参議院選挙 広島選挙区 改選2議席に対し9人が立候補予定 各候補の動き追う 7月20日投開票

6/25(水) 17:52

7月20日の投開票が決まった参議院選挙。
広島選挙区では改選2議席に対し9人が立候補を予定しています。
大規模買収事件の舞台となった選挙から6年。
新たな顔ぶれで挑む今回の選挙、各候補者の動きを追いました。


先月25日広島市中区に選挙事務所を構えたのは自民党・新人の西田英範(にした・ひでのり)氏(43)だ。
事務所開きには党所属の国会議員や県連の幹部が勢ぞろいした。

【選対本部長 宮沢洋一 参議院議員】
「2か月を切る選挙でありますが、どうしてもこの選挙勝ち抜かなければいけないと、1位当選を目指してこの事務所を本拠地で活動していきたい」

西田氏に推薦を出した公明党の県代表を務める栗原俊二県議も駆けつけ、必勝を誓った。

【自民党・新人 西田英範 氏】
「今回の私のキャッチフレーズは『挑戦と改革』であります。未来に向かって、たとえ、ご批判いただくものであったとしても、5年後、10年後を見据えた政策をしっかりと進めていく」

西田氏の参院選への挑戦は今回が2度目だ。
2019年の参院選では自民党新人の河井案里氏と無所属で立候補し、その後、立憲民主党に入った、森本真治氏が当選。
しかし、大規模買収事件が発覚し、河井氏の有罪が確定した。
河井氏の当選無効に伴う2021年の再選挙に自民党は経済産業省の官僚だった西田氏を擁立。
「クリーンな政治」を訴えたにも関わらず「政治とカネ」の問題を巡る大逆風を受け、諸派・新人として立候補し、その後、立憲民主党入りした宮口治子氏に敗れた。

あれから4年。

【自民党・新人 西田英範 氏】
「4年前も逆風でしたが、そんな時、皆さん、いや、『』次は大丈夫だ』とおっしゃっていたんですが、4年経ってまた大逆風です」

大規模買収事件以降も自民党内では党派閥の裏金問題や石破総理の商品券配布など、「政治とカネ」の問題が相次ぐ。

【自民党・新人 西田英範 氏】<街頭演説>
「政治不信の問題、国民感覚からズレた問題、こうした問題を二度と起こしてはいけない。必ず変えてみせます。どうかお力をいただきたい」

危機感をあらわにする西田氏。
党の支部組織や支援団体へのあいさつ回りをこまめに行い、逆風が想定される中でも、トップ当選を目指す。


<今月15日>
一方、立憲民主党・現職の森本真治(もりもと・しんじ)氏(52)は今月15日。
広島市で野党3党の県組織幹部たちと手を重ねて結束をアピールした。
この日、立憲民主党と国民民主党、社民党の広島県組織などでつくる政治団体「結集ひろしま」が役員会を開催。

【立憲民主党 広島県連代表 佐藤公治 衆議院議員】
「この広島選挙区においては森本真治候補で、みんなで力を合わせて頑張っていこうという確認を致したところでございます」

候補者を森本氏に一本化し、協力態勢で選挙に臨むことを確認。
3選を目指す森本氏本人も安どの表情を見せた。

【立憲・現 森本真治 氏】
「また一枚岩での選挙に臨ませていただけるということには感謝の気持ちでいっぱいです。今の自公政権に対して、『結集ひろしま』がしっかりと対峙し、参議院においても変えていくあと1か月全力で頑張っていくそういう思いです」

改選2議席を独占していた立憲民主党広島県連にとって、候補者の一本化は決して容易ではなかった。

【立憲民主党 広島県連代表 佐藤公治 衆議院議員】<去年11月>
「2人を擁立させても当選は厳しいし難しい。ひとりですら厳しい戦いになるのではという考えのもと森本真治さんに決めていった」

去年11月立憲民主党広島県連は森本氏を公認候補として党本部に申請すると発表。
一方、続投を望む宮口氏の処遇については党本部に一任するとした。
はしごを外された形となった宮口氏は、今年に入り、離党。
県連内には宮口氏の夫で衆議院議員の福田玄氏が所属する「国民民主党」から立候補するのではないかとの憶測も飛び交ったが、今月、宮口氏は「この夏の参院選への立候補は見送る」と発表。
一方で、政治活動は続ける考えを示した。

<連合広島・総決起集会>
こうした動きもあり、「結集ひろしま」の枠組みで戦えるかどうかは、支援組織である連合広島にとっても大きな課題だった。

【連合広島 大野真人 会長】
「連合の立場で言えば構成組織の支持政党が二極化している複雑な情勢を踏まえるときわめて戦いにくい状況にあること、しかしながら、私たち連合と同じ志を持つ政治家を一人でも多く国政に送り届ける重要性は変わるものではありません」

この日、連合広島の総決起集会に出席した森本氏。
3期目への決意を述べた。

【立憲・現 森本真治 氏】
「働く皆さん、生活者の暮らしの向上のために私自身も全身全霊をかけて、これからも政治活動をさせていただきたい」


組織力のある2人に対し、ほかの野党や政治団体、無所属の新人7人が挑む。

【共産・新 高見篤己(たかみ・あつみ) 氏(73)】
「日本共産党は消費税廃止を目指してまずは5%に減税をする」

今月23日に事務所開きを行った共産党新人の高見篤己氏。
参院選への挑戦は2016年、19年に続き3度目になる。
企業・団体献金の禁止や日本政府による核兵器禁止条約の署名・批准の必要性も訴える。

【れい・新 楾大樹 氏(50)】
「この国の民主主義をちゃんとした中身が伴ったものにしていきたい。私たちが作っていこう。それによって私たちのための政治にしていこう」

今月16日にれいわ新選組から立候補を表明したのは海田町出身の弁護士、楾大樹(はんどう・たいき)氏だ。
国家権力を”ライオン”憲法を”檻”に例えて解説する憲法入門書の著者として知られる。
選挙では消費税廃止を訴える方針だ。

【参政・新 小石美千代氏(56)】
「参政党は教育・国守り・食の安全、この3つの柱。その中の教育、私は教育を推奨しています」

参政党から初挑戦する、小石美千代(こいし・みちよ)氏は教材の販売員を務めている経験から教育問題を重視。いじめや不登校の背景に自己肯定感の低さがあるとして、親が子に関わりやすい環境整備などを訴える。

このほか、諸派の政治団体「NHK党」は新人の堤美登里(つつみ・みどり)氏(68)を、諸派の政治団体「無所属連合」は新人の谷本誠一(たにもと・せいいち)氏(69)の擁立をそれぞれ発表。

また、ともに無所属新人の玉田憲勲(たまだ・のりたか)氏(67)と産原稔文(うぶはら・としふみ)氏(57)も立候補を予定。
組織力のある2人に新人7人がどこまで食い込めるのか。
まもなく決戦の火ぶたが切られる。