尾道の裏路地で発見!ガリガリという音と独特の感触がクセに!レトロ感じる『ガリ版印刷』 猫柳工作研究所

3/2(月) 20:30

「ひろしま満点ママ!!」から気になる話題をお届けするコーナー。
今回は尾道市からユニークな体験ができるお店を紹介します。

【久保田夏菜リポーター】

「さあ、尾道にやってきました。 千光寺に登って尾道水道、そして、街の景色を見るだけで旅気分。さらにそこから尾道ラーメンを食べて、スイーツを食べて。それで旅が終わるのはもったいない。せっかくなら特別な手作り体験を加えてみませんか? 」

久保田さんが訪れたのは、尾道の本通り商店街。

「さあ、ここからですね。こちらに行こうと思うんですけど、この辺りも、よくよく通る道ですよ」

尾道を訪れる観光客が必ずといっていいほど立ち寄る商店街です。
ここから、海側に向かって歩いていきます。

「さあ、そして尾道といえば路地ですよね。見てください、これ。うわぁ、いい雰囲気」

入るのを躊躇してしまいそうな細い路地ですが…。

「今回の目的地、こちら到着しました。猫柳工作研究所」

民家が立ち並ぶ路地に突然現れた不思議な空間。
早速、お邪魔します。

【久保田アナ・猫柳あおさん】

「今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「もう入ってびっくり、なんか時代がタイムスリップしたみたいですね」
「そうですか。ありがとうございます」
「なんかもう置かれてるものが結構レトロなものが多いんですね」
「そうですね、あの、古いものをできるだけ本物を。この時計は明治の最初ごろにアメリカから輸入されたものだという風に聞いてます」
「すごい!それがなぜここにあるんです?」

アンティークの時計は壊れて動かないものもありますが、こちらの時計は、今もしっかりと時を刻んでいます。

そしてもう一つ気になるのが、オーナーのいでたち。

「白衣じゃないですか」
「はい」
「白衣でお出迎えしてもらえるとは思わなかったです」
「あの工作研究所の所長ということで」
「これ所長名なんですか?本名を?」
「所長名です」
「所長名!」
「所長名というか、活動名というか」
「活動名!」
「はい、一人ですけどね」
「所員さんがいるわけ?」
「いない」
「いないですか?」
「所以、今いないけど、私は所長ということで」
「所長が今日体験させてくれるものっていうのは一体何なんですか?」
「はい。 今日はうちの看板っていうか」
「看板?」
「はい。 ガリ版印刷というのをやっていただこうかと思います」
「ガリ板!いや、ガリ版っていう言葉は知ってますけど、使ったこともないですし」
「昔の印刷、なんですけど、明治の頃から昭和の中期ぐらいまでどこにでもあった機械なんですよ」
「へー。これがガリ版」
「これはもうミニチュア版というか、はがき専用サイズの小さいものなんですね。 多分ご家庭とかで使われてたものじゃないかと思うんですけど」
「今回はお手軽コースで名刺サイズの小さいものをやっていただこうと思います」
「はい」

久保田さんが体験するのは、所要時間およそ30分のお手軽コース。
まずは名刺サイズの紙を5枚、好きな色を選びます。
続いてベースとなる原稿を書く作業です。

「まずはこのヤスリの上に原紙っていう和紙をロウ引きしたものなんですけど、ここに文字を書いていただきます」
「和紙にロウが付いてるんですか?」
「両面ロウでコーティングしてあるんですけど、そのコーティングを書くことでコーティングを削り取るんですね」
「ほーう」
「はい、そうするとそこにだけ穴が開いたような状態になります」
「はい」
「その穴が開いたような状態のものをここに貼り付けまして、で、紙をここに置いて、で、ペタンと下ろして、このローラーで上からインクを乗せてやると下の紙に移るっていう、そういう仕組みなんですね」

ロウが塗られた和紙を鉄の筆、テッピツで削るように書いていきますが、ガリ版初体験ということでまずは練習。
すると…。

「あ、結構軽い。書けますね。あ、ガリガリ」
「まあでも、お上手です。お上手です」
「ガリ版のガリってこれなんですか?」
「正解」
「えー!」
「そうなんです」
「今気づきました」

しっかり練習したところでいよいよ本番です。

「ガリガリいってます」
「いいです。いわせてください。ガリガリと」
「あー、ガリガリいってますね。なんかあの、字体が変わりますね」
「普通に書くよりはちょっと、これがまた味になるんですよ」
「へー。ガリガリいってる」

このガリガリという音と独特の感触が癖になりますね。
原稿が完成すると...

「外していきたいと思います」
「もういよいよですか?」
「いよいよですよ、もう。パパッとできるのがガリ版のいいところなんで」

木版画用の油性インクを塗っていきます。

「下げます。で、これを塗りますね」
「塗ってください」
「1塗りですよね」
「ぎゅっと力入れ、ちょっと力入れ気味がいいかも」
「はい!インクを今入れ込みました。開けてみましょう」
「開けてみましょう!本番!」
「おお可愛い!素晴らしいです!本当にもうちゃんと出ますね」
「ちゃんと細い線綺麗に出るでしょう」
「細い線出てます。で、このちょっとあの、味が」
「そう、味があるんです。普通に書くよりもずっと味が出る」
「レトロ感あっていいです」

初めてなのに、どこか懐かしさを感じるガリ版の魅力。
あおさんがハマったのは、母親の影響があったそうです。

「私の母が実は教員で、私が本当に小さい頃、母が家でガリ版切ってたんですね。原稿を作ってたんです」
「ほぉー!」
「で、それで、あれ面白そうだな、やってみたいなって、大きくなったらやりたいなって思ってたら、大きくなったらなくなっていた」
「なくなっちゃった」
「なんか、あーやりたかったな、やれなかったなって。それでふと思い立って。体験できる場所がすごく今も少なくなっちゃってて、それをやってもらう場所としてここを作ったので」

もともと工作が好きで、いろんなものをつくってきた、あおさん。
廃家となっていたこの場所を譲り受け、プロの職人と一緒にリノベーションしました。

「私はこれが布にね、プリントできるというところにすごく心惹かれて。ガーゼ?帆布?どんな布でも全然洗濯しても」
「何でもいけるんですね」
「そう、何でもね、綺麗に印刷できるんですよ。出来上がったものを見ても何とも思わないんですけど、実際にやってみたら、あ、これなんか違うっていうのが分かっていただけたんじゃないかな」
「いやー、楽しかった。私だって多分ここに来てなければ、多分ガリ版と触れ合わずに。だってこれからどんどんますます減ってきますよね。これで楽しさを知ることできましたもん」
「良かったです」