ベトナム人女性殺害事件 技能実習生「同郷の女」逮捕で急展開 2人の関係や凶器は…広島

10/27(月) 18:32

広島市西区の集合住宅でベトナム人女性が殺害された事件。
逮捕されたベトナム人の女は被害者の自宅に設置された防犯カメラを壊し、特定されるのを免れようとした可能性があることが、捜査関係者への取材でわかりました。

【片平記者】
「いまディン容疑者が警察署から出てきました」

時折うつむきながら警察車両に向かうのは、ベトナム国籍の技能実習生、ディン・ティ・フォン容疑者(32)。25日、強盗殺人などの容疑で逮捕されました。

警察によりますと、ディン容疑者は今月15日、広島市西区中広町の集合住宅の一室に金品を奪う目的で侵入。
この部屋に住むベトナム国籍のグエン・トゥイ・ガーさん(32)の頭や顔面をなんらかの硬いもので複数回殴って殺害し、室内を物色した疑いがもたれています。

事件発生から10日経っての容疑者逮捕に、現場の集合住宅に住む人は…

【ベトナム人の住民】
「逮捕?本当に?えーびっくりした。安心です。これでみんな安心」

【住民】
「とても安心。戸締りは忘れることなくしようと思ったりエレベーターに乗るのも不安だったりしました」

【片平記者】
「ディン容疑者は現場から20km以上離れた佐伯区の住宅街に住んでいたとみられます」

【付近の住民】
「(ベトナム人の)技能実習生が入れ替わり立ち替わりで(住んでいる)。別に普通の女の子。言葉が通じないだけ」

ディン容疑者が勤務する会社によると、これまでの勤務態度に問題はなく、金銭に関する相談を受けたことはないということです。

逮捕をうけて捜査本部が開いた会見では、被害者のグエンさんが巻き込まれた、”別の事件”が明らかになりました。

【片平記者】
「今年5月、グエンさんが自宅の近くで見知らぬ女に殴られケガをする事件が起きたということです」

警察は傷害事件として捜査していたということで、今回の事件との関連を調べています。
こうしたトラブルをうけてか、自宅の中に防犯カメラを設置していたというグエンさん。
事件後、そのカメラに壊された形跡がある事が、捜査関係者への取材でわかりました。

ディン容疑者がグエンさんを殺害した後、自分が特定されるのを免れるためにカメラを壊した可能性があるとみられています。

警察は捜査に支障があるとしてディン容疑者の認否を明らかにせず、動機やグエンさんとの関係性など詳しく調べを進めています。

【スタジオ】
ここからは、警察担当の片平記者とお伝えします。

【片平記者】
まず、容疑者と被害者の関係性です。
ディン容疑者の自宅は広島市佐伯区杉並台で、事件のあった西区中広町から20キロ以上離れています。
周辺で取材したところ、ディン容疑者はこの家に去年1月から住んでいて、数人のベトナム人技能実習生と同居していることも、わかっています。

Q:事件現場から容疑者の自宅はかなり離れていますね。

【片平記者】
そうなんです。
捜査関係者によりますと、2人の関係についてはまだはっきりしていないということですが、一定の距離がある集合住宅の特定の部屋での犯行ということで、2人を結びつける何らかの事情があったとみて調べています。

また、ディン容疑者が務めていた会社の関係者によりますと、勤務態度などに問題はなかったということです。
今回、強盗殺人の容疑で金品を奪う目的もあったとされていますが、これまで金銭に関する相談はなかったということです。

Q:まだまだ事件の全体像見えず、分かっていないことも多い?

今後、全容解明のカギとなるのは、「2人の関係性」と「使用した凶器」です。
また、室内を物色した跡が残されていましたが具体的に何が盗まれたのかは明らかにされていません。

警察は、こうした点について追求し、この事件に先立ってグエンさんが狙われた別の傷害事件との関連性も含めて捜査を進めるする方針です。