ノーベル委員会フリードネス委員長 被爆地広島へ 「苦しみを希望に変えて平和へと進む人たちに敬意」

7/22(火) 18:58

去年、日本被団協にノーベル平和賞賞を授与した、ノルウェー・ノーベル委員会のフリードネス委員長が初めて広島市を訪れ、松井市長と面会したほか、原爆慰霊碑に献花しました。

21日、広島市に入ったノーベル委員会のフリードネス委員長。

22日午後には松井市長と面会し、ノーベル平和賞のメダルのレプリカを手渡しました。

【ノーベル委員会・フリードネス委員長】
「被団協と被爆者が国際的な核兵器のタブーを確立したことを再認識してもらいたかった」

広島市は現在、日本被団協に加盟する県被団協から借りたレプリカを原爆資料館に展示していますが、ノーベル委員会からの貸し出しを受け、9月以降に入れ替えるということです。
この後、フリードネス委員長は広島平和文化センターの香川理事長の案内で、原爆資料館をおよそ1時間かけて見学しました。

資料館では「原爆の被害は消えることはない。まだ終わっていない」と書かれていた説明文が印象に残った、と、記者団の取材に明かしました。
【ノルウェー・ノーベル委員会 フリードネス委員長】
「資料館の展示は日本だけでなく世界に対してなぜ、私たちが核兵器廃絶への努力を続ける必要があるのかを思い起こさせてくれる」

また、芳名録には、「すべての犠牲者、すべてのヒバクシャ、そして、苦しみを希望に変えて平和へと進む人たちに敬意を表する」と記帳しました。

フリードネス委員長はノーベル研究所が今月27日に都内で開催する、核軍縮をテーマにしたイベントに参加するため来日。広島訪問は初めてです。

原爆慰霊碑に花を手向け、犠牲者を追悼したフリードネス委員長。
午後5時からは市民団体が主催する懇談会で、日本被団協の代表委員で県被団協の箕牧智之理事長などと意見を交わしました。

<スタジオ>
【記者の目・取材メモ】
取材した若木記者によりますと、フリードネス委員長は今回の広島訪問が「少しでも世界に核兵器の脅威に関心を持ってもらうきっかけになれば」という思いもあることも明かしたということです。
去年の被団協へのノベール平和賞授与についても「被爆80年に向けて核兵器廃絶への機運を高めたい」という狙いがあると話していました。