キーワードは紅茶 女子大学生が旅行ツアーを企画 好きをカタチにした学生に密着

3/9(月) 20:00

県内の大学生が観光地化されていない東広島市の白市地区に注目し旅行ツアーのプランを企画しました。
キーワードは「紅茶」。
好きをカタチにした女子大学生に密着です。

新しくなった広島駅の通路を足早に歩く一人の女性。
深井美沙樹さん。
大学3年生です。この日はアルバイト。
向かう先は「アフタヌーンティー・ティールーム」です。

【深井美沙樹さん】
「昔から紅茶が好きで(アルバイト先は)紅茶を詳しく扱っているここに決めた」

紅茶の香りに包まれながら働いています。

【深井美沙樹さん】
「幼い時に(母親が)ミルクティーを飲ませたら反応が良かったみたいでそこから毎朝飲むようになって」
「絶賛就活中なんですけど、面接前とかすごく緊張している時に飲むといつも通りの気持ちになれるので、落ち着かせる場面で飲んでいます」

《バイト先の店で》
「アイスティーです」
「いつも美味しいのよ」
「ありがとうございます」

アルバイトを通して紅茶の種類や淹れ方など学んでいく楽しさを知りました。
その魅力を人に伝えたい。
紅茶への思いをカタチにできるキッカケとなったのは大学のゼミの活動でした。
深井さんは、県立広島大学の地域創生学部で地域の課題解決や活性化を学んでいます。

今回、内閣府が主催するコンテストに大好きな「紅茶」と「地域」を結ぶアイデアを応募しました。
結果は見事「優秀賞」。
その内容は…

【県立広島大学 3年生・深井美沙樹さん】
「東広島市の白市地区を舞台に白市で採れる紅茶を生かしたツアーを考えました」

国の重要文化財に指定された建物などが残る東広島市白市地区。
その町並みと白市で栽培・生産される紅茶を組み合わせた観光ツアーを考案したのです。

【深井美沙樹さん】
「地域課題を解決するなら地元 育ってきたところを活性化させたいというところはあった。地元が東広島ということもあって東広島市で探していったなかで白市に辿り着いて、そこにたまたま紅茶という資源があったので、私が紅茶好きだということもあって組み合わせてツアーに生かしてみたいと思った」

深井さんとゼミのメンバーは何度も白市地区に足を運び、地元の人たちに話を聞きながらツアーを考えました。

【NPO法人白市町家保存会・伊原聡子代表理事】
「人口減少も続いてそういう町に興味を持ってくれて研究対象にしてくれることは非常にありがたい。大学生、若者と一緒に白市を盛り上げていく取り組みを進めていたいとずっと思っていたので本当に感謝している」

コンテストでの受賞をきっかけに、学生が企画したツアーを旅行会社が実際に商品化することに…。
この日は、旅行会社の担当者などと当日の計画を入念に確認します。

《旅行会社との打ち合わせ》
「2人がいいですよね。はい。2人…」

深井さんはツアーの始まりに挨拶をする大役を担います。

【深井美沙樹さん】
「みんなで作り上げてきたので、その思いをお客さんにちゃんと伝えられるようにしっかり準備して挑みたい」

考えたのは学生ですが、プロの旅行会社にとっても一緒にやるメリットがあるといいます。

【たびまちゲート広島・西山大介さん】
「すごくニッチなところを見つけてきたなと。正直僕らはどうしても頭が固いので新しいアイデア・発想が欲しい。大学生とコラボしながら『そういう目線があるんだ』というところ、新しいところを見つけていきたい」

【深井美沙樹さん】
「緊張というよりは商品化して嬉しい気持ちが勝っているので、楽しみでわくわくしている」

いよいよ、学生が考案したツアーのスタートです。
深井さん。
緊張感が取材する側にも伝わってきます。
そして・・・

【深井美沙樹さん】
「本日はご参加いただきありがとうございます。このツアーを通してデータだけではわからない地域の魅力やストーリーを実際に体験しながら感じていただければと思います」

無事に挨拶を終え、ホッとしたのも束の間、次はツアーの流れを何度も確認します。
まずは、東広島市の庭園や白市地区の歴史的な町並みを散策。
細やかな気配りで参加者をサポートします。

【参加者】「ありがとうね」

20人の参加者全員が楽しめるよう散策コースを案内し、コミュニケーションも大切にします。
国の重要文化財に指定された建物が残る白市地区には、この時期ひな人形が並びます。
江戸時代のものも含むひな人形を鑑賞した後はオリジナルひな人形の作成です。
会場の準備から作り方のフォローまで学生が手伝います。

《ひな人形を作る》
「もう一個も同じ感じで角を切ってから…」
「斜めでいいん?」
「斜めで大丈夫です」

オリジナルひな人形が出来上がると、次はいよいよ白市地区の紅茶を楽しむティータイムです。
深井さんにとってこだわりの時間です。
準備にも力がはいります。

【御屋敷紅茶工房・山本陽子代表】
Q:働きぶりはどう?
「上手です。何も言わなくてもちゃっちゃっと」
Q:お客さんがたくさん?
「少しでも地域活性化になるといいんじゃないかとすごく喜んでいる」

いよいよ紅茶が参加者の元へ。

【参加者】「もっと飲みたい」

白市紅茶は大人気。
おかわりも頼んでくれました。
深井さんは紅茶農家の山本さんにある決意をつたえます。

【深井美沙樹さん】
「お願いがありまして、今後の卒業研究で白市紅茶を扱わせていただきたくて、ぜひ今後もよろしくお願いします」

【御屋敷紅茶工房・山本陽子代表】
「こちらこそ、お願いします」

お客さんの反応をみて卒業研究で、「白市紅茶」についてより深く研究する覚悟ができました。
ツアーは無事終了。学生たちにとっては頭の中で考えるだけでなくビジネスとして成し遂げた一日となりました。

【参加者】
「予想以上にとってもよかった。大学生がサポートしてくれて自分たちのためにしてくれたというのがすごくよかった」
「すごく寄り添ってくれて町を歩くのも安心だった」

【深井美沙樹さん】
「白市の名前は知っているけど、こんなところにこれがあるなんてという反応が多かったので、知らない魅力を伝えられてよかった。紅茶を今まで飲まなかった方の反応も実際に知れたので、お客様の反応やニーズを卒論に取り入れていきたい」

紅茶が「好き」という個人的な思いを観光ツアーという一つのカタチに作りあげた今回の取り組み。
深井さんの紅茶の物語はまだまだ続きそうです。