12月にも目撃 冬なのに「眠らないクマ」 緊急銃猟の模擬訓練を実施 広島・三次市

1/20(火) 18:45

まず、この映像からご覧ください。

先月、TSSの定点カメラが夜にとらえた「黒い影」。
柿の木をよじ登っていくのは1頭のツキノワグマです。
先月12日午後7時半ごろ、広島市安佐南区戸山地区の民家にほど近い場所で撮影しました。
同じ木の真下に仕掛けたもう1台のカメラには、柿を食べる姿がくっきりと映っていました。

周辺は小中学校や公民館もあるエリアで、12月も活発に動く「眠らないクマ」の様子が確認できました。

こうした中、クマの出没が相次ぐ現状を受け、いざというときに備えた「緊急銃猟」の模擬訓練が20日、三次市で行われました。

【辰已麗キャスター】
「三次市の河川敷です。去年、クマの目撃情報が相次いだことを受け対策のための訓練がこの場所で行われます」

《警察官》「避難誘導、交通規制を開始せよ」

模擬訓練には県、三次市、警察、猟友会のメンバーなどおよそ80人が参加しました。
新たに定められた「緊急銃猟」の手順を確認するためで、条件などを満たせば自治体の判断で銃を使ってクマを捕獲することができます。


全国的に相次いだクマの被害、県内でも目撃情報が絶えません。
県によりますと、去年4月から12月末の間に572件目撃され、7月には北広島町で人的被害も出るなどクマの脅威はすぐそばまで迫ってきています。

《市の職員】
「緊急銃猟を再開してください」

【辰已キャスター】
「いま市の職員が緊急銃猟の許可を出しました」

「緊急銃猟」に求められるのは密な連携。
クマの位置に応じて周囲の人の有無、建物の状況などを確認しながら対応を進めます。
そして、安全を最優先に判断したうえで、最終的に銃を使用してクマを捕獲しました。

【三次市農政課・法野谷智さん】
「マニュアルとかを見て予習はしてきたんですが、いざ実際やってみるとは手間がかかることも多いなということを感じました。いつ出てきてもいつ危険な状態になってもいいように準備していきたいと思います」

【広島県自然環境課・田中英夫課長】
「(緊急銃猟は)県内で実績はないが、いざというときのため、県民の安全を守るためにも重要なことだと考えています。関係者の皆様が実際の手順を確認できたところは大きな成果があったと思います。県としましても同様の研修を引き続き実施していきたい」

訓練は来月も実施される予定です。
12月になってもエサを求め人里のすぐそばまでクマが出没するなど、「眠らないクマ」の活動が続いています。広島でもクマ対策は求められます。

《スタジオ
今回のキーワード「緊急銃猟制度」についてです。
近年クマの出没件数が増え続け、2023年度には人的被害が過去最多となりました。
鳥獣による危険が生じているなかより予防的で迅速な対応が必要だとして、去年9月から施行された法律です。

クマやイノシシなどいわゆる「危険鳥獣」に対するものですが、発砲する場合は、こちらの4つの条件を満たす必要があります。

日常生活に侵入の恐れがある、措置が緊急に必要など…これらの4つの条件をすべて満たし、自治体の許可がおりた場合に猟銃が可能となります。
きょうの研修会では、実施チェックシートというものにならって手順が1つ1つ確認されました。

自治体や関係機関との「連携」を強めることが大事だと感じましたが、匹田先生はどうみられますか?

【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「クマの捕獲はチームワークが大切で、失敗が許されない。その訓練をすることは大切なことだと思いました」

今年度の研修会の開催は、2月にも行われる予定です。