世界トップクラスのハンバーガーを広島で作る 広島アンデルセンの挑戦に密着 地元素材で味は再現できるか

3/23(月) 21:30

広島の食材を使って、世界最高峰の味を再現するプロジェクトが始まっています。
海外の食文化を伝えようと始まった挑戦に密着しました。

鉄板で焼かれるパテ。
広島市内の厨房で始まったひとつの挑戦。
プロジェクトには、様々な人が参加しました。
彼らが作ろうとしているのは、世界トップクラスのハンバーガーです。

今年、1月、広島アンデルセンで行われたデンマークフェアの企画検討会議。

【広島アンデルセン企画チーム・久保原由美さん】
「例年通り今年も6月1日から30日までの1か月間の取り組みとして進めていきたい」

「デンマークフェア」は、1984年から開催され、毎年、6月の1か月間、国内全店舗で、デンマークの食や文化などを紹介するアンデルセンの年間、最大のイベントです。

今年のメイン企画は・・。

【広島アンデルセン企画チーム・久保原由美さん】
「アンデルセンデンマーク店と連携してデンマークの人気のハンバーガーショップ「ガソリングリル」を日本に招いてポップアップショップを期間限定オープンします。定番のバーガーと限定のバーガーの開発発売が出来ればと考えています」

「ガソリングリル」とは、デンマーク国内で、10店舗を展開し、2017年、ブルームバーグ社の「世界のトップ27バーガー」では北ヨーロッパで、唯一、選ばれた、世界最高峰のハンバーガーショップのひとつです。

【アンデルセングループ海外事業部・岡本有史さん】
「ヨーロッパベストバーガーの5位にも選ばれていてヨーロッパでも有名なバーガーチェーンの1つです」

【アンデルセングループ海外事業部・西山亜香里さん】
「1個食べたら満足感一杯のバーガーです。ボリュームたっぷりで」

デンマークが世界に誇るハンバーガーの味を広島で再現するというプロジェクトです」

【アンデルセングループ海外事業部・岡本有史さん】
「オーナーがクラウスさんという方ですがクラウスさん自身がデンマークフェアに事前のチェックも含めてお越しいただける予定になっています」

オーナーが満足しなければ、ハンバーガーの販売は、許されません。
中心になるのは、シェフの中川さんと、バウンズを担当するベーカリーの平岡さん。
しかし、問題もありました。

【広島アンデルセンベーカー長・平岡憲治さん】
「ハンバーガーのノウハウが実はない。バーガー屋さんはバーガー屋さんのクオリティがある」

これまで、アンデルセンが追求してきたのは、ライ麦パンなどに、ハムや野菜、サーモンやチーズなどを彩り豊かに載せたスメアブロー(Smorrebrod)と言われる、北欧の伝統的なオープンサンドイッチでした。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さん】
「デンマークで(バーガーを)1回食べてますがおいしいなと思いましたが」

1月半ば、たくさんの宿題を抱えた中川さんが、デンマークに出発します。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さん】
Q:何種類くらい覚える?
「バーガー4種類とポテトとフライドチキンとかドリンクとか。ソースの内容が企業秘密の所があるので、そちらをどこまで教えてもらえるのか。実際の感じは、感覚は盗まないといけないと思っています」

メンバーの期待を背負って、中川さんが出発しました。

今回、製作するハンバーガーは、4種類。
その中に、ガソリングリルの人気メニュー、「バターバーガー」がありました。
そのバターが問題でした。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さん】
「現地のものがコクが強いし香りも強い。そこをどうするか。ハンバーガーというかパテに負けてしまう」

デンマークで、中川さんは、大きな課題に直面しました。

2月の初旬、帰国した中川さんを始めメンバーが向かったのは広島市佐伯区にあるサゴタニファーム。
この農場では、マツダスタジアム、およそ7個分の敷地に、100頭ほどの乳牛が飼育されています。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さんたち】
「クローバーって食べられる?」
「クローバーは食べられます」
「牛も大好きです」
「うま!うまいな。味がすごくありますよね」
「このあたりはかなり土が肥えているので」

バターバーガーには、この牧場で作られる繊細で香り高いバターを使いたいと考えていたのですが・・。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さん】
「前回頂いたバターをクラウスさんの所に持って行ってみんなで乗せて食べたんですが、海外特有のコクが強いというのがあって。ちょっと足りない所があった」

【サゴタニ牧農・久保宏輔副社長】
「コクという所ではちょっと足りなく感じることもあるかもしれません。その分、乳の香りがしっかり出るような設計にしているので」

広島の食材でデンマークの味を再現する難しさ。
しかし、この困難な挑戦に、生産者も立ち上がります。

【サゴタニ牧農・久保宏輔副社長】
「クラウスさんのおっしゃることはよく分かりますので、そのまま使うのか、何かそこにエッセンスを加えるのかは、どういったものに最後は仕上げたいのかという所から一緒に考られたらと思います」

ハンバーガーの製作が始まりました。

【広島アンデルセンベーカー長・平岡憲治さん】
Q:ここが秘密の塊なんですね?
「そうです」

ここは、アンデルセンの様々な料理が生み出される心臓部ともいえるキッチン。
平岡さんと中川さんがタッグを組んで始まります。

平岡さんが作ったバウンズ。
以前のものから、改良されていました。

【平岡さん&中川さん】
「肉と合わせた時の一体感でふわっとさせた方がいいか、もうちょっとしっかりさせた方がいいかで、今はちょっとふわっとした方向で」
「ちょっと包むような感じで、前のバウンズがどうこうではなくて、もう少し一体感が出せたら」

なるべく広島の食材を使って、デンマークの味を再現していきます。

【広島アンデルセンベーカー長・平岡憲治さん】
「食材自体はそこまでじゃないけどバランスが難しい」
Q:再現しなければいけない所が難しい?
「それはあると思う」

パテに使うビーフは比婆牛を使いました。
つなぎは、一切使っていません。

【平岡さん&アンデルセングループ広報室・光井まさみさん】
「お肉だけ?」
「お肉だけ。純粋にお肉だけ。つなぎがないから脂があると崩れるんです」

まずは、基本となるオリジナルバーガーが完成しました。
本場の味は、再現できているのでしょうか?

【アンデルセングループ海外事業部・加賀田知穂さんたち】
「現地の味、と思う。現地の味よね」
「おいしいです」

しかし、中川さんには、不安もありました。

【広島アンデルセン料理長・中川幸二さん】
「今は牛のネックという部分を使っているけど、何かもうちょっと肉の味が」

そして、課題のバターバーガー。
ドレッシングの代わりにバターを使います。

【広島アンデルセンベーカー長・平岡憲治さん】
「今サゴタニさんが持っているバターで試作をしていて、これで最終を合わせて塩味の調整はしようと思っています。今の所これでいけそうな雰囲気です」
Q:有塩バターですか?
「これは有塩です」

試作品が完成しました。
さて、味はどうなんでしょうか?

【広島アンデルセンレストランサービス・佐々木弘明さん】
「新しい世界ですね。結構塩味が強くないですか?それは有塩バターだから」

デンマークフェアで販売するバーガーは4種類。
一抹の不安を残しながらも、全てが完成しました。
オーナーのクラウスさんが満足しなければ、ハンバーガーの販売は、許されません。

そして、3月。
いよいよ、デンマークから、クラウスさんがやって来ました。
デンマークの味は再現できているのか?アンデルセンの新たな挑戦がいよいよ佳境を迎えました。