半が戦後生まれの方々で、きっと見た方にとっても知らない子どもたちの話だと思うので、見た人にとっての一人称になるのかなと思います」
【辰已アナ】
「戦争を経験していない子供たちに、演技の面ですとか、どういったアプローチを取られたんですか?」
【西川美和監督】
「例えば『疎開』という言葉ひとつとっても、小学5年生の女の子はまだ学校でも勉強していないし、疎開して空襲を避けている子供ということがまず台本で理解できない。そこからこういうことがあってねというので、アニメの映画を見たり、東京空襲の資料館に行ったり、上野の街を歩いて、こういうところの地下街でこういう暮らしをしてたんだと写真と照らし合わせながら歩いたりという時間は撮影前に取りました。私自身は体験者ではないですし、知らない私たちがどのような温度感であったことを伝えるべきかというのはとても難しいなと思いました」
映画では戦後実在した12万人の「名もなき子どもたち」が、懸命に生きる姿が描かれています。
【辰已アナ】
「広島出身だったからこそ知らなかった子どもたちをテーマにしたことが、今回のタイトルにもつながっているんでしょうか」
【西川美和監督】
「そうですね。『わたしの知らない子どもたち』の「わたし」は、私自身が知ってると思っていた戦争にも、こういう局面とか、こういうものがあったというものを詰め込んだタイトル。見てくださる観客の皆さんも大半が戦後生まれの方々で、きっと見た方にとっても知らない子どもたちの話だと思うので、見た人にとっての一人称になるのかなと思います」
「お父さん、お母さん、子どもたちに見て欲しい」
作品を作り上げていく過程で改めて、ヒロシマの使命を再認識したという西川監督。
【西川美和監督】
「広島がいろんな戦争を語り継いだり、原爆や核兵器についてそれは許されないものなのだというふうに強く言い続けてきたことが、どれだけ81年を支えてきたかということも、改めて実感するところでした」
西川監督が、この作品を特に見てもらいたいと話す対象が「子どもたち」です。
【西川美和監督】
「やはり戦争を巡る映画や作品は、時代が下るごとに見られなくなっていきますよね。なんか見るのもつらいし、重たいっていう思いが先行することも多くなってきた中で、この映画は子どもにも見せてみようかなって思う、戦争にまつわる映画にしたいという思いがあったので、ぜひお子さんのいる世代のお父さんとかお母さんにも見てもらいたいですし、その子どもたちにも見てもらいたと思う」
映画「わたしの知らない子どもたち」は、10月16日公開です。
【西川美和監督】
「広島がいろんな戦争を語り継いだり、原爆や核兵器についてそれは許されないものなのだというふうに強く言い続けてきたことが、どれだけ81年を支えてきたかということも、改めて実感するところでした」
西川監督が、この作品を特に見てもらいたいと話す対象が「子どもたち」です。
【西川美和監督】
「やはり戦争を巡る映画や作品は、時代が下るごとに見られなくなっていきますよね。なんか見るのもつらいし、重たいっていう思いが先行することも多くなってきた中で、この映画は子どもにも見せてみようかなって思う、戦争にまつわる映画にしたいという思いがあったので、ぜひお子さんのいる世代のお父さんとかお母さんにも見てもらいたいですし、その子どもたちにも見てもらいたと思う」
映画「わたしの知らない子どもたち」は、10月16日公開です。
